やじうまミニレビュー
グンゼ「Kaimin navi パジャマ」
専門家でつくる睡眠評価研究機構のアドバイスを基に開発されたグンゼの機能性パジャマ「Kaimin navi(カイミンナビ)」。夏の眠りの悩み対応した4種類の中から、筆者用と家人用にそれぞれ合うものをセレクトした。左から「ひんやり入眠」タイプ、「さわやか熟眠」タイプ。それぞれ5,145円 |
連載コラム「神原サリーの家電HOT TOPICS」にて4月に取り上げた『快眠のための家電学』。ここで紹介したグンゼの機能性パジャマのことがずっと気になっていた。記事で紹介したのは夏用のパジャマなので、暑さが気になってきたらぜひ寝心地を試したいと思っていたのだ。梅雨寒の日々が続いていたが、ようやく夏らしくなったので、夫にも協力してもらって、それぞれの悩みに合わせたタイプを購入してみた。
眠りの悩みに応じて用意されている中から、寝付きがあまりよくない筆者用に選んだのは、「ひんやり入眠」タイプのもの。寝汗を大量にかく夫用には汗対策が施された「さわやか熟眠」タイプを購入した。
メーカー | グンゼ |
製品名 | Kaimin navi パジャマ |
希望小売価格 | 5,145円 |
販売場所 | 丸広百貨店 |
購入価格 | 5,145円 |
※初出時、販売店舗をイトーヨーカドーとしておりましたが、現在は扱っておりません。訂正してお詫びさせていただきます
■パジャマには快眠のための「商品説明書」付いている!
夏用の「Kaimin navi(カイミンナビ)」パジャマは、専門家でつくる睡眠評価研究機構のアドバイスをもとに、入眠時・睡眠時・起床時の3つのシーンで心地よさを実感できるものを展開している。これまでインナーウェアに使用してきた機能素材を使用、眠りのメカニズムや上手な着用方法を知ってもらうため、「商品説明書」も付いているのが特徴だ。
「ひんやり入眠」タイプは、暑くてなかなか寝付けないという人向けのもので、首や背当て、見返しに冷感素材を使用している。これは、眠りに入る時には、体の中心部の体温が下がることがポイントになることに着目し、太い血管の通る首周りをピンポイントで冷却して効果的に体温を下げ、スムーズな寝付きを助けようというのが狙い。こうした情報も手のひらサイズの小さな説明書に分かりやすく書かれていて参考になる。
素材として採用されている「ラディクール」は、触れた時だけ冷たさを感じるのではなく、熱を常に放出できる特性を持っており、蒸れにくいゴム手袋などに使う素材で糸を作って生地にしているのだという。パジャマのデザインがスタンドカラー(立ち襟)なのは、このラディクールが首筋に直接触れるようにと考えてのことだろう。実際に着用してみると、確かに濡れたような冷たさを感じる。背当て部分にもラディクールが使用されているためか、仰向けに寝ていて布団に背中が触れている状態でも、ひんやり感があるのが何とも不思議な着心地だった。
ラディクール素材を使用した部分の拡大。蒸れにくいゴム手袋んどに使う素材で糸を作って生地にしているという | スタンドカラー(立ち襟)になった首元、背当て、見返し部分に冷感素材のラディクールが使用されている | 長パンツのゴムは2本使いでやわらかな履き心地 |
前身ごろや長パンツに使われているパジャマそのものの生地は、やわらかな揚柳生地で肌触りがよい。しかも単なる柄に見えるストライプ部分にも蒸れにくくひんやり感のある「クールビーズ加工」がされているというから驚きだ。これは、熱伝導にすぐれたマイクロビーズが皮膚の熱を生地に伝えて放熱する働きによるものだという。何回か洗濯を重ねるうちに、さらにしなやかで肌触りがよくなり、着心地がよくなったように感じた。
そして当たり前のようだが、パジャマのウェストのゴムというのは、オンタイムに着るものよりはずっと緩めに出来ている。そのため締め付け感がないので、リラックス感が倍増するのだ。パジャマの良さを思わぬところから再認識した。
■さらなる快適さのためにパジャマを冷蔵庫へ
首周りや背当て部分の冷たさや、パジャマのやわらかな優しい肌触りやリラックス効果のためか、「カイミンナビ」を着用した日の寝付きはかなりスムーズに。就寝前に読書を楽しむつもりが、ほとんどページを追う間もなく眠りについてしまい、枕元の読書灯を消すのを忘れてしまったこともあったくらいだ。
商品説明書のアドバイスに従って、就寝30分前に冷蔵庫で冷やして着用してみた |
だが、商品説明書によれば、まだ裏技があるという。「就寝30分前に冷やす」とひんやり効果がアップするというのだ。夜間になっても蒸し暑かった日に、パジャマをビニール袋に入れて冷蔵庫で30分程度冷やしてから着てみたところ、確かにひんやり感が倍増。お風呂上りだったこともあり、何とも心地よく快適な寝心地だった。
1つ気になったのは、冷たさが水で濡れたようにも感じられてしまう点だろうか。たぶんこうした感覚には個人差があるのだと思うが、「水で濡れた=汗が冷えた」と錯覚してしまい、朝起きた際に首筋を触ってみて「あれ?寝汗をかいたのかな?」と思うこともあったのだ。
また、首筋を効果的に冷やそうと、スタンドカラーにしているため、首元にゆったり感がないという点でも少し違和感があった。これまで首元の開いたTシャツで寝ることに慣れてしまっていたからなのだろう。このあたりは、機能素材だけに着目せずに、好みのデザインかどうかを見極めてから、セレクトすることが大切なのだと思う。
■汗っかき用の「さわやか熟眠」タイプも
夜中に1~2回は着替えるほど、汗かきの夫のために選んだのは、背中全体に機能素材を使った「さわやか熟眠」タイプ。商品説明書を見てみると、夜中に汗をかくタイミングは何回かあるようだが、特に寝入りばなの数時間が汗かきタイムとのこと。この時にかいた汗をしっかりと吸い取り、しかも速乾性があれば、夜中に寝汗が気になって目を覚ますことがないというわけだ。
パジャマの上衣を見てみると、柄は同じように見えるのに、前身ごろと背中部分とでは全く生地が異なっているのが分かる。お腹の2倍以上の汗をかく背中(後ろ身ごろ)には、アンダーウェアでもおなじみの吸汗速乾素材「クールマジック」を使用し、着替えの必要がないように工夫されている。
前身ごろと後ろ身ごろの切り替え部分。柄は似ているが、異なる生地が使われていることが分かる | 袖は本体前身ごろと同じ、綿100%のやわらかなソフトクレープ生地。背中(後ろ身ごろ)には吸汗速乾素材のクールマジックを使用している | パジャマの背中部分。吸汗速乾素材のクールマジック、気化熱の冷却効果に加え、洗濯時に皮脂や汗が落ちやすい機能も備えている |
しかも気化熱の冷却効果や、皮脂や汗などの汚れが洗濯時に落ちやすいような機能も備えているという。また、前身ごろ部分には、汗と体温で増えてしまう細菌の増殖を抑え、発生したニオイは生地が吸着して無臭化するという抗菌防臭作用がある「デオグリーン素材」を採用。汗対策についてはかなり強力だ。
汗をかきやすい首元に触れる襟部分にもクールマジックが使われている | 長パンツのウェスト部分はゴムを2本通したやわらかな履き心地 | ゴムの取り替えが可能なゴム通し口も用意されている |
夫によれば、「このパジャマを着た日は、朝まで着替えなくて済んだ」とのこと。吸汗性だけでなく、速乾性というのもポイントのようだ。たっぷり汗を吸い込んだ生地でも、ニオイが気になることもなかったという。前身ごろや長パンツのソフトクレープ生地も肌に付かず離れずのサラサラ感がありつつも、やわらかな着心地でかなりお気に召した様子。夏本番に向けて、洗い替え用にもう1着購入する予定だ。
■この夏はエアコンなしでも眠れる!?
わが家はマンションの5階で、窓を開けて眠ることも可能なため、例年、就寝時にはエアコンをほとんど使用しないが、それでも熱帯夜で湿度が高い日などにはスイッチをオンにすることがある。だが、寝苦しさを抑えて寝付きをサポートしてくれるパジャマや、汗対策のパジャマなどの着用で、今年の夏はさらにエアコンの使用回数を減らすことができるかもしれない。
ちなみに、この「カイミンナビ」パジャマにはもう1種類あって、朝の目覚めを快適にする「すっきり爽快」タイプというものも用意されている。ベタつかず、風が通るレーヨン混のクレープ素材を使用し、「さわやか熟眠」タイプ同様のデオグリーン機能でニオイ対策もされているものだ。就寝前のぬるめのシャワーやお風呂の後も、気化熱でより涼しく過ごせるということなので、今度はこれを試してみようかと思っている。
最後にパジャマそのものの利点を挙げよう。これまで、仕事から帰宅するとTシャツ+ヨガ用のスウェットパンツに着替え、眠るときもそのままというのがいつものスタイルだったが、「部屋着のまま寝ないでパジャマに着替えて眠る」という習慣は、眠りへのスイッチを入れるものとしてとても大切なのだと実感した。
パジャマを着ない人も増えているというが、眠りで悩んでいるのなら、「パジャマの着用」から始めてみるのも一考だ。機能性たっぷりのものなら、さらに快眠に近づけることだろう。
2012年 7月 23日 00:00
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