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貝印、1~95℃に温度設定できローストビーフが簡単に作れる低温真空調理器

 貝印は、湯温を1~95℃に調節できる低温真空調理器「KaiHouse aio The Sousvide Machine(アイオ・ザ・スービッドマシーン)」を、3月8日に発売する。価格は50,000円(税抜)。全国の百貨店、貝印公式オンラインストアなどで購入可能。

 このほか、2018年に発売する新製品の発表を、料理研究家・脇 雅世さんによるローストビーフの調理デモンストレーションを交えて行なった。

「KaiHouse aio The Sousvide Machine」

やわらかジューシーなローストビーフや煮魚が作れる低温調理器

 「KaiHouse aio The Sousvide Machine」は、食材の旨味を逃さずに美味しく調理できる“低温真空調理”ができる調理器。水を張った鍋などに入れて湯温を1~95℃に調節できる本体と、食材を密封包装して真空状態にできるシーラーで構成されている。

 「低温真空調理」は、「焼く」「煮る」「蒸す」に次ぐ第4の調理法と言われており、食材の旨味や栄養素を逃さずに調理できる点が特徴。ローストビーフや煮魚、温泉卵などを簡単に美味しく作れるという。

 一般的に、肉や魚に多く含まれるタンパク質は63℃で凝固が始まり、68℃を超えると食材に含まれる水分が外に出ようとする。低温真空調理をすることで、タンパク質を凝固させず水分を中に閉じ込めるため、柔らかくジューシーに仕上げられるという。また、真空パック状態にして加熱するため、旨味が水中に溶け出さず、味がしっかり染み込むとしている。

本体。1~95℃に0.1℃刻みで設定できる。水を張った鍋などに入れて使用する
シーラー
食材を専用袋に入れてシーラーで密封
設定温度になったお湯に真空パックした食材を入れるだけで、低温真空調理ができる

 本体にはスクリューを内蔵。水中に対流を起こすため、湯温にムラが出ず一定温度で加熱できる。タイマーは、1分~99時間59分に1分単位で設定可能。

 密封包装するための専用袋は、Mサイズ(約20×30cm)とLサイズ(約28×35cm)が各10枚付属。別売りでも用意し、M(20枚入り)/L(20枚入り)/L(ロールタイプ)/L(100枚入り)をラインナップ。価格は1,400円~8,300円(税抜)。

 本体サイズは、190×77×310mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2kg。専用シーラーは、382×75×50mm(同)で、重量は500g。消費電力は1,000W。取扱説明書に4レシピを掲載するほか、購入者限定で、和食・フレンチ・イタリアン・中華など全63品のレシピをウェブ上で閲覧可能。

製品の加温部。小型スクリューが備えられており(右)、お湯を撹拌することで加熱ムラを防ぐ
専用袋。購入時にはM/Lサイズが同梱
本体を立てる収納スタンド
シェフによる63品の購入者限定レシピ例

料理研究家の脇 雅世さんによるデモンストレーション

 製品発表会では、料理研究家の脇 雅世さんがローストビーフを実際に調理するデモンストレーションを行なった。

 まず脇さんは低温調理器の流行について、「熟成肉やジビエなどの『肉ブーム』と、低糖質ダイエットなどで高タンパク食が見直されていることがありますね。みなさんお馴染みの『サラダチキン』も低温調理品なんですよ。意外と身近で、調理器さえあれば美味しく仕上がる調理法なんです」とした。

料理研究家の脇 雅世さん

 ローストビーフの調理は、まず専用袋へ室温に戻した肉を入れ、袋の中で塩コショウをして馴染ませる。次に、シーラーのバキューム機能で、バッグ内を真空状態にして密封。あらかじめ本体を入れて、湯温を58℃、タイマーを50分に設定した鍋に、真空パックを入れて加熱した。

 専用袋は、7層構造で、汁漏れだけでなく臭い漏れも防ぐ。内側にはエンボス加工が施されており、バキューム時に効率よく脱気できるという。

 脇さんはまず、「シーラーがセットになっているので、手軽に低温調理が始められます。さらにこのシーラーはバキュームを中断できるので、汁気の多いマリネなどを密封するときも汁漏れを防げて、大変便利なんです」と語った。

シーラーで密封を行なう。このとき食材をバッグの底から2cm以上離すことが、食材の型くずれを防ぐコツ

 また調理温度について、「肉の赤さが美味しさのポイントになります。加熱時間は肉の大きさで異なりますが、今回は50分。温度はタンパク質が凝固する前の58℃に設定しましょう」と話した。

ローストビーフでは、調理器を58℃に設定して調理した
加熱中のローストビーフの様子。スクリューがお湯を循環しているため、水面が波打っている

 最後に、フライパンで肉に焼き色を付けてローストビーフの完成だ。なお、最後に焼き色を付けることで、程よい香ばしさが残るほか、温かい状態でサーブできるというメリットがあるという。「お客様が万が一遅れて到着することになっても、最後に焼けば温かい状態で食べてもらえます」(脇さん)

 実際に試食したところ、味付けが塩コショウだけとは思えないほど旨味が広がった。肉はやわらかくジューシーで、冷めても美味しい絶品ローストビーフに仕上がっていた。

低温調理した肉に、フライパンで焼き色を付けていく
調理器で加熱の完了した肉を切る。この段階では肉の色がくすんでいるが、このあと酸素に触れることで鮮やかな赤色になるという
完成したローストビーフは、鮮やかな赤色が食欲をそそる

ベジヌードルが作れる「スパイラルカッター」など調理器具シリーズも新発売

 発表会では、野菜を中心にした調理の下ごしらえを手早く行なえるグッズも登場。3月8日に発売される。ハンドルを回すだけでベジヌードルを作れる「スパイラルカッター」(価格:2,500円)は、折り畳んで収納できるほか、とうもろこしの実を一気に外せるコーンカッター付き。

 ハンドルを回して食材をみじん切りにできる「スピーディチョッパー」は、L・Sの2サイズを展開。両サイズともパーツの変更で泡立てに対応するほか、Lサイズはカゴをつければ野菜の水切りができる。価格はLサイズが1,500円、Sサイズが1,000円(いずれも税抜)。

「スパイラルカッター」はベジヌードルをスイスイ作れる
「スピーディチョッパー」は中央奥がLサイズ、手前右がSサイズ

 また機能性とデザイン性を備えた既存の調理道具シリーズ「SELECT100」の上位にあたる「SELECT100 Gold Label」シリーズを発表。3月8日に発売される。

 ハンドルがなく重ねて収納できる「フタ付き計量カップ」は、500ml/200ml/50mlをラインナップ。価格は順に1,500円、1,000円、600円。注いだ調味料の色に関わらず見やすいメタリックブルーの目盛りが特長。黒いフタが付属するほか、ステンレスの網目が衛生的な「こし器」も1,500円で別売りされる。

 「オーバル型計量スプーン」は、さじの底が平らなため調理台に置いて計量できるほか、表面がなめらかで粘度の高い液体が残りにくい。大さじ1、大さじ1/2、小さじ1、小さじ1/2、1mlの5種類があり、価格は各600円、5本セットで2,500円(いずれも税抜)。

さじの底の形状が特長的
フタ付き計量カップは、シンプルでどんなキッチンにも合うデザイン