やじうま大掃除ウィーク

頑固な水垢や油汚れを万能クリーナーで落としまくる!

 今週の家電Watchは「やじうま大掃除ウィーク」と題して、年末の大掃除シーズンに向けた掃除用品をレポートしている。水曜日からは、編集部員のオススメする掃除グッズを紹介している。

【2014年 やじうま大掃除ウィーク】
・月曜日「アンチ大そうじ! スタパ齋藤氏の掃除術とは?
・火曜日「長年愛用! 藤原大蔵鉄板おそうじグッズ
・水曜日「ニューフェイスの洗剤を試す!」 by 阿部夏子
・木曜日「万能クリーナーで家中をキレイに!」 by 中野信二
・金曜日「使って安心! 自然由来のナチュラル系洗剤」 by 西村夢音

 今年も、頑固な水垢や油汚れと戦う季節がやってきた。なるべく楽をしたいと思い、ガンコな汚れには、クエン酸や重曹などを染み込ませて寝るものの、朝まで残るしぶとい汚れがある。正直悔しい。

 今年こそは1日で! と思いながらネットで口コミを調べていたら、水垢や油汚れをあっと言う間に落とせるという洗剤を見つけた。その中から今回選んだのは、レックの「水の激落ちくん」と太陽油脂の「パックス ソフトクリーナー」だ。しかも、どちらもキッチンや浴室など様々な場所で使える万能洗剤!! 大掃除の時短を目指す自分にピッタリなので迷わず購入した。

 今回は、これまで月、火、水とお届けしてきた3回の内容とは趣向を変え、この2製品で同じ場所の汚れを落とした結果をお伝えする。掃除する場所は、ベランダ、浴室、キッチンの3カ所で、水垢や油汚れを落とすことに専念した。

キッチンや浴室だけでなく食器やテーブルなどにも使える万能クリーナー

 まずは、両製品の特徴を紹介しよう。

メーカー名レック太陽油脂
製品名水の激落ちくんパックス ソフトクリーナー
購入場所Amazon.co.jpAmazon.co.jp
購入価格245円1,026円
水の激落ちくん
パックス ソフトクリーナー

 水の激落ちくんは、アルカリ電解水で汚れを落としつつ、除菌もできる優れモノ。アルカリ電解水は、水を電気分解すると発生するマイナスイオンが多く含まれる水で、汚れをはがれやすくする効果があるという。成分は水酸化ナトリウムのみで、アルカリ性の液体だ。容量は280ml。汚れを落とす詳しい仕組みなどは、公式サイトで確認して欲しい。

 一方、パックス ソフトクリーナーは、粒子の細かい研磨剤と界面活性剤を含む、ペースト状の石鹸クリーナーで、しつこい汚れもキレイに落とすという。成分は、研磨材と界面活性剤に加え、湿潤材が含まれている。弱アルカリ性の洗剤だ。容量は300g。なお同社の公式サイトでは、「重曹」に分類されている。

 使い方は、どちらも簡単。水の激落ちくんは直接スプレーした後、しばらく放置して水拭きするか洗い流す。または、やわらかい布やティッシュ(キッチンペーパー)などに含ませて拭き取るだけ。いずれも2度拭きは不要だ。

 パックス ソフトクリーナーは、水を良く絞ったやわらかい布かスポンジにつけてこする。その後、流水や水拭きで洗剤をしっかり落とすだけだ。

 各製品の汚れの落ち具合を試した場所は、基本的にいずれもこのやり方で掃除している。また、どちらの製品にも明記されていなかったが、洗剤を落としたあと、から拭きをした。

 なお、汚れ落ちを試した部分は、水の激落ちくんがオレンジ色の枠で、パックス ソフトクリーナーが紫色の枠で囲っている。ただし、シャワー付き水洗やガスコンロの五徳(ごとく)は、枠で囲っていない。

ベランダ:窓にこびりついた水垢などの汚れ

 まずはベランダの窓から試してみた。ベランダの窓には、雨による水垢や車の排気ガスなどによる汚れが付着している。結果的にはどちらも、ものの数分でキレイに汚れが落ちた。ただし、力を入れずに軽く拭くだけで、スルッと汚れが落ちるという点で、水の激落ちくんのほうが気持ちよかった。

【水の激落ちくん】
窓には水垢や排気ガスなどによる汚れがびっしりついていた
スプレーで洗剤を2、3回吹き付けてから拭きした。汚れがスルッとはがれ落ちた
【パックス ソフトクリーナー】
窓に付いている水垢などの汚れが……
洗剤を付けて数回こすり、水拭きするだけできれいに落ちた。枠内にうっすら残っているのは部屋側の汚れだ

 今までは、窓用のクリーナーを吹きかけたあと、乾いた布を使って両手でひたすらゴシゴシこすっていた。腕はだんだん重くなり、疲れて途中で休憩する必要があった。それが今年は、わずか30分ほどで、休憩することもなく楽に汚れを落とすことができた。

浴室:床の溝とシャワー付き水洗にこびりついた水垢

 次は、毎年苦労する浴室の水垢だ。最初に、床の溝にこびりついた水垢から。どちらの洗剤も、やわらかい布やスポンジでこすっただけでは落ちなかった。しかし、ブラシを使ってゴシゴシこすると、キレイに落とせた。どちらかと言えば、パックス ソフトクリーナーの方が楽に水垢を落とせた。

【水の激落ちくん】
いつもスクイジーを使って水を切っているのに、水垢がこれだけこびりつく
5、6回スプレーし、しばらく浸透させてからブラシで強くこするとキレイになった
【パックス ソフトクリーナー】
何度見ても嫌な気分になる溝の水垢
水気を切ったブラシに直接洗剤をつけてこするだけで、簡単に水垢を除去できた

 これまで溝にこびりついた水垢は、キッチンペーパーを敷き、それにクエン酸をスプレーして溝に密着させ、一晩放置してからブラシでこすっていた。時間はかかるし、ブラシでこすってもなかなか落ちなくて大変だったが、それが、わずか5分程度でキレイに落とせたのには正直驚いた。

 次は、シャワー付き水洗の水垢。吐水口以外の左半分を水の激落ちくんで、右半分をパックス ソフトクリーナーで洗った。結果としては、パックス ソフトクリーナーのほうが、楽に水垢を落とせて、かかる時間も短かった。

 水の激落ちくんは、直接吹きかけると水垢に浸透する前に一部の洗剤が流れ落ちるため、やわらかい布に含ませて拭いた。窓の水垢よりは落としづらかったが、力を入れてこすり洗いすることで汚れを取り除けた。

 一方、パックス ソフトクリーナーでは、水を絞った布に直接付けてこするだけで、みるみるうちに水垢が消えていった。

ステンレス製の水洗が、水垢などの汚れで輝きを失っている
両製品で洗うと、水垢はなくなり新品のような輝きを取り戻した

 これまでは、床の溝と同じように、クエン酸を含ませたキッチンペーパーを器具に密着させ、1時間ほど放置してからメラミンスポンジでこすり洗いしていた。だが今回は、洗剤をやわらかい布に含ませてこするだけで、水垢を落とせた。時間も大幅に短縮でき、大満足だ。

キッチン:シンクの頑固な水垢

 続いて、シンクについた頑固な水垢落としに挑戦。結果から言うと、パックス ソフトクリーナーだけ、水垢をキレイに落とすことができた。今回始めて、汚れ落ちにはっきりと差が付いた。

 水の激落ちくんは、水洗と同様、直接スプレーしても下に流れ落ちてしまう。よって、洗剤を染み込ませたキッチンペーパーを貼り付けて、しばらく放置してからやわらかい布で力を入れて拭いた。それでも、少しだけしか落とせなかったので、メラミンスポンジを使ってゴシゴシこすったが、枠で囲った部分のほんの一部しか水垢は落ちなかった。

 パックス ソフトクリーナーは、水を絞った布に適量をつけてゴシゴシこすり洗いするだけで、あっと言う間に水垢を落とせた。試しに、メラミンスポンジでこすってみたが、さらにピカピカになった。

水垢などの汚れですっかり曇ってしまったシンク
メラミンスポンジでこすったあとのシンク。少し輝きを取り戻した

 普段は、メラニンスポンジで水垢を落とす程度の掃除しかしていなかった。今回、パックス ソフトクリーナーでしっかり水垢を落とし、ステンレスの輝きを少し取り戻せたことで、今後はこまめに手入れをしようと思った。

キッチン:コンロの五徳にこびりついた油汚れ

 最後に、ヤカンやフライパンをのせる五徳にこびりついた油汚れを落としてみた。これも枠で囲えないので、写真の左半分を水の激落ちくんで、右半分をパックス ソフトクリーナーでこすり洗いした。結果は、パックス ソフトクリーナーのほうが汚れを楽に落とせた。

 水の激落ちくんは、水洗やシンクと同じく、洗剤をキッチンペーパーに染み込ませて、油汚れを落としたい部分に密着させ、5分ほど放置してから布で水拭きした。かなり力を入れないと、しつこい油汚れを落とせなかった。

 パックス ソフトクリーナーは、研磨剤を含んでいる分汚れ落ちが良かった。絞った布に適量の洗剤をつけてゴシゴシとこすると、表面の油汚れを落とせた。

 ただし、どちらも満足できるほどキレイに油汚れを落とせなかったので、使用済みの歯ブラシを使ってさらにこすり洗いした。すると、パックス ソフトクリーナーをつけたほうは、油汚れで隠れていた部分が見えるほど、キレイになった。

こうして見ると、それほど油汚れは付いていないように見えるが、実はかなり汚れていた
写真中央の縦に伸びる鉄を境に、左半分を水の激落ちくんで、右半分をパックス ソフトクリーナーでこすり洗いした。どちらもキレイになっているが、右半分のほうが楽に油汚れを落とせた

 これまでは、ナイロンたわしでこびりついた油汚れを削り落としていたが、時間がかかるし、腕は疲れるのに、なかなかキレイにならないという悪循環で、汚れを落としきるのをあきらめていた。それが、パックス ソフトクリーナーを使うことで、30分ほどで油汚れを落とせる。今後は、こまめに掃除できそうだ。

2つの洗剤を使い分けて、今年の大掃除はサクッと終了!

 ご覧のように、結果的にはパックス ソフトクリーナーのほうが、研磨剤や界面活性剤が含まれる分、汚れ落ちは勝っていた。シンクの輝きを取り戻したときは、思わず「おおっ!」と声を出してしまったほどだ。

 個人的には、浮かせた汚れをスルッと気持ちよく落とせて、除菌もできる水の激落ちくんも捨てがたい。だが、液体をスプレーするため、夢中で掃除しているとあっと言う間に減ってしまうのは、コスト面で気になる。

 というわけで、窓や鏡の汚れは水の激落ちくん、頑固な水垢や油汚れはパックス ソフトクリーナーというように、汚れを落としたい場所で使い分けようと思う。

中野 信二