イベントレポート IFA 2015
時間を大幅に短縮、ドラムを2つ搭載したハイアールの洗濯機など ~IFA2015事前説明会
(2015/4/27 11:43)
毎年秋にドイツ・ベルリンで開催される世界的な家電見本市「IFA」の事前記者説明会「IFA Global Press Conference」が、4月24日~26日(現地時間)に地中海の島国、マルタ共和国で開催された。
世界55カ国、300人以上の記者を招待したプレイベントで、協賛メーカーやIFAの関係者によるプレゼンテーションが行なわれる。家電 Watchでは、その中から生活家電についてレポートする。
時間を大幅に短縮~ハイアールのデュアルドラム洗濯機
ハイアールのプレゼンテーションでは、従来のドラム式洗濯乾燥機は時間が掛かりすぎていたことを指摘。洗濯から乾燥までに掛かる時間は1回約3時間で、1年のうち約1カ月間は洗濯が終わるまで待っている時間だという。
そこで同社が提案するのは、ドラムを上下に2つ搭載した洗濯機。一度に2つのドラムを使って洗濯できるため、時間を大幅に短縮できるという。操作は、本体上部のカラーパネルで行なうほか、スマートフォンとの連携機能も備える
欧州ではお湯を使って洗濯するのが一般的で、色落ちや色移りを心配して、衣類の種類や色ごとに洗い分けることが多い。製品開発の背景には、欧州の洗濯事情も関係しているようだ。
ハイアールではまた、市場で最もサイズの大きいドラムを搭載した洗濯機も紹介。ドラムを大きくしたことで、洗濯物の出し入れがしやすいという。
同モデルは静音性にも優れており、省エネレベルは欧州基準で最高基準を実現。20以上の洗濯コースを備える。本体上部のカラーパネルのほか、スマートフォンからも操作できる。
モーターもコンプレッサーも使わない次世代の冷蔵庫
プレゼンテーションではこのほか、冷蔵庫の開発についても触れた。一般的な冷蔵庫ではコンプレッサーを用いて庫内を冷却するが、ハイアールではモーターもコンプレッサーも使わない新たな冷却システムを開発したという。
ハイアール ヨーロッパ CEOのYannick Fierling氏は新しい冷却システム開発について、「水とCO2を使って冷却する全く新しいシステムで、この方法を開発したことは、我々にとって大きな意味がある。冷蔵庫市場で他社と大きな差をつけられる。モーターもコンプレッサーも使わずにごく小さなチップだけを用いるため、運転音は小さく、振動もない」と述べた。
水素エネルギーを用いたものなのか不明だが、詳細については今秋のIFAで発表するという。
ハイアールではこのほか、-20℃から+5℃まで温度を調整できる冷蔵庫も紹介。入れるものに応じて、冷蔵、冷凍など温度帯を自由に選べるという。庫内には、上段の冷蔵庫にはドライとモイストの専用引き出しを用意、食材にあわせて収納場所を選べるという。