やじうまミニレビュー

「グランズレメディ」

~靴と足の臭いを消す魔法の粉
by 鳴海 淳義


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


 「匂い」と「臭い」――。同じ読み方で似たような意味を表しますが、違いを知っていますか。広辞苑で調べたところ、前者はわりと快適な“におい”、後者は不快な“におい”だそうです。

 あなたの靴はどっちの“におい”でしょうか。おそらくほとんどの方が後者ですよね? そういうことにしておいて、今回はそんな靴および足の臭いを取り除いてくれる魔法の粉、その名も「グランズレメディ」を取り上げてみます。


製品名グランズレメディ
希望小売価格3,780円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格2,208円


ただ真っ白い粉 VS 最強に臭いシューズ

 グランズレメディはニュージーランドで生まれた「靴専用除菌・消臭パウダー」です。小さなプラスチックの容器に入っているのは、真っ白い粉。これを靴に振りまいて、あとは普通に履くだけで、靴の臭いが消えるというちょっと信じられない商品です。

グランズレメディのパッケージ(表)グランズレメディのパッケージ(裏)

 粉を撒くだけで、本当に臭いが消えるって…。最初は疑心暗鬼でしたが、まずは使用方法にしたがって、グランズレメディを使ってみました。

フタをあけたところ。中蓋の上にスプーンがついている中に入ってるこの白い粉が臭いを取り去るらしい

 試してみたのは筆者が持っている靴の中でもダントツの臭さを誇る「ビブラムファイブフィンガーズ」というヘンテコなシューズ。4カ月前にこのレビューに登場したのを覚えておいででしょうか。ソールが薄く、つま先は5本指、まるで裸足感覚の履き心地で、足本来の力を鍛えることを目的としたヒット商品です。

 筆者はこのビブラムを履いて運動することで、引き締まったふくらはぎ、正しいジョギングフォームを手に入れることができ、大変満足していたのですが、一点困ったことがありました。それは夏の間ほぼ毎日、裸足で履き続けたせいで、ビブラムが「ものすごく臭く」なってしまったというです。

 裸足で履いて、運動したら、汗やら何やらで臭くなるのは当然です。洗濯機で洗い、陽あたりの良い場所でしっかり乾かせば臭いは取れますが、その間ビブラムは使えません。ついつい臭い靴で走り続けてしまう自分がいました。ここにグランズレメディが効果を発揮すれば、洗わなくても臭いが消えることになります。最強に臭いシューズ VS グランズレメディ。さっそくトライしてみました。

まったく臭くない

 先に結果を申し上げますと、グランズレメディの圧勝でした。

 まず洗って干したビブラムの中にグランズレメディを散布。5本指の先まで行き渡るように、振り回してみました。1回の使用量は、同梱されていたスプーン1杯とのこと。靴の中に染みこむわけではないので、中敷きの上で白い粉がさらさらと漂っています。このまま履いていいものかと一瞬ためらいましたが、足を通してみました。

ビブラムファイブフィンガーズ、こう見えてもかなり臭いビブラムの中にグランズレメディを入れてみた

 すると、まるでベビーパウダーに包まれたような感覚。さらさらで快適。裸足に粉が触れると気持ちいいのです。それから2~3時間ほどジョギングなど運動してみましたが、いつものように汗で湿った状態になりません。靴の中がずっとさらさらでした。

 臭いも発生しません。これまでは洗った後、1~2回ほど履くとすぐに嫌な臭いが出てきました。グランズレメディを使うと、それがなかったのです。ビブラムを脱ぐと当然まだ中に粉が残っていて、足にも白い粉が付着しています。この粉が湿気と臭気を取り除くようです。この日から7日連続で、グランズレメディをビブラムに振りまいて、裸足で履いて運動してみましたが、臭いがほとんど発生しませんでした。靴に鼻を近づけてみてようやく、「うん、わずかにするかも…」という程度です。

 商品説明には、このあとは何も手を加えなくても6カ月以上、効果が持続する、とあります。実際、初めてグランズレメディを試してから2カ月たった現在も、追加で粉を振りまいていないのに臭いはほとんどありません。

 ただの白い粉に見えるのになぜ……? かなり不思議です。この商品は「消臭、除菌、抗菌」という3つの効果があると記載されており、臭いの元となる菌を取り除き、さらに菌が発生しない状態に保つことができるようです。とはいえ、成分表示には「天然成分等」とだけあります。よくわからない粉を靴や足につけても大丈夫かと心配でしたが、特に皮膚がかぶれたり、靴の素材に影響があったり、ということはありませんでした。

ビジネスマンの革靴、女性のブーツにも最適

 さて、グランズレメディは1個50g入り、少量を5日ほど靴にふりまけば半年は効果が期待できるとのことなので、たった1足の靴では使いきりません。他の靴にも振りまいてみました。

 革靴の臭いに悩んでいるビジネスマンは少なくないかと思います。そこでグランズレメディがビジネス用の革靴にも効くかどうか試してみました。

 結果は運動用のシューズと同様、消臭効果がありました。5日ほど続けて革靴に粉を散布し、履いて歩きまわってみたところ、臭いが消えました。その後も臭いが発生していません。靴の種類を問わず効果があると見ていいでしょう。

 今では新しい靴を買った際にはまずグランズレメディを振り撒くようにしています。こうすると臭いが出る前に対応できます。

 季節の変わり目、特に女性の方は冬用ブーツの出番がそろそろではないでしょうか。ムレて足の臭いが気になるという方は、衣替えの初っ端にグランズレメディを使っておくと冬の間ずっと快適に過ごせるかと思います。

使用中は足や靴下に粉が付着するので注意

 効果はばっちりですが、使用にあたってはいくつかの注意点があります。まず粉が白いため、黒っぽい色の靴下やストッキングを履いていると、脱いだ時に足の裏が真っ白になってしまうことです。

 特にビジネスマンの方はほとんどの場合、黒や紺といった濃い色合いの靴下を履いていると思います。確実に靴下が白くなりますので要注意。黒いストッキングやタイツを履く女性も同じです。とにかく人前で靴を脱ぐ機会があるときはグランズレメディを使うのは避けたほうがよさそうです。

革靴にグランズレメディを入れてみる靴の中にまんべんなく行き渡らせるとこんな感じに。どう見ても靴下に付着しそうだ

 また自宅に帰った時も油断は禁物。グランズレメディを使用した靴を脱いでそのまま上がると、床に白い足跡がついてしまいます。玄関に雑巾などを用意しておくか、あるいは靴下などもすぐに脱いで、洗濯機に直行すると良いでしょう。

 友人宅を訪問したり、お店で座敷にあがったりするとき、足が白い粉で真っ白になっていたら周りが驚きますし、床に足跡がついて迷惑をかけてしまうことも考えられます。そういうタイミングを避けつつ、うまく一週間ほどグランズレメディを散布できれば、あとは数ヶ月使わずに過ごせます。自分のスケジュールを考えつつ使用するのがおすすめです。

まとめ

 ホームページによると成分は「ニュージーランドに古くから伝わる安全な鉱物粉末(ミョウバン、タルク、酸化亜鉛)など」とありましたが、いまいちその正体がよくわからないため、「魔法の粉」としか表現しようのないグランズレメディ。「この粉のこの成分が足の臭いを発する菌を抑える効果を発揮して……」といった説明ができませんが、とにかく結果的に臭いが消えたことは確かです。

 使用の際は“足跡”などに注意する必要はあるものの、最初の数日をやり過ごしてしまえば、あとは快適。ブーツ&忘年会の季節に向けて準備しておいてもいいかもしれません。





2012年 10月 18日   00:00