やじうまミニレビュー
モンベル「BioLiteキャンプストーブ」
BioLiteキャンプストーブ。米BioLites社が製造・販売しているが、国内ではモンベルが代理店をしている |
太陽光パネルや手回し発電機など、スマホを充電するオモシロ充電器は数あるが、今回紹介する「BioLite(バイオライト)キャンプストーブ」は画期的。なんと、薪をくべて火を起こすと、スマートフォンなどのモバイル機器が充電できるという、奇想天外なアイテムなのだ。
もちろんキャンプ用のミニストーブとしても使用でき、小さな鍋やパーコレータ(キャンプ用のやかん)をかけておけば、簡単な調理やお湯が沸かせるという。ここはキャンプ歴10年以上の筆者が、キャンプ用のストーブとして、またスマホの充電器として本当に使えるのかを試してみよう。
販売代理店 | モンベル |
メーカー | BioLites |
製品名 | BioLite(バイオライト)キャンプストーブ |
購入店舗 | モンベル オンラインショップ |
購入価格 | 14,900円 |
■強く錆びないステンレスボディ、合体できる発電ユニット
BioLiteの箱を開けて驚くのはコンパクトさだ。黒い携帯用の巾着の中に入っているのは、携帯用の広口ポットと同じ大きさ程度のキャンプ用ミニストーブ。使うときは、ストーブの中から発電ユニットを取り出すが、携帯時にはストーブの中に発電ユニットがスッポリと納まり、とてもコンパクトになる。重さは947gなのでナップサックに入れて歩いても重いと感じることはないだろう。
大きさは500ml入る広口の携帯ポット程度。重さも1kg未満なので、トレッキングなどに携帯しても苦にならなそう | 中にはマニュアルとストーブ本体、発電ユニット(オレンジ色のもの)、充電用ケーブルが入っている |
では組み立ててみよう。まずはストーブの足を引き出し、次に発電ユニットをストーブに背負わせるようにセットして、3本目の足を開く。足は発電ユニットのロックを兼ねているので準備は10秒でOKだ。
ストーブの素材は、頑丈なステンレス製で、足のみがアルミ製となっている。どちらの金属も錆びにくいので、海辺で使っても問題ない。作りもしっかりしていて、3.6kgまでの鍋をかけられるという。ボディーは小さいが、お湯なら1度に3Lも沸かせるというスグレモノだ。火力は最大で5.5kWということなので、一般的なカセットガスコンロの2倍ほどパワフル。
足はアルミ製。折りたたむとキレイに整列する | ストーブの穴に発電ユニットの突起を差し込んで、背負わせるようにセットする |
足が発電ユニットのロックになっている | 準備完了! 発電ユニットを支えるために、ユニット側の足だけ長くすることで安定性を保っている |
さて、さっそく焚き火をしたいところだが、初めて使う場合はもう1ステップ準備がある。それは発電ユニットに入っている内蔵電池を充電することだ。「何で充電する必要があるのか?」と不思議に思うかもしれないが、このストーブはファンを回し空気を送り込むことで高い火力を生み出し、その熱を利用して内蔵バッテリーを充電、余剰電力をスマホの充電用に使うようになっている(次のイラスト参照)。
初回利用時や長く利用していなかった場合は、付属のUSBケーブルを使って、あらかじめ内蔵バッテリーの充電をし、発電ユニットのファンを回せる状態にする必要がある。内蔵バッテリーの充電にかかる時間は4時間程度。
なお、USBケーブルを使わずに、ファンを回さずに焚き火をすることでも、内蔵バッテリーが充電できる。この場合、満充電までには、USBケーブル使用時よりも時間がかかる。
電気と風と熱のエネルギーサイクルがあるので、最初だけ充電が必要。写真はBioLite社の図に、一部筆者が加筆した |
発電ユニットには小さなシロッコファンがあるので、ウチワで仰がなくても大火力が得られる。上の銀色の部分は断熱パッド | 初回利用時や半年使わなかった場合は、スマホの充電器などを使い、同梱の充電ケーブルで内蔵バッテリーを充電する |
■枯れた小枝や割り箸を使って火を起こせば、スマホが充電できる!
準備が整ったところでスマホを充電してみよう。燃料として使えるのは、短い薪や小枝、硬く絞った紙類など。安く手に入る炭が利用禁止になっているのは、ちょっと残念だ。キャンプ場などに行けば枯れた小枝などいくらでも手に入るが、住宅地では入手しづらいので、今回は市販の薪を使った。
しかし、市販されている30cm程度の薪は、ストーブの倍近い長さがあるため、は長さを半分以下に切断する必要があった。薪のベストな長さは10cm以下のようだ。コストや手間を考えると、100円ショップの割り箸(竹でも木でもOK)を燃料に使うと一番安上がりになるかもしれない。
市販の薪は30cmほどあるので、半分以下にカットして使う。 | これでだいたい1時間分の薪になる。半分に切るのはノコギリが必要だが、縦に割るにはキャンプ用のナイフで十分。ナイフがない場合は、やっぱり割り箸が手軽 |
まずは、少しだけ燃料の薪を入れる。次に、別の一番細い薪にライターなどで火をつけて、種火としてストーブに入れる。炭のように火がつくまで時間がかかることはない | 種火を入れたら木の皮や小さい薪をくべて、少しずつ火を大きくしていく。完全に火がついたところで、発電ユニットのスイッチを押しファンで風を送り込む。 |
BioLiteには着火材が添付されているが、薪は着火材を使うまでもなく、簡単に火がついた。安定して燃えるようになってきたら、発電ユニットのボタンを押してファンを回転、送風を開始する。送風は強弱の2段階あるので、火が消えないように薪をくべながら、最終的に送風を強にするのが良い。
なお、割り箸なら長さを半分に折ったものを2膳ほど入れて、最後にライターで火をつけた種火となる割り箸を入れれば、1分もかからずに火が起こせるはずだ。
送風を強にすると、勢い良くよく燃え出す。とても小さなストーブとは思えないほどの火力で驚いた | ちょっと薪をくべすぎた(笑)。発電ユニットの突起部分は、炎にさらされて1,300℃近くまで熱くなる | 火が安定してきたらスマホを発電ユニットのUSBコネクタに接続。これで充電が始まる。コネクタ部が緑に光って、充電中であることを示すようになっている |
発電中のようす。なお、撮影時に集音マイクを使用したため、ファンの音が大きく聞こえるが、実際にはパソコンのファン程度の静かさ |
発電ユニットからストーブに出ている銅製の突起。ここに炎の先端が当たる程度の短い薪を入れると発電効率がよくなる |
マニュアルには、5Vで2Wの電力を出力(最大は4W)できるとあったので、400~800mA(ミリアンペア)の出力でモバイル機器を充電する計算だ。ここで富士通のスマートフォン「F-08D」(NTTドコモ:電池容量1,400mAh)を繋ぐと、充電モードに切り替わった。しかし、電流を測ってみると97mAしか出力できていなかった。
これは後で分かったことだが、薪が長すぎたため、発電ユニットの突起が温度の低い炎の部分に入ってしまい、発電効率が悪くなってしまったようだ。薪の長さは5~10cm程度にして、炎の先端が突起に当たるようにすると発電効率が高くなるようだ。
ちなみに、発電ユニットのプラスチック樹脂は、上の写真と動画のように盛大な炎を上げても、溶ける気配はまったくない。火の粉がいくつが樹脂の上に落ちていたが、それでもまったく無傷。おそらく耐熱性の高いものを利用しているようだ。
■コンロとしても便利に使える。気になる充電状況は?
BioLiteの凄いところは、発電だけじゃなくコンロとしても利用できるところだ。小さめの鍋に水500ccを入れてストーブにかけてみたところ、なんと4分ちょいで沸騰した。火力は家庭のガス台以上で、キャンプ用のガソリン式コンロなみにハイパワー。しかも吹いている風の影響をまったく受けずに、大火力を維持し続けられる。スゴイ! これはキャンプでもかなり便利に使えそうだ。小さい網をストーブの上に乗せて、そこに炭を少し置いておけば、何の苦労もなく炭火を起こせるだろ う。炭火起こし用にぜひ使いたい。ただし、自然の中でも何の苦労もしない“殿様キャンプ”になってしまう危険性がかなり大だが……。
小さい鍋に水を500ccほど入れて沸かしてみる。ストーブに比べると鍋が大きいが安定性は抜群にいい | 安定した大火力なので、5分も経たずに沸騰した。キャンプ用のガソリン式コンロなみの大火力で、風の影響もまったく受けない |
しばらくBioLiteを使っているうちに、あたりはあっという間に暗闇になってしまった。薪もほとんどなくなったが、結果的には1時間ほどの間、スマホが充電できた。
焚き火をしていると、本当に時間が経つのが早い。さっき夕方だったんだけどなぁ | すべての薪が燃え尽き、炭になった状態でもまだ発電できている。スマホのLEDがオレンジ(赤)になっているのが、充電できている証拠 | ここまで燃えて、ようやく充電できなくなった。発電ユニットのファンも自動停止する |
発電は、炭となった薪が完全に白い灰に燃え尽きるまでできる。完全に火が消えると発電ユニットの送風が自動停止して、スマホの充電も打ち切られるようになっているので、バッテリーの無駄がない。さっそくスマホを外して、電池容量の変化を見てみると、次のようになっていた。
画面中央の16:30~17:30までの赤い部分が、BioLiteで充電していた部分。右の急速充電に比べるとかなりゆっくりとした充電 | 比較用のACアダプタ式のUSB充電器でスマホを充電した場合。グラフの傾きは急角度で急速充電しているのがわかる |
結果は充電前は68%だった電池容量が、1時間火遊びを楽しみながら充電したところ76%まで増えていた。10%も充電できればデータ通信やワンセグのテレビを見ても10分ぐらいは持つだろう。音声なら1時間近く通話ができるハズだ。
しかもグラフを見て分かる通り、薪をガンガンくべていた前半はグラフの上昇が緩やかだが、ゆっくりと徐序に薪をくべた後半の方が、グラフの傾きが急、つまり電気が多く供給されていることになった。薪が炭になった状態でも傾きが急な状態が続くため、景気よく薪をくべることが、必ずしも発電量の多さには繋がらないという結果になった。発電効率を高めるには、炎がストーブから出ない程度に薪をくべつつ、薪の長さは短めにするといいようだ。
■何で火だけで発電できるの? という疑問を解明しよう
さて、BioLiteのムービーを見ていただければ分かるとおり、発電中でもファン以外の音はまったくない。筆者もBioLiteの話を聞いたときは、水を沸かして蒸気の力でタービンを回すものかと思っていたのだが、動作音がまったくしないので驚いた。何で火だけで発電できるのか? このままでは不思議で夜も寝られないので、最後にそのしくみを説明しておこう。
■■注意■■・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。 |
BioLiteの構造を知る上で重要なのが、電気や運動、太陽光などのエネルギーは、相互に変換が可能ということ。例えば、モーターに電池をつなげると、電気エネルギーはモーターの回転する運動エネルギーに変換できる一方、逆にモーターを手で回して運動エネルギーを加えると、モーターは発電機となって電気エネルギーになる。
発電ユニットを分解すると出てくる白い板がペルチェ素子(中央)。本製品では発電用に使っているが、普通は電源をつなげてモノを冷やす場合などに使う | ペルチェ素子に電源をつなぐと片面が冷たく、もう片面が熱くなる。なおこのときの室温は25℃。冷蔵庫やエアコンで使われないのは、冷たくなる以上に片側から熱が出るため |
BioLiteは、火を起こすことによる熱エネルギーを電気エネルギーに変換しているが、それを仲介しているのは「ペルチェ素子」という半導体の一種だ。よくUSBを電源に使う面白グッズで、夏は飲み物を冷やし、冬には飲み物を温めるという製品があるが、温度差を作り出しているのがペルチェ素子だ。
ペルチェ素子は、熱を電気に変換しているわけではなく「熱の温度差」を電気に変換している。ペルチェ素子に電池をつなぐと、片面が凄く冷たくなり、逆面は熱くなる。また、ここでプラスとマイナスの電気の流れを入れ替えると、さっきまで冷たかった面が熱く、熱かった面が冷たくなる。ペルチェ素子はこのように、電気エネルギーを温度差に変換する点が特徴だ。
ペルチェ素子の片側にはストーブの熱を伝える突起が付けられ、もう片方には放熱器が付けられている | ストーブに送風する空気は、放熱器を通って吸い込まれるため、常に外気温程度に冷やされ、温度差ができるというわけ |
BioLiteは、ペルチェ素子の片面に、銅でできた突起を取り付け、もう片面には熱を空気中に放出する放熱器を取り付けている。この放熱器は、電源を入れると回転するファンの空気取り入れ口になっており、両面に数百℃近い温度差を作ることで、ペルチェ素子が電気が発生するのだ。
ペルチェ素子は小電力で点灯するLEDはもちろん、模型用のモーターまで回しちゃうほど発電できる(写真は筆者作成による模型) | Bioliteではファンの風を放熱器に当てて、炎と反対側を冷ますようにしている(写真は筆者作成による模型) |
ペルチェ素子とモーターを接続しただけの回路で発電する仕組みを、筆者の模型で実験してみた |
バッテリーを内蔵(リチウムイオン充電池650mAh)しているが、人差し指の先ほどのごく小さなもの(写真の青い部品が電池)。ペルチェ素子で発電していないと、ファンを回しながらスマホを充電するのは無理だ |
なお疑り深い方は「実はスマートフォンの充電は内蔵のバッテリーでやっているのでは?」と思われるかも知れない。実は何を隠そう、筆者が一番疑っていた(笑)。
そこでBioliteを分解してみると、確かにバッテリー(リチウムイオン電池650mAh)はあるが、スマホを充電をするには明らかに小さすぎる。しかも充電と同時にファンも回し続けなければならないので、こんな小さいバッテリーではすぐに電池切れしてしまうのは明らか。ペルチェ素子が発電しているからこそ、ファンを回しながらスマホも充電できるのだ。
■アウトドアに防災時の備えに、この上ない実用性。無駄を遊べるアイテムとしても
BioLiteは2面性を持っている。1つは実用性の高さ、そしてもう1つは「どこでも手軽に焚き火できる」という遊びの要素だ。
アウトドア用ストーブとしても、スマホの充電器としても「超」が付くほど実用的なレベル |
実用性については、暖を取ったりお湯を沸かしたりするアウトドア用ストーブとして最高レベルにあると言っていい。なにせ燃料はそこら辺に落ちている木の小枝だけなので、ガスポンベを持っていく必要がない。しかも強制的に送風するので、火力はガス式を超えており、ガソリン式レベルに大火力。風の影響もまったく受けない。
一方スマホの緊急充電器としての性能も良い。電池やコンセントはまったく必要なく、辺りにある燃えるものが電気エネルギーになる。太陽電池のように天気や時刻に影響されない上に、手回し発電のような面倒もない。しかも1時間焚き火をしているだけで、スマホの電池を10%充電できるので、太陽電池や手回し発電よりも、ずっと効率が高い。
外側のステンレスメッシュは熱くならず触れるほど。本体下もほとんど熱くない。ベランダで使うとき心配な人は、鍋敷きでも置くといいだろう |
先に挙げた“遊びの要素”は、おもに男性向け。とくに意味はないが、焚き火をしていると、何となーくヒーリング効果を感じてしまう人もいるだろう。というか筆者がそうだ。BioLiteなら、ちょっとした屋外の空間があればどこでも焚き火ができる。スマートフォンを充電するのにわざわざ火を着ける、という無駄を楽しむ遊び方もできる。
これらをまとめると、本製品をぜひオススメしたいのは次のような人々だ。
・スマホの充電や湯沸かし、暖や明かりが取れる防災用品として
東日本大震災では、イザというときの携帯電話やスマートフォンの重要性が示された。本製品なら手回し発電より楽に、太陽電池のように天気に左右されず、スマートフォンの充電が可能。しかも同時に暖を取ったり、お湯を沸かしたりができ、炎を大きくすれば照明の代わりにもなる。
もし長期間使っておらず、内蔵バッテリーがカラになってファンが回せなくても、しばらく焚き火をして内蔵バッテリーを充電すれば、ファンは回転できる。 防災用アイテムとして持っておきたいアイテムの1つだ。
・トレッキングやハイキングの湯沸かし&充電器として
重さは1kg未満ととても軽いので、ナップザックに放り込んでおけば、トレッキングの休憩時間などに熱いコーヒーを煎れて、自然の中で味わえる。小枝で沸かしたお湯は最高のコーヒーになるだろう。もちろん、火気の取り扱いが許可された場所限定で使うようにしたい。
サイズは小さいが、火力はハイパワー。数分あれば水を沸騰できるスグレモノだ |
・キャンプのシングルコンロ&充電器として
キャンプ用の小さなガスコンロは、便利な反面、いまいちアウトドア感がない。しかしBioLiteなら、枯れた小枝を集めて燃やすので、よりアウトドア感を楽しめる。しかも火力はガスコンロよりも高いので、短時間でお湯が沸かせて手放せないアイテムになるだろう。また記事中でも紹介したが、炭の着火用にも便利に使える。
・焚き火をしたいが、ウチにはそんな場所がないという人
今回は長い薪を使ったので盛大に炎が出てしまったが、割り箸を2本に折った短い薪であれば、1m四方のスペースがあれば、安全に炊き火を楽しめる(マニュアルには50cmとあったが、それだとちょっと怖い)。自宅やベランダにいながらにして、焚き火の匂いと、揺らぐ炎、パチパチをはじける音が聞ける。
・火を無駄に使って遊びたい人
“火遊び”というと語弊があるかも知れないが、前述の通り筆者は火を見てボーっとするのが好きだ。今回は自宅前の駐車場で使ってみたが、あとでコイツを持って夜の湘南海岸に一人でドライブするつもりだ。一人海辺で小さな薪をくべながら、夜の海や川で無駄な時間を過ごすのは、至福のひと時になるだろう。
筆者のような焚き火が大好きな人は、コイツを持ってドライブに出かけるといい。ベランダでは大きな炎を出せないが、海や川なら存分に楽しめる。もし職務質問されたら「スマホの充電してます」って言い張れるし(笑) |
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2012年 11月 16日 00:00
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