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エアコン暖房、つけっぱなしとこまめに入り切りはどっちが得か~ダイキンが検証

 ダイキン工業は、「エアコン暖房をつけっぱなしにするのとこまめに入り切りするのでは、どちらの電気代が安くなるの?」をテーマに検証を行なった。30分程度の外出であれば、エアコン暖房を付けっぱなしにした方がお得という結果が出たという。

 今回の検証は、京都市内の築15年、ほぼ同じ条件のマンション2部屋を使って、実際にエアコン暖房を「つけっぱなし」、「こまめに入り切り」して行なった。最初の実験では、24時間つけっぱなしにしたエアコンと、30分間隔でON/OFFを繰り返したエアコンの消費電力量を比較した。その結果、全ての時間帯において、30分間隔で「こまめに入り切り」するよりも「つけっぱなし」にした方が消費電力量は小さく、電気代が安くなった。

実験に使用した部屋の間取り。ほぼ同じ条件のマンション2部屋を使って実験した
実証試験を行なった部屋(左)

 これは、エアコンの運転をONにした直後に多くの電力を消費したためで、エアコンは設定温度を維持する時よりも運転を開始した直後の室内温度と設定温度の差が大きい時に電力を多く消費するという。

「つけっぱなし」にした場合の室温、消費電力推移
30分間隔で「こまめに入り切り」した場合の室温、消費電力推移

 2つめの実験では、1日の生活スケジュールを想定して、外出時/在宅時に関わらず24時間「つけっぱなし」にしたエアコンと、外出時に運転をOFFにしたエアコンの消費電力量を比較。その結果、夜間(18~23時)2時間の外出をした場合、運転を切った方が電気代が安くなった。

 しかし、外出時に運転をOFFにしたエアコンでは停止時間が13時間もあったが、24時間連続運転したエアコンとの電気代の差は約30円程度だった。これは、24時間連続運転した場合、室温にほとんど変化がなく、部屋の天井や床、壁に蓄熱されているため、少ない電力でエアコンを運転できるからだという。一方、睡眠(23~7時)や、日中・夜間の外出時に運転を停止させると、そのたびに室温が低下し、何度も冷え切った状態から設定温度まで上げる必要があり、多くの電力を消費している。今回の検証では、スケジュールに合わせて運転を切った場合の方が消費電力は少なかったが、「こまめに入り切り」する頻度がもう少し増えると結果が逆転する可能性も十分考えられるという。

「つけっぱなし」にした場合の室温、消費電力推移
想定スケジュールに合わせて「こまめに入り切り」した場合の室温、消費電力推移

 ダイキンでは、今回の実験結果が全てのケースに当てはまるわけではないとしながら、30分程度の外出であれば、「つけっぱなし」にした方がお得になる可能性があると指摘。単純に「つけっぱなし」にしておけば電気代が安くなるというわけではないが、「こまめに入り切り」した場合との電気代の差は約30円程度なので、「つけっぱなし」にして室内の温かさを維持するのも1つの方法だとした。