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異なるメーカー間のIoTデバイスを連携。NECが企業向けIoTプラットフォームを発表
2017年7月20日 12:36
NECパーソナルコンピュータとキュレーションズは、IoTデバイスを利用したサービス提供を簡単に行なうための、企業向けIoTオープンイノベーションプラットフォーム「plusbenlly(プラスベンリー)」を共同企画し、7月19日よりベータ(試作)版を一般公開した。
BtoB向けのIoTプラットフォーム。クラウド上のバックエンドサービスで、異なる企業のIoT家電やウェアラブルデバイス、SNSなどのインターネットサービスを相互に接続させ、自由に組み合わせる機能を提供する。
現在50社以上の企業が同プロジェクトに賛同。利用企業は、plusbenllyを経由してメーカー間のIoT機器を組み合わせて新たなサービスとして提供したり、機器から収集されるデータ情報を組み合わせ、自社サービスの利用者に有益な情報として提供できるという。
ベータ版で公開しているサービスでは、IoT照明「フィリップス Hue」や活動量計「Fitbit」、グラモの学習リモコン「iRemocon」、Twitter、Facebookなどと接続可能。8月以降は、オムロンのヘルスケアデータ「OMRON connect」やメッセージアプリ「LINE」との連携も予定している。
利用例としては、起床時間に合わせて異なるメーカーのテレビ・エアコン・照明を一括オンにする組み合わせや、体重計や活動量計アプリから取得した体重が目標を上回ったときに、ダイエットメニューをネットサービス企業が提案するなどの組み合わせを想定している。
これがIoTという体験はまだない。業界が結びついてこそサービスが生まれる
NECパーソナルコンピュータ 代表取締役 執行役員社長 留目 真伸氏は、同プロジェクトについて次のように語った。
「IoTという言葉はよく耳にするようになりましたが、これがIoTだなという体験はまだ少ないと思います。なぜそれが起こらないかというと、各業界がそれぞれ縦で製品やサービスを提供しているからです。それぞれの業界が縦横無尽に結びついてこそ、新たなサービスが生まれると思います。そのためにオープンイノベーションを企画しました。企業間が結びつくことで、エンドユーザーが本当に必要としているサービスが生まれ、生活の中で感じる問題や課題を解決していけるようになると思います」
また、賛同企業である、オムロン 技術・知財本部 SDTM推進室長 経営基幹職 竹林 一氏も登壇。
「オムロンが販売している家庭用血圧計では、温度と血圧が測定できる製品があります。以前、高齢者の方がその血圧計を利用して、データを主治医と共有しているという話を聞きました。血圧が上がっているときは薬を多めに出してもらうという対応をしていたのですが、ある日主治医の方がデータを見たときに、室温が低いときに血圧が上昇していることに気づいたそうです。以降は、起きる1時間前にエアコン暖房を設定するようにしたのですが、今回のIoTサービスでデバイス間の接続が可能になれば、新たなソリューションが生まれると思います」
ベータ版は、特設サイトから利用可能。2017年中に正式版を提供する予定だという。なお、ベータ版は商用利用不可としている。
現段階では既に、大和リビングマネジメントと、積水ハウスのIoTプロジェクトでplusbenllyの採用が決定。大和リビングマネジメントでは、賃貸住宅における生活快適性の向上とエネルギーの最適利用を目指したプロジェクトの共同試験で、積水ハウスでは家庭内の機器接続やスマートホームに関する事業の実証実験で導入されている。