やじうまミニレビュー
もうノートは要らない!? 「書いて保存」が簡単な「ブギーボード」
by 藤原 大蔵(2014/4/28 07:00)
紙上にメモやノート、議事録を取る、思いついたアイデアを描いて後で見返す……。仕事でもプライベートでも誰もがする事を、ボタン1つで一瞬に電子化できる「電子メモパッド」をご紹介しよう。センチュリーが販売している「Boogie Board SYNC 9.7(ブギーボード シンク9.7)」だ。
販売店 | センチュリー |
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製品名 | ブギーボード シンク9.7 |
購入場所 | sirobako.com |
購入価格 | 15,800円 |
ブギーボード シンク9.7は、米国Kent Displays社の子会社、iMPROV ELECTRONICSが開発したガジェットで、書いたものを簡単にデジタル化して、コンピューターで編集・保存する「eWriter」技術を応用した電子式のメモパッドだ。紙とペンの代わりに、LCD(Liquid Crystal Display 液晶ディスプレイ)とスタイラスペンを用いて手書きしたものがデジタル化され、保存できる。
大きな特徴は、解像度の高いパネルと簡単な保存方法だ。黒いパネルにスタイラスペンで文字を書くと、書いたところが反転するが、筆圧に応じて細い線から太い線まで書き分けられる。保存はボタン1つでOK。自動的にPDFファイルに変換され、本体内部に一瞬で保存できるのが嬉しい。
本体内部に保存したファイルデータは、BluetoothでペアリングされたPC、タブレットやスマートフォン(以下、モバイル)へ転送して、閲覧、編集、管理ができる。
本体の大きさは、283×190×5mm(縦×横×高さ)で、重さは312gと週刊誌一冊分程度。LCDのサイズは、対角241mm(9.7インチ・123×181mm)で、A5サイズに近い。専用のスタイラスペンは本体に収納できる。
使用前の準備
使用する前に、本体の充電、専用ソフトのインストール、機器のペアリングという3つ準備が必要だ。
1つ目は、本体の充電。付属のUSBケーブルを、本体とスマホなどのアダプターに繋いで給電する。本体にはリチウムイオン電池が内蔵されており、4時間の充電で約1週間持続する。
2つ目は、閲覧・編集・管理の専用ソフト/アプリをPCやモバイルへインストールする。PC(Windows/Mac)、モバイル(iOS/Android)、それぞれの専用のソフト/アプリをダウンロードし、指示に従ってインストールする。
最後に、本体と端末を、Bluetoothでペアリング(接続)して紐付けする。まず、本体の電源が切れている状態で、ボードの「SAVEボタン」を押しながら、ボード側面の「電源ボタン」を押す。緑色と青いパイロットランプが同時に点灯すれば、ペアリングの準備はOKだ。
次に、ペアリングしたい端末のBluetoothの設定画面を開く。すると機器の検索が始まり、まもなく「Sync」と表示されるので、選択すれば本体とPCやモバイルがペアリングされる。成功すれば、本体の青いパイロットランプはゆっくりした点滅に変わる。ペアリングはあっという間だ。
なお、Bluetoothに対応しない端末は、USBケーブルでも接続できるという。
本体のみの使用は超カンタン。1,000枚分のPDFが本体に保存できる
パネルに書く、消す、本体に保存するといった基本的な使い方はとても簡単だ。まるで紙のノートに書き込むように、思い立った時にすぐ使える。
起動は電源ボタンを押せば一瞬で起動(緑色のインジケーターが点灯)。あとは、専用のスタイラスペンでパネルに文字や絵が書ける。書き心地はサラサラっと滑らか。筆圧にも反応するので、細い線から太い線まで書き分けられる。
パネル面の文字は、「eraseボタン」を押せば一発で消去できる。だが、書いている途中の文字や線の一部だけを消す事はできない。
保存は、「SAVEボタン」を押すだけでPDFファイルとして本体内部に保存される。内蔵メモリに約1,000ページ分保存できるので、バンバン書いても余裕がある。
保存したファイルの閲覧、編集、管理は端末で
本体に保存したファイルは、画面には呼び出せない。閲覧、編集、管理は、ペアリングが完了したPCまたはモバイルに転送してから操作する。
本体内部に保存されたファイルの転送は、PCならば「Bluetoothの管理画面」、モバイルならアプリ内の「設定」を開き、端末内に取り込む。転送はあっという間に終わった。
PCでは、本体とペアリングが完了した時点で、自動的にインストールした専用ソフトの「メインウィンドウ」が起動する。メインウィンドウの「フォルダマーク」をクリックすれば、保存先のフォルダが開かれる。閲覧や加工、消去などを含むすべてのファイル管理は、手持ちのソフトで操作する。
モバイルでの操作はより簡単だ。専用アプリで、本体からモバイルへのファイルの転送、本のページをめくるような閲覧、フォルダ分けしながらのファイル管理ができるからだ。アプリ内でメーラーが起動するので、本体で手書きしたファイルを流れよく添付してメールが送れる。
また、管理・共有ソフトで人気のあるEvernoteにも対応している。
アプリを立ち上げながら使用する「ライブ・ドローイング」が便利。端末への保存も可能
本体とアプリを同時に使用すれば、より楽しく、もっと便利に活用できる。楽しいのは、パネルに書いたものが、端末の画面にリアルタイムで描かれる「ライブ・ドローイング」機能だ。
PC上でライブ・ドローイング機能を使うと、線色、背景色がそれぞれ「固定10色+任意5色」で設定できる。モニター上に全画面表示もできるので、モニターを囲んでプレゼンテーション、ブレーンストーミング、アイデア出しのツールとして大いに活用できそうだ。フリーハンドで気軽に絵を描くツールとしても強力だろう。
モバイルは白黒のみの表示になるが、こちらもライブ・ドローイングできる。商談など、言葉だけでは説明しづらい時に、モバイルの画面を見せながらイラストを交えれば、より伝わりやすいだろう。描いたものは、相手の目の前でスマートにメールへ添付することもできる。分かりやすく、親しみやすいコミュニケーションツールになるだろう。
もう1つ、本体とアプリを同時に使用できるという利点がある。アプリを立ち上げながら文書を保存すれば、端末に直接保存できるのだ。本体のメモリを経由しないので、転送する煩わしさが減る。保存の際には任意のファイル名が付けられるので、管理もラクになる。
手書きのメモ等を簡単にデータ化して共有できる
価格は必ずしも安くはなく、使い慣れるまで若干手間取った。だが、一旦ファイルの構造やアプリの使い方に慣れてしまえば、簡単に使いこなせるようになった。メモも、フリーハンドで描いたアイデアやスケッチも、ボタン1つで簡単にデータ化できるのがラク。一旦端末へファイルを移動してしまえば、活用の幅もアイデア次第で広がるだろう。
手書きが好きな人はもちろん、即時性が求められるシーンにも活用できる。ビジネスもプライベートも分け隔てなく活用できる電子メモパッドとして、大いにオススメしたい。
今までレポート用紙に手書きしていた仕事の測定データなど、1つのファイルとして画像データやテキストデータと一緒にPCの1つのフォルダにまとめられる。走り書きしたメモも、転送日時がわかるので、iPadでスイスイ見返せる。
仕事、プライベート、カテゴリーに関わらず、とにかく書いて保存して端末に転送すれば、あとの仕分けは自由自在。ぜひ導入して、部屋に散らばり溜まる一方のレポート用紙やメモ帳を一掃し、より身軽な生活を目指したい。