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家族の帰宅状況などをスマホで確認できるIoTソリューション「つたえるーむ」

 シャープ、アルテリア・ネットワークス、アイホン、アッサアブロイジャパンの4社は、家族の帰宅状況などをスマホから確認できる新築マンション向けIoTソリューション「つたえるーむ」プロジェクトを開始した。7月5日にマンションデベロッパー向けに販売を開始し、サービスは2018年春より提供される予定。

スマホから家族の帰宅状況などが確認できるIoTソリューション「つたえるーむ」

遠隔操作でドアの施錠もできる。カードキーは個人を識別し、誰が帰宅したかを把握

 マンションのドアや自宅のインターホンを、スマートフォンと連携可能にするIoTシステム。マンション共用部や各戸(専有部)に設置されたデジタルドアを通じて、スマートフォンアプリから家族の帰宅状況の確認や、ドアの施錠をできる点が特徴。アプリは、シャープの「ココロボ~ド」を採用しており、対話形式で家の状態をわかりやすく知れるという。

デジタルドアやインターホンがスマートフォンと連携する
アプリは、シャープの「ココロボ~ド」を採用

 デジタルドアを開錠する鍵はカード型で、カードナンバーにより個人を識別。共用部のデジタルドアを通過するとカード所持者が認識され、誰が帰宅および外出したかをアプリに通知する。共用部のドアは、ハンズフリーオートロック方式で、カードキーを所持していれば取り出す必要なく、ドアが開く仕組みとしている。

 各戸(専有部)に設置されたデジタルドアでは、カード所持者が開錠するとアプリに通知され、帰宅情報を確認可能。

 ドアの施錠にも対応し、外出先から鍵を閉めたか不安になった際もアプリから確認できる。鍵を閉め忘れていた場合は、遠隔操作で施錠可能。

カードキーでデジタルドアを施錠・開錠する。共用部はハンズフリーオートロック方式なため、カードキーを取り出す必要はない
カードナンバーで個人を識別し、誰が帰宅したか把握できる
ドアの施錠状況の確認や、遠隔操作で施錠することも可能

増加する共働き世帯が抱える不安をIoTで解消

アルテリア・ネットワークス 事業統括本部 レジデンシャルサービス部長 川原 久幸氏

 今回のプロジェクトは、「共働き世帯でも安心して子育てができる家」をテーマに企画。近年増加傾向にある、共働き世帯の子供の帰宅状況の確認や、家に子供しかいないときの来訪者対応への不安解消を、IoTで実現することを目的としている。

 アルテリア・ネットワークス 事業統括本部 レジデンシャルサービス部長 川原 久幸氏は、プロジェクトについて次のように語った。

 「マンションで、鍵の施錠状況から帰宅を通知するサービスなどは既にありますが、“つたえるーむ”では帰宅だけでなく外出も検知できます。共用部には帰宅用と外出用のセンサーを用意し、外に出たこともわかるようになりました。さらに見守り機能を強化できます」

共用部には帰宅用と外出用のセンサーを用意し、外出の検知もできる

 帰宅情報など、アプリに通知された内容は、自宅のモニター付きインターホンでも確認できる。インターホンにはメッセージも送れ、簡単なコミュニケーションが取れる機能を搭載。インターホンに宅配業者などから呼び出しがあると、アプリにも呼び出し履歴を通知する。

 「例えば、お父さんが“今日は帰りが遅くなります”とインターホンにメッセージを送り、インターホンから返事をすることもできます。インターホンから送れるメッセージは、“頑張ってね”など短い定型文になりますが、スマホをまだ持たせたくない子供とのコミュニケーションを取るのに役立てられます」(川原氏)

 このほかアプリでは、来客用駐車場やゲストルームなど、マンション共有部の予約システムにも対応。ゲストルームもデジタルドアを設置し、予約した時間のみ自宅用のカードキーで解錠できるという。予約情報は、アプリ内カレンダーに登録され、予約の時間が近づくと通知する機能も備える。

自宅のインターホンで、アプリから送られてきたメッセージを確認できる
インターホンに来訪者から呼び出しがあると、アプリにも通知される

 各社の役割は、マンション全戸一括型のインターネットサービスなどを提供する、アルテリア・ネットワークスがサービスや各社連携用のシステムボックスの販売を担当。シャープが、住宅設備のクラウド接続や、アプリ「ココロボ~ド」を提供。アイホンが、自宅に設置するインターホンシステムを、アッサアブロイジャパンが、マンション共用部および専有部のデジタルドアロックシステムを提供する。

 2018年度の販売目標は、内定含む50棟、約4,700戸。3年間累積販売棟数は175棟、16,000戸、14億円の売上を目標としている。

4社の役割