藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
【新生活応援グッズ】靴を見ればその人が分かる……とか言われるのも「ラナパー」があればもう怖くない!
2018年3月14日 07:30
靴磨きの仕方は父親に教えてもらった。中学に上がって、毎日革靴で登校するようになった頃だ。
まず馬毛のブラシで丁寧に埃や泥を落とし、軽く湿らせた布で靴の内側と外側を拭く。革色に合わせたクリームを豚毛のブラシで丁寧に伸ばして、古布で磨き上げる。
たいした靴ではなかったけど、磨く前と後では見違える。そのビフォーアフターの分かりやすさが気に入って、私は他の持ち物の手入れはサボっても靴磨きだけはまじめに取り組んだものだ。
父の教えは基本的に「自分の靴は自分でケアせよ」という意図のものではあったと思うのだけど、週末などこの作業をしていると「じゃあついでに」と親の靴まで磨きたい気持ちになってしまうところまで、親は見越していたのか。
いわゆる無心になれる系の家事としては「アイロンがけ」もよく挙げられるものだけれど、私にとっては「靴磨き」が、それ。シャコシャコと靴を磨いている間、とにかく「無」な感じになるのが好きだ。だから大人になってもわりとマメに靴磨きに取り組んでいたと思う。……子どもが生まれるまでは。
……はあ。
まあとにかく「ヒールが履けなくなっちゃったぁ」どころではなく、「革靴なんて履いてる場合じゃねぇ!」というレベルで余裕を失い、3人の子育てに忙殺される数年間を経て、久しぶりに「マイ靴ケアセット」を開けてみると、昔から愛用し続けてきた靴墨が完全に固化しボロボロになっていたのである。ガーン。
最後に磨いたときによほど慌てていたのか、蓋をちゃんと閉めなかった私が悪いのだけれども……。あっさりやる気を失った私は、靴磨きという営みから完全に撤退した。
そんなある時のことだ。出先で「無料で磨きますよ」という例のサービスにてあっさり陥落、その場で買ってしまったのが、この「ラナパー」である。
メーカー名 | ラナパー |
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製品名 | ラナパー レザートリートメント 100ml |
価格(編集部調べ) | 2160円 |
蜜蝋、ホホバオイルなどが主成分で、付属のスポンジにつけて磨くだけで汚れを落とし、ツヤを出し、革を保護し、撥水し、カビを生えにくくするという夢のようなクリーム「ラナパー」。
無色なので靴の元の色にも影響しない。しかも、謎の説得力を持つ「ドイツ製」。
ただ正直に言って当初はさほど期待していなかった。お手軽すぎるのもなんじゃない? 「靴磨き」にはもう少しこう、精神的儀式的なものが必要じゃない?
しかし、そんな悠長なことはもう言っていられない程度に、全方位的に時間がなくなっていた私の生活において、このあまりにも手数少なく靴が綺麗になる道具を、愛用5年が経過した今はもう手放すことができない!!
革ジャンやらバッグやらのお手入れにも使えるので、ケアは面倒臭いけど新生活を機に「皮革」と懇ろになりたい向きに、ぜひ「騙されたと思って使ってみたら?」と申し上げたいのだ。