家電レビュー

ニトリの9万円台ドラム洗濯機は本当に買いなのか? 購入してガチ検証!

実際に購入した 「ND100KL1」ブラックモデル

引越しに伴い、洗濯乾燥機を買い直すことになった。これまで使っていたのは日立ビッグドラム「BD-S3800」というモデルで、洗濯10kg/乾燥6kgの、ヒートリサイクル式である。

ただもう10年以上使っているので、どうも乾燥が甘く「しっかり乾燥」モードでも若干湿っぽい。ちょっと洗濯物を入れ過ぎると、ヒーターのエラーコードが出るようになったので、ここらで引退願うことになった。

他にも色々買い直すものもあるので、なるべくコストを抑えたい。そこで思い出したのが、ニトリの10万円以下で買えるドラム式洗濯乾燥機「ND100KL1」である。家電 Watchのレビューでも好印象だったので、覚えていたのだ。

本機の発売は2024年11月で、発売当時の価格は99,900円。その後ニトリネットではさらに価格が下がって、ホワイトモデルは「リサイクルなし」で89,900円、「リサイクルあり」で94,300円となっていた。

購入してから現在(記事執筆時点)まで、約2カ月間使用している。10万円以下の洗濯乾燥機は実際どうなのか、というお話をしていきたい。

価格が抑えられた秘密

実際に購入したのは、「ND100KL1」のブラックモデルである。ただ現在ニトリネットでは、ブラック・ホワイトモデルともに販売終了となっており、後継機となる「ND100KL2」が販売中だ。

本機のフットプリントは縦横60cmで、縦型より小さいとされている。マンションの防水パンに設置したところ、前後左右ともに多少余裕がある。

以前のビッグドラムの幅は63cmでそれほど変わらないが、奥行きが71cmあったので、ボディ前面が防水パンから少し飛び出していた。本機は高さが86cmに抑えられていて、上に洗濯物などを置いておくのにちょうどいい高さである。

低価格の秘密は、多くの洗濯乾燥機の乾燥方式がヒートポンプ式なのに対し、本機はヒーター式であることだ。

ヒートポンプ式とは、圧縮機と熱交換器で冷媒を循環させ、熱を集める方式である。平たくいえば、エアコンの除湿モードみたいなものだ。低温で乾燥させるため、衣類へのダメージが少なく、温風を再利用するため、熱効率が高い。よって電気代も抑えられるが、価格が高いのがネックである。

以前使っていたビッグドラムのヒートリサイクル方式は日立の独自技術で、ヒートポンプとは違う方式だが、今は日立もヒートポンプ式へ移行している。

一方ヒーター式は、ドライヤーで乾かしているようなものなので、電気代は高くなるが乾燥温度が高く、パリッと乾きやすい。ポイントは、低価格であることだ。

ただし乾燥温度が高いので、繊維によっては縮むなどのリスクもある。ただこうした繊維の場合は、乾燥させず普通に天日干しすればいいだけなので、「うっかり」がない限りは問題ない。

筆者宅では洗濯物の乾きが悪いということがずっと問題だったので、むしろヒーター式を試してみたいという気持ちもあった。

また本機の利点として、乾燥機のフィルターの清掃が不要であることも挙げられる。

一般的にドラム式洗濯乾燥機は温風を循環させるため、ホコリを循環させないように天面にフィルターが設置されている。これをまめに掃除しないと、ちゃんと乾燥できなかったり、数年に1度はメーカーに頼んで分解清掃してもらわないと、パイプ内にホコリが蓄積して風が通らなくなる。

以前パナソニックのヒートポンプ式を使用していた際、分解清掃をお願いしたメーカーのメンテナンスの方に、これは技術革新でなんとかならないんですかと聞いたところ、構造的な宿命なので仕方ありませんという回答であった。

一方本機には、そもそも掃除する箇所が何もない。フィルター自体は存在するが、乾燥時に自動洗浄されるという。

天面にフィルターユニットなど何もない

日常的な手入れが不要というのは、筆者宅ではメリットがある。せっかく数時間かけて乾燥させて、乾いていない時のガッカリ感に比べたら、多少電気代がかかるというトレードオフがあったとしても、許容できる。

細かい配慮が光る排水フィルター

唯一掃除する必要があるのは、排水フィルターだ。ここは洗濯やすすぎ、脱水後の水を排水する際に、ホコリや繊維などの異物を受け止めて、排水パイプが詰まらないようにする部分である。

2024年のレビュー記事では、排水フィルターには網目状のフィルターがないようだった。

だが購入したモデルには、小さいながら網目状のフィルターに変更されていた。ただフィルターもかなり短いし、ゴミもそれほど溜まらない。型番は同じでも、細かい改良がされているようだ。

短いながら、網目状のフィルター式になっていた
2カ月間使用して一度も掃除などしていないが、ドラムはかなり綺麗

以前のビッグドラムでは、フィルターがこの2倍ぐらいの長さがあるのに、よくゴミが詰まった。ゴミが詰まると排水エラーになるため、ここを外してゴミを取る必要があるのだが、フィルターを外すと洗濯水がいっぺんにダバーと流れ出てくるので、大変なことになる。

前段で述べたように本体に奥行きがあるため、このフィルターがある前面が防水パンよりも前に飛び出している。よって飛び出した汚水を受け止めるために洗面器などを用意するのだが、それでも周囲に水があふれる。そのせいで洗濯機の前の床がふやけてぶよぶよになってしまっていた。

本機が心強いのは、こうしたトラブルを避けるため、別途排水パイプが付けられているところだ。排水フィルターが詰まった時は、まずこのパイプを使って中の水を抜いてから、フィルターを外して掃除できる。こうしたパイプがあれば、洗面器などに受けやすいし、洗面器がいっぱいになったら栓をして一旦排水を止め、汚水を捨てたのち、また再開できる。

フィルターが詰まった際に、少しずつ排水できるパイプが付けられている

本機を買って間もない頃、誤ってポケットティッシュが入ったまま洗濯してしまったことがあったが、案の定排水パイプが詰まった。この時はこうした排水機構があるのを知らず、うっかりフィルターごと開けてしまったが、幸い本体の奥行きが短いため、洗濯水は無事排水パンの内側に排出されて、事なきを得た。奥行きが短いメリットは、こういうところにも現れる。

実際のオペレーション

筆者宅の洗濯は、誰が洗濯機を回すかによって使用コースが変わってくる。妻は天日干し派なので、標準コースだ。一方筆者は干すのが面倒なので、標準洗乾コースを多用する。

どちらにしても、洗濯物を入れてスタートボタンを押すと、ドラムが回転して洗濯量を計測し、必要な洗剤の量を算出する。これは洗濯機としてよくある機能である。

ただ、こうした計測から実際に洗濯が開始されるまで20秒しかない。洗剤なら入れられるが、洗剤プラス柔軟剤まで入れていると、20秒では間に合わない。

しかも柔軟剤を入れるトレイが異様に狭いので、慌てて入れると隣のトレイにこぼれてしまう。計測から洗濯開始までのポーズ時間は、ユーザーが設定できるとありがたかった。

【編集部注】現在販売されている後継機の「ND100KL2」は液体洗剤・柔軟剤自動投入に対応しています

液体柔軟剤を入れるトレイ(真ん中)が異様に狭い設計

所要時間は、洗濯・すすぎ・脱水までの標準コースでは、概ね40分前後。乾燥まで行なう標準洗乾コースは、洗濯物の量によってかなり変わるが、少なければ1時間、多ければ7時間半ほどかかる。

期待の乾燥機能だが、さすがに高温で乾燥させるだけあって、いつもカリッと乾いている。コインランドリーのガス乾燥に匹敵する乾燥具合だ。

繊維によってはシワになることが懸念されたが、思ったよりは酷くない。むしろ以前のヒートリサイクル式のほうがシワになりやすかったように思う。

一度ポリエステルのパンツを乾燥させたところ、少し縮んで丈が短くなってしまった。タグを見たら「乾燥機不可」だったので、これは筆者のミスである。ただ、以前のヒートリサイクル式で乾燥させた際には縮まなかったので、やはりヒーター式は、「縮みやすい繊維は本当に縮む」ということが証明された。

個人的にヒーター式は、乾燥力が強いというのが一番のメリットだと思う。電気代がかかるのが難点とはいえるが、筆者宅はソーラー発電も行なっているので、そこである程度相殺されているはずだ。

最後に、購入時のリサイクルのありなしについて言及しておく。「リサイクルあり」の場合、事前にリサイクル券を最寄りの郵便局かニトリ店舗で購入しておけば、購入した洗濯機が届くのと引き換えに、古い洗濯機を回収してくれる。4,400円で搬出・運搬をお願いできるというわけだ。

今回は「リサイクルなし」で購入している。リサイクルなしの場合、廃棄する際にリサイクル券を購入するのは同じだが、自治体によっては指定の廃棄場所までの運搬は自分で行なう必要がある。サイズは小さいので、軽トラやバンタイプの車なら横倒しにすれば載せられるが、重量が75kgもあるので、搬出は大人2人から3人いないと厳しい。

実は以前のビッグドラムは自分で廃棄したのだが、マンションの3階から1階まで下ろすだけ、というのを「くらしのマーケット」で募集したら、4〜5万円という見積もりが出てきてひっくり返った。

この時は買い替えではなく、単に捨てるだけだったので大変だったのだ。ほとんどの場合は同じ住居での買い替えになるだろうから、大抵は新しく購入する量販店にお願いすれば、どうにかしてくれるだろう。

洗濯機は普通、調子が悪くなるまで使い続けるものだが、本機は何年ぐらい持つだろうか。ヒーター式を購入したのは初めてだが、耐用年数はヒートポンプ程度なのか、それよりも短いのか。ここに購入記録として留めておくので、壊れたらまたご報告したい。

小寺 信良

テレビ番組、CM、プロモーションビデオのテクニカルディレクターとして10数年のキャリアを持ち、「難しい話を簡単に、簡単な話を難しく」をモットーに、ビデオ・オーディオとコンテンツのフィールドで幅広く執筆を行なう。メールマガジン「小寺・西田のマンデーランチビュッフェ」( http://yakan-hiko.com/kodera.html )も好評配信中。