やじうまミニレビュー

東洋セラミックス「有田焼 レンジ専用タジン鍋」

~“タジン鍋”と電子レンジで簡単調理
by 今西 絢美


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです



東洋セラミックス「有田焼 レンジ専用タジン鍋」
 12月、1月は忘年会や新年会に勤しむ人も多いのではないだろうか。筆者も例に漏れず、週末は何かしらの集まりに参加しているが、そのおかげで外食の機会が増えており、この生活を1月まで続けていては、体も財布も悲鳴を上げてしまいそうだ。せめて自宅では、安くてヘルシーな料理を食べたい。おまけに手間もかからなければなおのこと良い。

 何か良い手はないだろうかと、ネットで探していたところ、いま流行りの「タジン鍋」が電子レンジで作れるという「有田焼 レンジ専用タジン鍋」を見つけた。

 タジン鍋とは、北アフリカ・モロッコの伝統的な鍋。円錐形のフタで食材を覆うことで、水や油を使わずに蒸し焼きにするというもの。タジン鍋は直火にかけて使用するものが一般的だが、この製品は耐熱セラミックス製の電子レンジ専用品となる。レンジでチンするだけで簡単、しかも火を使わないので安全ということで購入した。

メーカー東洋セラミックス
製品名有田焼 レンジ専用タジン鍋
購入店舗直販サイト
購入金額2,940円

 到着した鍋は、レンジにも入る1~2人用ということもあって、約200×125mm(直径×高さ)とコンパクト。ハート型のキュートな持ち手も素敵だ。円錐系のフタには、蒸気を逃がすための小さな穴が開いている。

 まずは、付属のレシピに書いてある、オーソドックスな和風タジン鍋を作ってみることにした。玉ねぎ、人参、白菜、豚バラ肉、エノキダケという、火の通りにくいものから順に重ねていくのがポイント。鍋は「これでもか!」というほど食材が盛り上がったが、大丈夫だろうか……。

 説明書によれば、この上からフタをして電子レンジで7分チンするとのこと。ただし、「700Wの場合で7分」なので、レンジのワット数が異なる場合は、 適宜調整する必要がある。なお繰り返しになるが、水はまったく使用しないので、食材を投入してフタをしてレンジのスタートボタンを押すだけで準備OKだ。

円錐系のフタに空いた小さな穴から蒸気を逃がすフタの持ち手はハート型でかわいらしい。持ち手を下にして置くこともできるが、安定感が悪いのでやめたほうがいいレシピには7種類の料理が出ており、なかには「鯖の煮付け」まで掲載されている
2人分の材料を鍋に入れたところ。思いのほか量が多かったようだが、フタはなんとか閉まった電子レンジにちょうど入るサイズ。オーブンでも使用できるが、直火はNG蒸し始めると庫内に水滴がつき始めた。野菜から水分が出てきているようだ

 7分後、中身はどうなっているのかとドキドキしながらフタを開けると、あんなにこんもりと盛られていた野菜が、ほぼ半分に縮んでいた。これにはビックリしてしまった。また、水をまったく使用していないので底が焦げ付いていないか心配だったが、焦げるどころか野菜から水分が出てきて、「野菜だけでこんなに水が出るのか」と思わず感心してしまった。底に敷いていた玉ねぎ、人参もきちんと火が通り、土鍋で水炊きをするのとほとんど変わらないように感じた。

 肝心の味は、肉も野菜も柔らかく、まるでしゃぶしゃぶのようでおいしい。食材全体をまとめて蒸しているため、もしかしたらしゃぶしゃぶよりも素材本来の旨みを楽しめるかもしれない。また、火も水も使わないので、手軽さではタジン鍋が勝っている。

出来上がりの和風タジン鍋。レンジに入れる前からは想像もつかないくらい、野菜がしなっている。味はしゃぶしゃぶのようでおいしい鍋底には野菜から出た水分や肉汁が溜まる。これもいい出汁としてひと役かっている

 このタジン鍋は蒸し料理全般にも使えるらしい。そこで、付属のレシピに出ていた「玉ねぎベーコン」と「チンジャオロース」に挑戦した。

 「玉ねぎベーコン」は玉ねぎをくし切りにし、そこにベーコンを載せ、塩コショウで味付けする。500Wで15分加熱したのち、さらにプチトマトを加えて1分加熱すれば完成だ。まったく手の込んだ料理ではないし、正直味には期待していなかったのだが、食べてみて驚いた。玉ねぎがとろとろなうえにすごく甘い! シンプルの極みともいえる料理だが、こんなにおいしいとは思わなかった。一緒に食べていた友人も、思わず「タジン鍋、やるなぁ……」とつぶやいていた。

 「チンジャオロース」は牛肉に下味をつけ、ピーマンと一緒に600Wで6分加熱する。油は下味用にごま油を小さじ2杯入れるだけなので、とてもヘルシーだ。味は中華鍋で作った場合と変わらない。しかし、中華鍋で炒めて皿に移してという工程がなく、鍋ごと食卓に出せる点では、タジン鍋のほうが便利に感じた。

「玉ねぎベーコン」は、玉ねぎスライスとベーコンに塩コショウするだけ。じっくり加熱するので、玉ねぎは少々分厚くても大丈夫加熱後にプチトマトを添えればできあがり。色だけでなく、味の面でもトマトがアクセントになっている。これだけでちょっとしたもてなし料理の1品になるタジン鍋で作った2品を並べた食卓。完成までに用した時間はわずか22分。その間にほかの料理に取りかかれるので、いつもより楽だった
こちらは「チンジャオロース」。下味を付けた生肉をピーマンといっしょに加熱するだけレンジから出したら、全体をかき混ぜて味をまんべんなく行き渡らせる。中華鍋で作ったような仕上がりだった

 このタジン鍋は、鍋料理だけでなくそれ以外の料理にも使えるのがポイント。しかも、レンジにかけているあいだはほかの料理に取りかかれるので、効率化を図れる。鍋自体もセラミック製で軽く、台所から食卓への移動がしやすいのも良い。

 唯一気になるのは加熱時間が長く、電気代が気になるという点。しかし、筆者のようにラクに調理することを優先するなら、ぜひオススメしたい。少人数の家庭なら日常の調理道具に加えてみてはいかがだろうか。


2009年 12月 24日   00:00