イベントレポート IFA 2015

デジタル化でプロの的確な意見が得られるフィリップスのヘルスケア技術 ~IFA2015事前説明会

「IFA Global Press Conference」の様子。世界55カ国、300人以上の記者が集まる

  毎年秋にドイツ・ベルリンで開催される世界的な家電見本市「IFA」の事前記者説明会「IFA Global Press Conference」が4月24日~26日(現地時間)に地中海の島国、マルタ共和国で開催された。2015年のIFAの開催期間は9月4~9日。

 世界55カ国、300人以上の記者を招待したプレイベントで、協賛メーカーやIFAの関係者によるプレゼンテーションが行なわれる。家電 Watchでは、その中から生活家電についてレポートする。

フィリップス、ヘルスケア市場へ注力

 フィリップスは、今後注力していく市場としてヘルスケアを挙げた。高齢化社会などを背景に、健康への関心が高まっている市場だとして、リーダーシップをとるべく今後特に力をいれていくという。

 具体的な指針としては4つを掲げる。

 まずは、デジタル化。ヘルスケア関連製品の多くをスマートフォンなどと連携させ、ビッグデータを活用することでユーザーのデータを得て、ニーズに沿った製品や機能を提供していくという。2つ目は、医療や健康のプロフェッショナルとの連携。ドクターと連携することで、よりプロフェッショナルで、より的確なアドバイスを提案していくという。

 3つ目は、医療分野とコンシューマー部門の融合。フィリップスでは、医療分野でも多くの製品を展開するが、そのノウハウをコンシューマー部門でも活用していく。4つ目は健康問題解決のためのシステム作り。様々なノウハウを組み合わせることで、健康問題をシステマティックに解決できるようなシステムを目指す。

高齢化などを背景として、健康への関心が高まっている。2050年には、世界の人口の22%が60歳以上になる見通し
フィリップスでは、様々なサービスや製品によりヘルスケア分野でリーダーシップを取っていくとする
具体的な指針としてデジタル化、プロフェッショナルとの連携、部門の融合、健康問題解決へのシステム作りを挙げる

保険会社と共同で、自宅で健康状態をチェックできるシステムを開始

 具体的な取り組みとしては、ドイツの大手保険会社「Allianz」とパートナーシップを組み、「Personal Health Solution」を立ち上げた。病院に行かなくても健康状態をチェックできるシステムで、血圧測定や脈拍測定のほか、医師との面談も組み込まれている。すでに昨年秋からテスト的な導入を開始している。

ドイツの大手保険会社「Allianz」とパートナーシップを組み、「Personal Health Solution」を立ち上げる
自宅にいながらにして健康状態をチェックできるような仕組みを構築
ドクターも病院からでることなく、患者の状態をチェックできる

 会場では、腰の痛みを軽減する低周波治療器を紹介。スマートフォンと連携しており、日々の生活や痛みを感じる部位、頻度などを入力することで、より的確な使い方を提案する機能を備える。本体は軽く、扱いやすい。コードレスで、場所を選ばずに使える。

 「コンスタントに使い続けることで、ユーザーの情報が増え、より的確なアドバイスをすることができる」という。今後ドイツをはじめ、ヨーロッパを中心に販売を開始する。

腰の痛みを軽減する低周波治療器
腰に巻いて使用する
コードレスで場所を選ばずに手軽に使える

阿部 夏子