やじうまミニレビュー

VACUVIN「シャンパンセーバー」

~飲み残したシャンパンが、翌日でも“シュワッ”の喜び!

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

セーブだけでなくサーブまで!? 泡を守る器用なやつ

VACUVIN「シャンパンセーバー」

 暑さも本格的になってくると、泡もののおいしさが倍増します。特に私が好きなのが「泡」の代表格、シャンパンです。おいしくて華やかで爽やかなシャンパンですが、一度にフルボトルを飲みきるのはちょっと……という時も結構ありますよね? でも、気の抜けたシャンパンほど残念なものもありません。それで、つい、飲む機会を逸したりしていませんか? あぁ、なんてもったいない。そんなときは、シャンパンの救世主、文字通り、「シャンパンセーバー」に頼ればよいのだ! というわけで、VACUVIN(バキュバン)の「シャンパンセーバー」を使ってみました。

メーカー名VACUVIN
製品名シャンパンセーバー
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,382円

 “シャンパン”は、ご存じの通り、発泡性ワインの代表格。フランスのシャンパーニュ地方で伝統的な作り方にのっとって製造されたものだけを指す名称です。もちろん、このシャンパンセーバーは、シャンパンだけでなく、スパークリングワイン全体に使えるもので、一般的な形状のボトルなら問題ありません。シャンパンの気抜けや酸化を防ぐためのアイテムとしては、加圧式のものがありますが、意外に高価だし、ちょっと使い方もめんどくさい。それに比べると、シャンパンセーバーは、価格も手ごろで、使い方もボトルにセットするだけ、という簡単さがとても嬉しい一品です。

正面から見たところ。高さ7.5cm、幅5.5cm、重さは63g。黒い部分はABS樹脂でできています。シルバーのレバーハンドルを上げ下げして開閉します。これは、レバーが下がっている「閉」の状態
セーバーの中に球状の栓があり、レバーの上下でそれが回転して開閉する仕組み。「閉」の状態を下から見ると、このように栓が閉まっている
レバーハンドルを少し上げてみます。これで半開きくらい。レバーは結構固いので、しっかり力を入れる必要があります
その状態で下からのぞいたところ。内部の栓が回転して、少し隙間ができているのがわかりますね
レバーを一番上まで上げてみました。これで全開です
全開の状態を下から見ると、このようにしっかり穴が開通。つまり、注ぐときは、レバーは上へ、ということです

 ボトルの口にセットして、スカート部分を下げてカチリとはめ、しっかり固定したらそれでOK。あとは、レバーハンドルを上下して使うだけ、といたって簡単。他にも、開栓後の気抜けを防ぐストッパー、いわゆる栓の代わりになるものはありますが、バキュバンのセーバーは、注ぐときの“サーバー”も兼ねている、というのがポイント高し。つまり、「栓+サーバー」なので、飲むたびに外す必要がなく、つけたままで、中身を注ぐことができるのです。

シャンパンの栓は、このように強固に保護されています。思いも寄らないところで、間違って開いてしまったら大変ですからね。つまり、そのくらい、力をもっているということです
ワイヤーをゆるめて、いざ…トライ。「ポン!」という音とともに、コルク栓が外れます。一旦開けたあとの栓は、もうぷっくり膨張して、2度とボトルの口におさまることはありません。だからこそ、このようなセーバーが活躍するのです
ボトルの口にセーバーを置きます。セットするときは、必ずレバーハンドルを一番上まで上げて、「開」の状態にすることをお忘れなく。この段階では、まだきっちりとはまっていません
しっかりボトルを押さえて、セーバーの裾にあるスカート部分を下げます。これでセーバーがボトルに固定され、密閉されます。5㎜ぐらいの上下幅ですが、もう下がらなくなるまでしっかりスカート部分を下げてください
これでセッティング完了。ここまでの作業は、すべて、レバーは上げた「開」状態で行なうこと。つまり、栓が開通している状態なので、誤ってボトルを倒したりすると、中身のシャンパンがこぼれていまいます。ボトルはしっかりおさえて、セットは丁寧に

 しかも、ボトルから直接注ぐよりも、このセーバーから注ぐほうが、量のコントロールがしやすく、液だれもしない、といいことづくめ。デザインも、ブラックとシルバーのシンプルな印象で、ボトルにつけたままテーブル上に置いても気になりません。小さなアイテムだけど、なかなかに実力者、な感じですね。

そのまま注いでみます。セーバーは「開」状態なので、そのままトクトクトク……
シュバシュバと音を立てながら、液体がグラスの中へ…。この音、やっぱりたまりません!ボトルから直接注ぐより、液だれもなく、量の加減がしやすいので、とても注ぎやすい
パチプチパチプチ…と小さな音を立てながら、いくつもの泡がグラスの中で踊っています。シャンパンの魅力は、なんといってもこの泡。この泡を守ることが、セーバーの一番の仕事といえます。少しでも長く楽しめるように、精一杯働いてもらいましょう!

“シュワッ”はどのくらい保てるのか?

 では、実際の実力はどうなのか? 見た目も使いやすさも価格も大切だけど、もっとも重要なのは、泡と味を守るその力量です。それをテストするべく、ボトルを開けたら、すぐ、半日後、1日後……というように、少しずつ飲みすすめて味を比べてみました。いつもはこんなにちびちびは飲みませんが、ここは実験のため、1回の量はグラス1杯未満、で我慢我慢。シャンパンセーバーをつけたままで、飲み終わったらすぐに冷蔵庫に入れる、を繰り返します。毎日写真も撮ってみたのですが、写真ではその差がわかりにくいので、簡単に言葉でまとめてみると……

【開けてすぐ】・・・もちろん、問題ない泡立ち。おいしくいただきました。
【半日後】・・・半日ぐらいじゃ大差ないだろうな、という予測通り、ほぼ、開栓直後と変わりありません。
【2日目】・・・セーバーのレバーを上げると、「プシュッ」という勢いのある音。まだまだ炭酸は抜けていない様子。開けたてとは多少違いますが、十分、「シャンパン」として飲める状態です。お客様にも出せるレベル。
【3日目】・・・レバーハンドルを上げると、まだ「プッシュ~」という音はします。でも、昨日よりは勢いが弱まった印象。グラスに注ぐと、泡は出ますが、口の中でぴりぴりとはじける感じは少なくなりました。が、まだシャンパンと言っても大丈夫だな、という段階。
【4日目】・・・前日に比べるとさらに勢いはありません。泡も少しは立つし、かろうじてシャンパンとは言えますが、飲み頃とは言いかねます。
【5日目】・・・アルコール分のあるブドウジュースに近い、という印象に。グラスに注いでも、泡はほとんど立ちません。

 シャンパンで試したり、他のスパークリングで試したりと、何本かトライしましたが、だいたい同じような結果でした。1回に飲む量は少なくても、飲むたびにボトル内の液体量は減るので、それもあって酸化は進みますから、厳密な比較とは言えませんが……ちなみに、まったく同じ2本を、シャンパンセーバーで栓をしたもの、普通のストッパーで栓をしたもの、でも比べてみましたが、この場合は、普通の栓のほうは、3日目には、すでにブドウジュースっぽい印象になり果てました。

注ぎ終わったら、レバーハンドルを下げて「閉」状態にしておきます。これで、気抜けを防げるんですね。とはいっても、一度開栓したものを完全な状態で保てるわけではありません。便利なグッズを活用しつつ、泡の楽しみ方を満喫したいものです

 ということで、シャンパンセーバーの実力は確かにある、と実感。同時に、こういうグッズを利用しなければ、残ったシャンパンをおいしい状態でキープすることは不可能だ、ということもわかりました。もちろん、開けたての状態を完璧にキープできるわけではありませんし、時間の経過とともに、泡も味も少しずつ劣化していきます。でも、セーバーを使ったほうが何倍もおいしく楽しめるのは事実。特に、翌日飲むときの差は大きい!

 いつでもシュワシュワが飲みたい私は、今まで飲みきりサイズのハーフボトルを大量買いしていましたが、割高だし品数も少ないのが不満でした。しかしここ数年、こういうセーバーを使うようになってからは、気兼ねなくフルボトルで楽しめるようになりました。

 ここでひとつ、バキュバンの「シャンパンセーバー」の特徴をひとつ。セーブするだけでなく、“サーバー”も兼ねているのが便利な点なのですが、その分、高さがあるため、ボトルにセットすると、そのままでは冷蔵庫のボトルラックに入りません。少し斜めにしたら収まりましたが、気持ちとしては、ボトルはまっすぐ立てたいもの。その辺が、ちょっと気になると言えばなるところです。でもそれは非常に些細なことで、実際の仕事ぶりで十分に補完できますけどね。

 シャンパンは、第一次発酵でブドウからワインに変わり、第二次発酵で、泡がワインに溶け込んで発泡酒に変化します。長い時間をかけて閉じこめられた泡は、まさにシャンパンだけがもつ小さなジュエリーのような輝き。見て美しい色、聞いて楽しい音、飲んでおいしい味、と、3つがそろってこその魅力。それはすべて、“泡”によるところが大きいのです。その“泡”を、力強く、かつやさしくサポートするのが、この「シャンパンセーバー」。華やかな泡の頼れるナイトとして、持っておきたいアイテムです。

座間 佳子