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ダイキン、カラバリ豊富なエアコン「リソラ」や洗面所など小空間向け「ココタス」などでラインナップを強化
2017年9月29日 16:46
ダイキン工業は、ルームエアコン「うるさら7」の2018年モデルのほか、7つのカラーバリエーションをラインアップしたスタイリッシュエアコン「risora(リソラ)」、洗面所やキッチンなどの小空間マルチカセット形エアコン「ココタス」の3製品を同時発表した。
7つのカラバリを用意したスタイリッシュエアコン「リソラ」
7つのカラーバリエーションをそろえたルームエアコン「リソラ」は、デザイン性と機能性の両立にこだわったモデル。空気と空間の両方で心地よさを追求するほか、多様化するインテリアのニーズに対応するためカラバリや質感などを豊富に揃えている。
家電量販店向けと、住宅設備向けの機種を用意し、発売は2018年3月30日を予定。価格は、家電量販店向けの4.0kWタイプで20万円前後(税抜)。なお家電量販店での販売は、ラインホワイトとグレイッシブラウンメタリックの2種類のみとなる。
リソラのネーミングは「理想」の「り」と、「空間」の「そら」から来ているという。幅798mmのコンパクトサイズで、奥行は185mmと業界最薄で23畳用の7.1kWまで対応。
光沢のあるラインホワイト、木目のインテリアにもマッチするグレイッシュブラウンメタリック、ソファの張地を表現したマットな質感のファブリックホワイト、マットと艶の質感を織り交ぜたブラックウッド、編み込まれたような質感のツインゴールド、北欧をイメージさせるナチュラルなソライロ、自然の溶け込むようなフォレストグリーンなど、カラーバリエーションだけでなく、多彩な質感のラインアップを揃えている。
多連結ソウエッジクロスフローファンの採用により、ファンと熱交換器が近接するために熱交換器を通過した風の乱れがファンと干渉して耳障りな風切音が発生してしまうという問題を解決し、使用時の心地よさを可能にしたという。
また「うるさら7」で培った、からだに直接あたりにくい「天井気流」「垂直気流」のほか、冷房時の除湿力を高めた「プレミアム冷房」や、清潔機能である「ストリーマ内部クリーン」なども備え、エアコンそのものの機能も充実している。同社では「リソラ」をミドルクラスのルームエアコンと位置付けている。
システムマルチエアコンの室内機としても2018年4月下旬に発売するほか、日本発の世界共通モデルとしてグローバル展開も予定している。
テクノロジー・イノベーションセンター先端デザイングループ グループリーダー主任技師・関康一郎氏は、リソラについて「デザインと機能性を両立させることで、『あなたにとって理想の空間を提供します』と胸を張って言える“1つの答え”です」と語った。
ダイキン工業ではヨーロッパデザインのUXシリーズを2016年に発売しており、このモデルについては関心も非常に高かったとしているが、マルチエアコンだったことや、サイズ感が日本には合わなかったことなどから、日本仕様のリソラには大きな期待感があり、自信を持って発表できるとしている。
洗面所や玄関などの非居室向けカセットエアコン「ココタス」、無線LAN機能も標準搭載
これまでにない新しいライフスタイル提案となるのが、洗面所、キッチン、玄関、廊下などの非居室の空調を整える小空間マルチカセット形エアコン「ココタス」だ。住宅用マルチエアコン室内機で、発売は2018年2月27日。希望小売価格は室内機+化粧パネルで14万円(税抜)。
現在、新築住宅やリフォームで大きなLDKと小さなパーソナルスペースという組み合わせが増えてきている。また全国的に住宅そのものが小さくなる傾向にある。家事室や洗面室の大型化、玄関まわりの小部屋の充実など、これまでとは異なる居住空間に合わせ、どんな空間にも設置できるエアコンとして、今回の小空間マルチカセット形エアコン「ココタス」が開発されたという。
洗面室に空調が加わることで「自分磨き」の場に、玄関まわりに空調が加わることで「秘密基地」に、キッチンが快適な空調になることで「家族みんなの共同作業」の場に、廊下が快適になることで「子どもたちの空想空間(遊び場)」になる。また洗面室や脱衣所の空調を整えることは高齢化社会のヒートショックを防止することにもつながるとしている。
「ココタス」は新開発のダウンサイジングターボファンを採用し、熱交換器と合わせた風回り技術によって業界最小サイズを実現させた。3畳程度の空間で室温維持するための能力は200Wほどと低いため、エアコンの能力もそれに合わせる必要があるが、冷媒制御技術と新規電動弁の採用で最少能力200Wを可能にしている。
使用時にすばやく快適になる「パワフル運転」機能を搭載しているほか、小型でも足元まで気流を届けるフラップを採用、脱衣時に温かさを確保する「スポット温風」も搭載している。また、無線LAN機能も標準搭載しており、スマートフォンなどで他の部屋からの運転切り替えもできる。
冷暖房の設定温度への到達時間を短縮したルームエアコン「うるさら7」
ルームエアコン「うるさら7 (Rシリーズ)」は、冷暖房時において設定温度への到達時間が短縮され、快適性を高めたモデル。11月1日に発売する。適用畳数6畳~29畳の計10機種を用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は23万円前後~42万円前後(税込)。
同社のルームエアコンのフラグシップモデル「うるさら7」の6代目となる2018年モデルでは、暖房時にも冷房時にも設定温度にすばやく到達させるため、外気温によって制御内容を変更する「ブースト」制御を新搭載している。
暖房時の「ヒートブースト」制御では、人に風を当てないコアンダ原理を使った「天井気流」と新圧縮機制御によって、現行モデルに比べて設定温度への到達時間を20%短縮させ、ワイドリビングでもすぐに快適になるとしている。帰宅時など速暖性に不満を感じるユーザーの声が多かったことに応えたという。
また、0℃以下の極低温時でも、室内機に冷媒を戻してガス状態の冷媒を室外機に集めて圧縮機を急速に立ち上げる低温ブースト制御によって温風を素早く出す。-10℃の低温時でも6分で温風吹き出しが始まる。
一方、冷房時のクールブースト制御では、温度だけでなく湿度にも注目した。現行モデルよりも除湿量を20%上げ、快適な湿度に到達する時間を約40%短縮することで、すばやく清涼感が得られるとしている。
2013年にR32の新冷媒を採用し、サーキュレーション気流などを取り入れて誕生した「うるさら7」は、その後、冷房の快適性や湿度コントロールを強化したり、暖房の快適性を高めるなど進化してきたが、今回のモデルでは、快適性はそのままに、「うるさら7」が作り上げる環境をすばやく実現させるものになっている。
2020年にシェアNo.1を目指し、ライフスタイルを変える提案をしていく
ダイキン工業 常務執行役員 空調営業本部長・舩田聡氏は、今後の成長戦略について以下のように述べた。
「2020年にシェアNo.1を目指し、住宅設備での市場を創造するために、これまでハウスメーカー中心だったものを、工務店に対しても空調機器の取り扱いを広げるべく、営業力・提案力を強化していきたい」
同社は2018年度にルームエアコン事業参入60周年を迎えるが、エアコンの普及率は9割を超え、一家に3台、一部屋に1台となってから、長らく変化がなく、新しい日本の空調文化を創造していかねば、今後のさらなる伸びは難しいと予想している。
「これまでの置き換えでなく、リソラやココタスのような新しいニーズに応える製品を生み出すことが急務だと感じた。他社がやっていないところでシェアを伸ばしいきたい」(舩田氏)。非居住空間への新たなライフスタイル提案となるココタスは、マンション新築時に導入してもらい、マンション価値を高めることも訴求したいとしている。
テクノロジー・イノベーションセンターでの研究開発状況のお披露目も
大阪府摂津市の淀川製作所内にある、テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)は、ダイキン工業の技術開発拠点となっているところで、4階・5階には、先行開発のための技術者が700人勤務している。1階のエントランスを抜けると啓発館と呼ばれる「ダイキン工業の博物館」のようなものもあり、社内だけでなく他社との協業も視野に入れた開かれた開発の場所となっており、実験棟も併設している。
新製品となる「ココタス」は設置場所の自由度を高め、新しいライフスタイル提案をするために、マルチカセット形エアコンとしては業界最小サイズにしたことに特徴があるが、風切音をいかに小さくするかが大きな課題となったという。この解決策のためにもこのTICでの研究・開発が大きな実を結んだといい、実験棟では2室を通じて風音の大きさを測定する様子などが披露された。
また、TIC内のデザインショールームでは、リソラのデザイン設計の変遷や、ココタスの一方向の風向きに最適なコの字型パネルのデザインの変遷が披露されたほか、サーマルマネキンによって人を使わなくても空調による体感(快適性)を測定できる様子などの説明が行なわれた。