やじうまミニレビュー

子どもが迷子になる前にアラームが鳴るキングジムの「デジタルまいごひも」

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
キングジム「デジタルまいごひも MA150」

 商品説明の前にちょっとだけ筆者の話を。ウチには5歳を筆頭に3人の娘がいる。家族全員でスーパーなどに行くと、著者と奥さんで2番目の子と3番目の子の面倒を見るため、長女はフリーになる。最初は、「離れないように」、「見えない場所に行かないように」と言い聞かせるのだが、スーパーに入ってほんの10分もしないうちに姿は消えてしまう。正直女の子ということもあり、心配は尽きない。

 とはいえ、まだ小学校にも行っていない段階で、通信回線入りのGPSなどを持たせるのは大げさかなと悩んでいた。そこに登場したのが、キングジムの「デジタルまいごひも MA150」だ。そこで早速長女に着けて試してみることにした。

メーカー名キングジム
製品名デジタルまいごひも MA150
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,100円

 「デジタルまいごひも」はワイヤレス技術のBluetoothを利用してスマートフォンと通信するデジタルツール。スマートフォンに専用アプリをインストールしたあとペアリングし、「デジタルまいごひも」を子どもに持たせておく。するとアプリ内で設定した距離より離れるとアラームが鳴るという仕組み。1つのスマートフォンに最大3つの「デジタルまいごひも」を登録できる。

本体背面に電源ボタンを配置。長押しすることでオフにできる

 「デジタルまいごひも」は30×37×8mm(幅×奥行き×厚さ/ループを含む)で、500円玉よりも小さいぐらいの大きさ。質量も約7gと子どものパンツのベルトループなどに取り付けてしまえば全く気にならない。ワイヤレス規格は省電力性が特徴のBluetooth 4.0を採用し、ボタン電池で約1,000時間の利用ができるとしている。

アラームの作動距離は8〜30mとなっており、設定によりアラームがなる距離が決められる。アラームが鳴るまでの距離は「近い」、「標準」、「遠い」、「最大」の4種類が設定できる。また、アラームが鳴るまでの時間も「短い(5秒)」、「標準(10秒)」、「長い(25秒」が設定できる。このほか、アラームのボリュームやマナーモード時の挙動なども設定可能だ。

専用アプリをダウンロード。ペアリングすると画面上に「デジタルまいごひも」が表示される
画面下部の設定ボタンからアラームの鳴る距離やアラームの設定などが設定できる
さらに鳴るまでの時間も設定可能

公園で、スーパーで、イベントで「まいごひも」を試す

娘のパンツにぶら下げたところ。ポケットに入れてもいいが、少しでも感度を上げたいので外に着けた

 「デジタルまいごひも」が届いてから1カ月超。子どもと出かけるときにはできるだけ着けて動作を試した。最初はちょっといやがったがすぐに気にならなくなったようだ。

 スーパーなどに入って長女がちょっと離れるとすかさずアラームが鳴る。最初は「近い」にしていたが、これだとほんの数メートル離れるだけでも鳴るため、すぐに「標準」に変更した。

設定距離より離れるとアラームが鳴り、画面にアラートが表示される

 距離設定はちょこちょこと変更したが「近い」はちょっと離れるだけで鳴るものの、「標準」と「遠い」、そして「遠い」と「最大」の差はそれぞれあまり感じられず、電波干渉や状況によって変わる印象だ。公園で使った時は、「最大」に設定していても、10mほど離れた場所にいるだけでアラームが鳴ることがあった。

 また、多くの来場者の集まるイベントを開催している公園では、電波干渉のためか離れてもほとんどアラームが鳴らないなんてこともあった。

 このように環境に応じて動作状況が大きく変わるため、活用するためには細かく設定変更を行なう必要があるようだ。たとえば、アラームが頻繁になってしまうような状況では、アラームが鳴るまでの時間を「標準(10秒)」にすることで、子どもがほんのちょっと離れただけで鳴るのを防ぐことができた。

 試用期間内は、iPhone 6Plusをはじめ、複数のAndroid端末でも試したが、ペアリングの可否やBluetooth接続の相性もあるようだ。また、「デジタルまいごひも」側がスリープ状態になってしまうこともあり、そのような場合は、距離が離れてもアラームは鳴らない。お出かけ前に、アプリとデバイス間でしっかりと認識していることをチェックする必要がある。

親としては信頼性がもう少し高いとうれしい

アプリ上に表示される「デジタルまいごひも」をタップすると電池残量やアンテナの受信状態を表示。アンテナがグレーダウンしているとアラームが鳴らないので注意

 使い始めてすぐは、アラームがすぐに鳴ったり、逆に全く鳴らなかったりしたため、これは使い物にならないなと思っていた。しかし、ペアリングする端末をいろいろ変えたり、設定を見直すことで、過信はできないものの、有効に使うことができた。

 とくにウチの長女はほんの一瞬目を離しただけで走り去ってしまう。そのときにタイミングよくアラームが鳴ると、さっと長女を探せるので、走って行った方向がわかるだけでも便利だった。隠れるところの多いスーパーなどでは有効に使えるだろう。

 逆に、公園などの広いところでは「最大」にしても、10m先ぐらいでアラームが鳴ってしまうことが多く、目視で十分に対応できる場所ではあまり有効性は感じなかった。

 現状ではアラームの鳴る距離の設定が厳格ではなく、環境に左右されるところが多い。これはBluetoothだけで位置の確認を行なっている以上、仕方がないことだ。もう少し距離設定がしっかりとできて、さらに方向などもわかると、親としては安心して使えそうだ。

 しかし、3,000円前後と比較的にリーズナブル。スーパーなどの施設内で、すぐにどこかに行ってしまうような子どもと過ごすときの、安心材料として考えれば、ひとつの選択肢といえる。

コヤマタカヒロ