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歯ブラシだけでは不十分。パナソニックが提案するオーラルケアの新習慣「FBI」とは

 パナソニックは、歯ブラシだけでは取り切れない汚れを水流で洗い流す、口腔洗浄器「ジェットウォッシャー ドルツ EW-DJ71」を使った、口内ケアの勉強会を開催した。

口腔洗浄器「ジェットウォッシャー ドルツ EW-DJ71」

 ジェットウォッシャーは、独自技術「超音波水流」で、歯間に詰まった食べかすや歯周ポケットの汚れを、水流で洗い流す口腔洗浄器。歯磨き後に使用することで、歯ブラシだけでは取り切れない汚れを強力に除去するという。

 5月1日の発売を予定しており、価格はオープンプライス。店頭予想価格は16,000円前後(税抜)。

歯間につまった食べかすなどを洗い流す
従来の水流よりも微細な気泡を生み出す「超音波水流」を採用

歯周病菌は認知症や糖尿病の原因にも

歯科衛生士の北原 文子氏

 勉強会では、歯科衛生士の北原 文子氏が登壇。口内に潜む歯周病菌が人体に与える影響や、オーラルケアの重要性について説明した。

 一般的に、口内には300種類以上、100億個以上の細菌が存在するという。さらに口内は、温度が37℃前後で、細菌が隠れやすい複雑な形状をしているなど、細菌が繁殖しやすい環境が整っている。

 細菌の塊は「プラーク」と呼ばれ、「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」の2つに分類されるが、細菌の種類は異なる。歯肉縁上プラークは、歯の表面に付着し虫歯の原因になる細菌。歯肉縁下プラークは、歯と歯ぐきの間にできる“歯周ポケット”に住みつき、歯周病の原因になる細菌だという。

 「中でも、歯肉縁下プラークに住みついた歯周病菌が増加すると、歯ぐきが腫れて歯肉炎になるほか、歯を支える骨がとけるなど、さまざまな影響を及ぼします。また近年では、歯周病菌が血液中に入りこむと、認知症や肺炎、糖尿病などの原因のひとつになることもわかっています」(北原氏)

歯の表面と歯周ポケットでは、細菌の種類が異なる
歯周病菌は認知症や肺炎など、病気の原因にもなるという

オーラルケアの新習慣「FBI」とは

 そこで同社が提案するのは、オーラルケアの新習慣「FBI」。FBIとは歯間のケアをする「フロッシング」、歯の表面をケアする「ブラッシング」、口内を洗浄する「イリゲーション」の3つを合わせた言葉。フロスや歯ブラシを使ったフロッシングやブラッシングで、汚れを剥がせるが、その後の口をゆすぐ行為だけでは汚れは洗い流しきれないという。

 特に歯周病菌が潜む歯周ポケットの汚れは流れにくく、放置すると汚れが再びついてしまう。そこで必要になる「イリゲーション」という洗い流す工程で、ジェットウォッシャーが効果を発揮するという。

オーラルケアの新習慣「FBI(フロッシング/ブラッシング/イリゲーション)」を提案する

歯間のキャラメルから昨晩の食べかすまで! 歯ブラシだけでは不十分なことを実感

 独自技術「超音波水流」を採用したジェットウォッシャーは、水流の中に小さな気泡を生成し、気泡が弾けるときに強力な衝撃波が起こる。この衝撃波が、歯間や歯周ポケット、歯ブラシだけでは取り切れなかった歯面の汚れまで洗い流すという。

 ジェットウォッシャーを使った実演も行なわれた。キャラメルを付着させた歯の模型にジェットウォッシャーを当てると、噴射した水でキャラメルは弾き飛ばされ、歯間や歯と歯ぐきの境目の部分など細かい部分もキレイになっていた。

超音波水流で起きる衝撃波が、歯ブラシだけでは取り切れない汚れまで洗いながすという
キャラメルを付着させた歯の模型で実演
Before
After

 記者も使ってみたところ、ジェットウォッシャーを当てて水を吐き出すと、前日の夜に食べた覚えのあるネギが見つかった。きちんと歯磨きしているはずなのに……とショックを受けたが、普段きちんとケアしていると思ってても取り切れていない汚れがあることがわかった。このまま放置していたらと思うとゾッとする。

 また、新モデルでは使い勝手も向上。左右対称のデザインを新たに採用し、右利き、左利きどちらでも使いやすくなった。ハンドルはマグネット式で着脱できるようになり、使い終わったあとに本体に差し込む必要がなくなっている。

 本体サイズは、125×140×280mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約970g。タンク容量は600ml。消費電力は13W。超音波水流ノズル2本、ノズルスタンドが付属する。

実際に使ったところ、きちんと歯磨きをしているつもりでも汚れが見つかった
新モデルはハンドルがマグネット式に。着脱がしやすい
左右対称のデザインで電源コードは左右どちらからも引き出しやすい
タンクも取り外せる

 北原氏は、「口内のトラブルを発見するのにはさまざまな方法があり、マスクをしたときに口臭が気になる、歯肉から出血があるといった症状があるときには、既に歯周病が進行している可能性があります。簡単にできる口臭チェックとしては、舌の上にコットンをのせ、乾かした後にニオイを嗅いでみるという方法があります。こうした手軽なチェックから、日常的な口内ケアを意識してもらえればと思います」

口内トラブルのチェック項目
9個以上当てはまるとトラブルの可能性がある
マスクをしたときの口臭が気になる人は多いという