長期レビュー
東芝「大清快VOiCE EDRシリーズ」
東芝「ルームエアコン 大清快VOiCE EDRシリーズ」その1
~デュアルコンプレッサーでとにかく省エネ!
(2013/4/25 00:00)
リビングのエアコンを11年ぶりに買い替える!
現在、住んでいるマンションに引っ越してから、まもなく11年が過ぎる。その際に設置したリビングのエアコンは2002年製のため、まだまだ省エネ機能が充実しておらず、能力も低いものだった。角部屋で比較的、風通しもよいことから、夏でも基本的には窓を開けて扇風機を使い、エアコンはあまり活用していなかった。
暖房にいたっては、温風が上に舞い上がってしまい、サーキュレーターと併用してもなかなか足元が温かくならないため、石油ファンヒーターを使ってきた。つまり、エアコンの暖房機能は、灯油の買い置きがなくなってしまった時の、“もしもの時用”でしかなかったというわけだ。それに何よりも、冷風であれ、温風であれ、エアコンの風が直接当たるのが不快に感じられ、エアコンそのものが好きでなかった。
ただ、東芝ホームアプライアンスのエアコン「大清快」シリーズを知ってから、エアコンに対するイメージが変わった。「大清快」シリーズは、同社ならではの圧縮機「デュアルコンプレッサー」による省エネ性の高さや、扇風機並みの消費電力で冷房運転(=涼風運転)ができる点などが魅力。買い替えのタイミングでは、ぜひこのシリーズのエアコンをリビングに設置したいと思ってきた。しかも、昨年の秋に発表された「大清快VOiCE EDRシリーズ」では、新たに暖房時にも「保温運転」ができるようになり、より魅力が増している。これなら、夏の冷房も我慢せずに使えそうだし、冬も灯油をこまめに買いに行く必要もなくなり、便利に使えそうだ。
EDRシリーズは、大清快シリーズの中でも、すべての機能が搭載された贅沢なフルスペックモデルだが、広いリビングだからこそ、ワイド気流などの良さが実感できるはず。11年というのは、買い替えのタイミングとしても妥当だろう。ということで、夏を迎える前で設置工事も混まないこの時期に、購入を決定した。
今回から3回にわたって、製品の特徴や、実際に使ってみての感想、お手入れの仕方などを紹介していく。
メーカー | 東芝ホームアプライアンス |
---|---|
製品名 | 大清快VOiCE EDRシリーズ |
品番 | RAS-562EDR |
購入場所 | ヨドバシ.com |
購入価格 | 268,000円 |
愛犬・大和にもぴったりの涼風運転
ここであらためて、「大清快VOiCE EDRシリーズ」の特徴を説明しておこう。大清快の1番の特徴は、室外機内に搭載されているエアコンの心臓部「コンプレッサー」の圧縮部が2つのシリンダーで構成されている「デュアルコンプレッサー」を採用していることで、他社にはない独自の技術だ。
これにより、運転開始時など大きな能力を必要とする際には2つのシリンダーを動かし、設定温度に近づいてくると1つのシリンダーだけを動かして小さな能力で運転するように切り替えるため、消費電力を抑えることが出来る。ON/OFFの繰り返し、つまり冷房と送風の繰り返しで設定温度を保とうとする運転方法と異なるため、より快適に、しかも少ない消費電力で運転できるのだ。
このデュアルコンプレッサーによって、「涼風運転」や「保温運転」をすることも可能だ。これは、温度が安定した後の運転時では、わずか45W~60Wという(わが家に設置したRAS-562EDRでは55W)扇風機並みの消費電力で冷暖房ができるというもの。
わが家にはラブラドール・レトリーバーの愛犬・大和がいて、この6月には12歳の誕生日を迎える。大型犬としてはすでに老犬の域に入り、夏の暑さには弱い。実は、昨年の8月末の猛暑続きの中で、大和が熱中症になってしまい、回復するのにずいぶん時間がかかった経験がある。今から考えると、エアコンの冷房を入れっぱなしにして外出するようにしておけばよかったのだが、「風が通るから大丈夫だろう」「電気代も心配だし」などの理由で、エアコンのスイッチを入れておかなかったことを悔やんでいる。
そんな大和のためにも、より省エネなエアコンを導入したかったわけで、安定運転時には1時間1円程度の電気代ですむ「大清快VOiCE」の涼風運転は本当に魅力的だ。愛犬のために選んだエアコンといっても過言でないほどなのだ。
このEDRシリーズには、従来モデルでは「涼風運転」だけだったのだが、暖房時にも同様の消費電力ですむ「保温運転」も加わっている。日当たりのよいリビングなので、冬の休日の昼間などは、この保温運転で十分に暖かく過ごせるのではないかと期待している。
「VOiCE」の名前の由来、音声を認識するボイスコントローラ
さらに、リモコンのほかに音声を認識するボイスコントローラが付属し、料理中だったりしてリモコンを使えないときにも、声でエアコンの操作ができるのも大きな特徴だ。
このボイスコントローラを使用する方法は2つあり、天面についている白いスタートボタンを押すか、3回手をたたくと、コントローラのお知らせランプが点灯して、「準備完了」となる。
ランプが点灯している間に、「運転」「停止」「除湿」など、決められた言葉で話しかけると、その信号をエアコンの室内機に送信し、本体がそのように機能する仕組みだ。新製品となるEDRでは、室内機の情報も受信する双方向でのやりとりが可能になっているため、電気代やお天気、運転状況の確認などもできるようにバージョンアップされている。
また、東芝のLED照明器具やテレビのON/OFFもこのボイスコントローラでできるようになっている。わが家の液晶テレビは東芝「REGZA」なので、さっそくテレビの前にコントローラを置いて、「テレビ! 」と話しかけてみたところ、特に設定をすることもなくON/OFFが出来た。
認識してくれる「命令の言葉」については、決まった単語があるのでそれを覚えるまではしばらくかかりそうだが、厚紙でできた「ボイスコントローラ簡単ガイド」が同梱されていたので、エアコンのそばに置いて活用したい。
設置場所を選ばない、ワイド気流
EDRシリーズは、エアコン室内機の端から端までフルサイズの吹き出し口で、最大180度の広角で気流を送る「広角ワイドルーバー」が搭載されている。そのため、設置場所を選ばず、部屋全体に風を送る機能に優れている。風を送るフラップ(羽根)の形状の工夫で送風路にスムーズな流れを作り、最大の到達距離が20mに及ぶという。この点も、今回のエアコンを選択するにあたって、決め手の1つとなった。
というのも、これまで設置していたエアコンをあまり使わなかった理由の1つとして、設置場所がベランダに近い、リビングの一角だったためか、冷風も温風も部屋全体に行き渡りにくく、設定温度になるまでにかなり時間がかかってしまうこともあった。エアコンの室内機から少し奥に引っ込んだところにダイニングテーブルがあるため、実際に過ごしている空間になかなか気流が届かなかったのだ。
リモコンの使い勝手などの詳細は、次回以降にあらためて紹介するが、リモコンのカバーをスライドすると現れる「快適気流」ボタンを押すと、「広角ワイド」や「右ワイド」などの風向きが選べる。また、本体には「人サーチセンサー」がついており、人の動きに合わせて、風を当てたりよけたりすることも可能だ。
わずか1時間ちょっとで設置工事完了!
エアコンの取り替え工事というのは初めての経験だったが、ベテランの業者さんだったこともあり、1時間強という短時間で作業は終了した。
当初、エアコンの室内機の設置場所をダイニングテーブルの真上の位置に移動しようと考えていたが、業者さんにコンセントの位置の関係上、やはり従来と同じ場所でいったほうがいいとのアドバイスを受けて、そうすることに。
「エアコンは扇風機と違って部屋全体の空調をするもの。風の方向性を考えるより、いかにフラップで遠くまで風を送り届けられるか、冷暖房能力のパワーがあるものを選ぶのが大事。それを考えると、これまでの設置場所でも十分機能を生かせるはず」という話はとても説得力があった。
コードが見た目に美しく配線できるようにと、コンセント部分の天地をひっくり返して設置し直してくれたことにも感激した。これまでは余ったコードを束ねていたが、今回はムダなくきれいに配線されてすっきりと収まっている。
設置完了後には、部屋のどの位置にエアコンを設置したのか室内機に登録する必要があるが、これについても、リモコンのカバーをスライドすると一番下に現れる「点検」ボタンを使って行なうことを教えてもらった。さらに、フィルターの自動おそうじ機能が正しく運転されるかどうかのチェックや、暖房機能の運転確認などをしてすべて終了となった。
これまでのエアコンに比べて室外機がかなり大きく、特に高さがあるのに驚いたが、これは、省エネと暖房性を向上させるために、熱交換器の容積を大きくしているため。この室外機があるからこそ、省エネ運転が可能になるのだから頼もしい。
無事に設置が完了した「大清快VOiCE EDRシリーズ」。次回はPM2.5にも対応するという空気清浄機能や、センサーによる自動制御機能など、実際の使い勝手について、詳しく紹介する予定なので、お楽しみに。