やじうまミニレビュー

スマートキーから出る電波を遮断せよ!! 「リレーアタック」対策をアレコレ試してみた

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

身近なモノで「恐怖のリレーアタック」を防ぐ!?

 近頃話題の「リレーアタック」。バレーボールとかの新戦略? ヒーローの必殺技? いいえ、新手のクルマ窃盗方法です。悪い奴らが使う自動車泥棒テクニックですね。

 リレーアタックのターゲットとなるのは、スマートキーなどと呼ばれる「電波でドアのロックを解除したりエンジンをかけたりできるキー」を採用しているクルマ。イマドキのクルマの多くがスマートキーを採用しています。

 キーとクルマが電波で通信することにより、ボタン一押しでエンジンがかかったりドアのロックを解除できたりするというしくみですが、車体(の通信機箇所)とキーが十分近接していないとエンジンをかけたり解錠したりできません。車種にもよると思いますが、車体とキーの距離1m以内でないとドアロックが解除できなかったり、キーが車内にないとエンジンをかけられなかったりします。

 でも、リレーアタックの場合、クルマとスマートキーが近接していなくても、ドアロック解錠やエンジン始動が可能。たとえば玄関にスマートキーが置いてあり、家の外の駐車場にクルマが駐めてあっても、悪人がドアロックを解除してエンジンをかけてクルマを盗んでいってしまいます。

 どうやってるの? 玄関のスマートキーと駐車場のクルマの間を「特殊な道具」で「電波的に近接した状態にしてしまう」そうです。実質的にスマートキーとクルマが十分近くにあるように「クルマやスマートキーを欺いてしまう」というわけです。

 もちろん、玄関にスマートキー、外の駐車場にクルマ、というシチュエーション以外でも、リレーアタックが行なわれる可能性はあります。窓際にスマートキー、外にクルマとか、キャンプ場のテント内にスマートキー、ちょっと離れた駐車場にクルマとか。犯人(たち)がスマートキーおよびクルマにある程度(1m以内などに)近づければ、リレーアタックでクルマを盗まれてしまう可能性があるというわけです。

 ヤバいじゃん!! どうすれば?

 今すぐできる対策方法としては、スマートキーが発する電波を遮断することです。スマートキーとクルマが電波で通信することにより、ドアロック解除やエンジン始動が可能になりますが、その通信を遮断すればドアロック解除やエンジン始動も不可能になります。つまりリレーアタックを防げます。クルマ側の電波発信・受信部は複数箇所ありパネル内に埋め込まれていて電波を遮断しにくいですが、スマートキーは小さいので電波を遮断しやすそうです。

 というわけで、「スマートキーから出ている電波の遮断」をあの手この手で試みてみました。身近にあるもの、すぐ手に入るものでトライしてみましたので、以下にその方法と結果をご報告申し上げます~♪

 なお、以下に述べる結果は、筆者のクルマおよびスマートキーで試したものです。車種などによっても結果が変わってくると思いますので、あくまでもご参考までに。実際にリレーアタック対策として以下の方法を使う場合は、ご自身で十分試してご納得のうえ実行してください。「ここで紹介されている方法を使ったけどリレーアタックで高級車盗まれたぜぇ~!」とかいう結果になっても、筆者およびインプレスは一切の責任を負いませんスイマセン。

缶に入れればいい説

 ネットで「リレーアタック 対策」などと検索すると、「缶にスマートキーを入れて保管すると良い」といった方法が見つかります。あ~、缶ね。玄関とかに缶を置いて、そこにスマートキーを入れる習慣にすれば、スマートキーの出し入れも便利だし、お金もかからなそうだし、イイかも! では早速、試してみましょう。

用意した缶。どれもスチール缶です。かわいらしいのを厳選してみました。右の大きめの缶は愛猫写真入り! ニャわいい! これは効果がありそうニャ!
まずは小さい缶から。スマートキーのサイズにぴったり! なのですが、缶入りスマートキーでドアロックを解除でき、エンジンもかかりました。もちろん、缶にスマートキーを入れてフタを閉めた状態で、です
じゃあスマートキーを入れた缶を、さらに缶に入れてみます。しかし、これでもドアロックを解錠でき、エンジンもかけられました。ただし、クルマ(通信機箇所)との距離が少し離れるとスマートキーが機能しません。多少は電波遮断効果があるようです
スマートキー入り缶を、缶に入れ、それをさらに缶に。3重スチール缶です。なんかスマートキー保管方法として既に現実的でない感じですが、これでようやくスマートキーが機能しなくなりました……と思ったら、缶とクルマ(通信機箇所)が密着する程度近いと「ドアロックが解除できることがある」「エンジンがかかることがある」という結果に
今回使った缶は、どれもフタがヒンジ(蝶番)で開閉するタイプ。もしかすると、こういった隙間や、あるいはフタ自体の隙間から、電波が漏洩しているのかも? あるいは、これらの缶のスチール厚みが薄いからかも?
こちらはコッヘル(キャンプ用のクッカー)。ステンレス製で、前出の缶よりも厚みがあります。ただ、フタをしても注ぎ口に隙間ができます
コッヘルにスマートキーを入れてフタを閉めて試しますと……クルマ(通信機箇所)から少し離したらスマートキーが機能しません。先ほどの缶3種より効果的なような……

 予想では「スマートキーの電波は微弱(クルマとの距離が十分近いときだけ機能させるため)だから、缶とかに入れちゃえば大丈夫だろう」と思っていたんですが、なんかダメですね。密閉性が高い缶や厚みのある缶なら大丈夫かもしれませんが、とりあえず諦めてほかの方法を。

ジーン・ハックマンのポテチ袋方式だゼ~!!

 映画「エネミー・オブ・アメリカ」で、ポテトチップ的なお菓子の袋に追跡用発信器を入れて探知から逃れるというシーンがありました。ああいったお菓子の袋の内側ってアルミかなんかでコーティング(たぶん蒸着)されていて、それで電波を遮断するというシーンでした。

 じゃあアレだ、薄いアルミでつくられた袋だ! 実はアルミをラミネートして製造したと思われる袋を多量に持っているのでした。それで試してみます。

これがアルミラミネート素材でつくられた袋だゼ~! 100枚くらい持ってるゼ~! なんでこんなの買ったのか筆者自身も忘れたゼ~!
スポッとスマートキーを入れちゃいます。結果……全然効果無し。袋を2重にしても効果無し。3重にしたらスマートキーが機能しなくなりました

 3重にしたらスマートキーが機能しなくなり、なんか前出の缶と似たような結果ですが、これもまた現実的な方法ではありませんね。もしかしたらポテチの袋なら! と思いましたが、なんかダメそうな予感がするので諦めて別の方法を。

電波の遮断ならコレ? アルミホイル最強説

 筆者的には電波遮断において絶大レベルの信頼を置いているのが、アルミホイルです。実は以前、スマートフォンの電波を遮断する方法をあれこれ模索したことがあり、そこで優秀な性能を発揮したのがアルミホイルだったんです。その件は別記事「アルミホイルの電波遮断能力ってスゴいな~! ……じゃあ類似品の電波遮断能力はどうなの?」に書きました。

 てなわけで、アルミホイルでトライ。スマートキーをアルミホイルで包むという単純な方法です。

ごく普通のアルミホイルです
スマートキーのアルミホイル包み。隙間がないように包んだら、スマートキーが完璧に機能しなくなりました。やっぱ凄いよ、アルミホイル!!

 凄いぜ~アルミホイル! アルミホイルだ~い好き♪ って感じですネ。ただ、クルマを使うたびにアルミホイル包みを開いたり、再度スマートキーを包んだりするのも面倒です。

 も~しかすると、箱の表面とかにアルミホイルを貼って、なんと言うか、アルミホイルで包んだような入れ物をつくって、そこにスマートキーを入れるといいのかも!? とか思ったんですが、面倒なのでとりあえず試さず、また別の方法を。

金で解決、市販の電波遮断ポーチでキマリ!!

 携帯電話やスマートフォンから出ている電波を遮断してしまうという製品があります。いわゆる「電波遮断ポーチ」の類。スマホなどと比べると、スマートキーから発せられる電波はかな~り弱いと思われますので、たぶんそういったポーチを使えばOKでしょう。実際に試してみます。

市販の電波遮断ポーチ。短辺が入口の封筒タイプです。これにスマートキーを入れて入口を折ったら、スマートキーが機能しなくなりました。あら~お手軽
こちらはまた別の電波遮断ポーチ。長辺が入口のタイプです
こちらを使っても、スマートキーが完全に機能しなくなりました。入れる口が大きいので、こちらのタイプのほうが使いやすいかも
コレは「有害な電磁波を遮断する」という効果がある「OAエプロン」です。最近は「OA」って言いませんね~「Office Automation」の略なんですけどね~。さておき、エプロンの裏側に電波を遮断するらしい布(シールド材:電界波低減素材)があります
その布を外し、スマートキーの電波遮断用に使えるかな~、の実験
布でスマートキーを包んだら、スマートキーが機能しなくなりました。こういう素材を使って「スマートキー保管袋」を自作するのもアリですね♪

 圧倒的な手軽さと実用性で、市販の電波遮断ポーチがイイです。市販の電波遮断ポーチに唯一対抗できるのはアルミホイルですが、アルミホイルだとスマートキーの頻繁な出し入れには向きません。実用性の面で電波遮断ポーチの圧勝です。まあそりゃそうですよね、電波遮断のために製品化されているくらいですから、電波をキッチリ遮断してくれつつ便利に使えるんですよね、やっぱり。

 なお、電波遮断ポーチの類は1,000円未満で買えたりします。さらに、Amazonで「電波遮断ポーチ」で検索したりすると、スマートキー用のものが多々ヒット。「身近なモノを使ってトライ」とか言ってないで、専用品買っとけ>筆者、って感じでしたね。お粗末様。

スタパ齋藤