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電柱を活用して高齢者の徘徊を見守る実証実験が大府市でスタート

 名古屋工業大学と中部電力は、電柱を活用した認知症高齢者徘徊見守りシステム「見守りプラス」の実証実験を、愛知県大府市 共和西自治区地区内で開始した。期間は2018年2月28日まで。協力者は、実証実験に賛同する地域住民および、名古屋工業大学の学生40名。

システム概要

 名古屋工業大学が開発した徘徊見守りシステム「見守りプラス」を使った実証実験。固定型受信機を共和西自治区内の電柱25カ所に設置し、協力者が携帯する電波発信機の信号を検知して移動データを収集する。

 信号の検知や位置情報の確認には、IoT向け通信技術であるLPWAやBLEなどを活用。見守り者は、協力者の位置情報をスマートフォンやパソコンから確認できる。

 また、協力者は徘徊の模擬行動を行ない、位置情報の軌跡をサーバーに蓄積。AIが分析することで、認知症などによる徘徊的行動を検知するモデルの開発を目指すという。

 今回の実証実験では、「見守りプラス」のシステム運営や抽出データの分析を行なうことで、電柱に設置した固定型受信機の有用性を検証。年々増加する、認知症などによる徘徊高齢者を見守るシステムの研究・開発に役立てていくという。また、通信技術に関する知見を獲得し、電柱を利用した新たな地域サービスの開発にも活かしていくとしている。