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スマホと連携する炊飯器の新モデルで分かった、三菱電機のユニバーサルデザインへの取り組み度

 三菱電機は、発売した炊飯器と掃除機のプレス向け説明会を開催した。炊飯器は同社のユニバーサルデザインへの取り組みの成果について、掃除機は空気を吹き出してゴミを散らすブロアー機能について力点を置いて説明した。

視覚障がい者でも美味しいご飯が自分で炊ける炊飯器

 同社は、より多くのユーザーが先進の機能を搭載した製品を扱えるように、様々な製品に「らく楽アシスト」を組み込んできたという。なお、「らく楽アシスト」は、特定の機能を指すのではなく、ユーザーが製品を使いやすいようサポートするデザインや機能の総称。

 この「らく楽アシスト」は、同社のほとんどの製品に何らかの形で組み込まれている。例の1つとして挙げられたのが、ジャー炊飯器「本炭釜 KAMADO NJ-AW107形」。同炊飯器では、文字を大きく滑らかに表示できる液晶モニター「らく楽デカ文字」を搭載。内釜の目盛りには、V字目盛りで水位の視認性を向上させている。またメニュー選択時には、操作確認がしやすいよう音声で通知する「音声ナビ」も設定できる。

多彩な製品に採用される「らく楽アシスト」は、子どもから高齢者、身体の不自由な人などでも、安心してラクに使える楽しく使えるようにする機能や工夫
ジャー炊飯器「本炭釜 KAMADO NJ-AW107形」では、誤操作や危険防止のために、操作や設定を音声ナビで知らせる機能を搭載
購入者の中で希望する方には、操作部に貼る点字シールや、しゃもじに取り付けて水加減の目安にするゴムリングなどが、無料で送ってもらえる
レンジグリル「ZITANG RG-GS1」では、見やすいブラック液晶を採用。見やすさを追求したとする
サイクロン式掃除機「風神 TC-ZXE30P」では、手首やひじが疲れにくいよう「フィジ軽グリップ」を採用

 同社は「より多くのユーザーが先進の機能を搭載した製品を扱えるように」というコンセプトを進めるため、年間で約50前後開催されるUD(視覚障がい者)イベントにも積極的に展示参加してきたという。展示会では厳しい意見も上がってくることが多く、そうした意見をフィードバックした製品の1つが、先日リリースされたIHジャー炊飯器(5.5合炊き)「備長炭 炭炊釜 NJ-VA107」

ユニバーサルデザインを進めたIHジャー炊飯器(5.5合炊き)「備長炭 炭炊釜 NJ-VA107」

 同社が展示会に参加してきた中で分かったのが、視覚障がい者が多機能な炊飯器を使いこなせていないという事実。その一方で、同じく多機能なスマートフォンを使いこなせている人は多かったという。

 なぜスマートフォンは視覚障がい者でも使えるのか? それは、スマートフォンにはユーザー補助機能の1つとして、トークバック(TalkBack)という機能が搭載されているからだとわかった。トークバック機能とは、スマートフォンを操作すると各場面で行なった動作をバイブパターンや音声で知らせてくれるものだ。

 そこで「備長炭 炭炊釜 NJ-VA107」では、トークバック機能を連動させることにしたという。前提として同機は、NFCなどに対応したAndroid端末を使って簡単に設定が可能。専用アプリで設定したら、Android端末を本機上部にかざすだけで、設定した内容が炊飯器に転送される仕組みになっている。この専用アプリをトークバック機能対応とすることで、視覚障がい者でも、お米の銘柄指定や炊き上がりの硬さなどが、設定しやすくしているのだ。

「備長炭 炭炊釜 NJ-VA107」は、NFC対応スマートフォンを炊飯器上部にかざすだけで、設定内容が転送される
スマートフォンのトークバック機能と連動させて、視覚障がい者でも細かい設定がしやすいようにしている
炊飯ボタンを押した後に、スマートフォンをかざすと炊き上がり時間を取得。カウントダウンがスタートし、炊き上がり5分前に通知してくれる

 なお専用アプリ「らく楽炊飯」は、点字図書館や日本盲人会連合などの協力を得て、全盲の方や色弱の方などに実際に使ってもらい意見を聞きながら開発。視覚障がい者でも分かりやすく使いやすいものを追求したという。

より広範囲に吹き出すエアブロー機能で、玄関やベランダ掃除をラクに!

 サイクロン掃除機「風神 TC-ZXF30P」は、排気を活用してゴミを吹き飛ばす「エアブロー機能」を中心に説明された。エアブロー機能とは、掃除機の排気の風を活用してゴミを吹き飛ばすもので、2015年から搭載された。

サイクロン掃除機「風神 TC-ZXF30P」
エアブロー機能
新たに同梱される幅広のエアブローノズルと、2WAYロングノズル

 購入者アンケートによればエアブロー機能は満足度が高く、特にサッシレールや玄関で多用されていることが分かったという。だが、従来機に同梱されていたエアブロー用のノズルは先端が細く、狭い範囲をピンポイントで吹くため、玄関などの広い範囲を掃除するには時間がかかってしまったという。

 そこで新モデルでは、エアブロー機能対応の2WAYロングノズルの他に、幅広のエアブローノズルを同梱。同ノズルを使うことで、広い場所を一気に掃除できるようにしたとする。

従来同梱されていたエアブロー用ノズルと、新モデルに付属する幅広ノズルとの比較。従来ノズルでは風車が1つしか回らないが、新ノズルでは3つが回る。それだけ風が幅広く行き渡る

 エアブロー機能以外に、ふとん専用の「アレルパンチふとんクリーンブラシ」も同梱される。走行車輪とは逆に回転させるブラシを搭載し、ふとんのゴミをかき出し、効率よく吸引できるとする。

同梱される、ふとん専用の「アレルパンチふとんクリーンブラシ」
すべてのパーツを分解できるため、隅々まで洗えて清潔に保てる