やじうまミニレビュー

「切る」と「つかむ」がひとつでできる! トング付きキッチンハサミ

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

 キッチンハサミ、きっと1つは持っていると思います。食材が入っている袋を切ったり、レトルトパックをカットしたりと、単に使う場所がキッチンであるというだけで、その使い方は、いわゆる普通のハサミと同じ、という方も多いかもしれません。

 でも、キッチン用のハサミですから、もっといろいろな場面で使えるのはご存知のとおり。実際に食材を切る、つまり、肉や野菜を切ったり、調理の下ごしらえで活躍したりと、具体的な“料理”にもしっかり使えるのです。

 今回は、そんなキッチンハサミの使い方がさらに広がるアイデア商品を紹介します。なんと! ハサミとトングが合体しました! その名もズバリ「トング付きキッチンハサミ」。刃物で有名な貝印の商品です。

貝印の「トング付きキッチンハサミ」
メーカー名貝印
製品名トング付きキッチンハサミ DH2064
価格(編集部調べ)1,780円

普通のハサミにはないアイデアがあれこれ

 切るための機能をもったハサミが、はさんだりつかんだりできて、トングの役目も果たしちゃう、というグッズです。

 ハサミを利用することで、まな板を使わずに、皿の上や調理中の鍋の上でも作業ができます。結果として洗い物が減り、片付けが楽になる、ということが実現。そこにさらにトングの機能がプラスされて、使い方がぐーんと広がります。

一般的なキッチンハサミとはややルックスが違いますね。長めのカーブした刃と、先端のトングが特徴的。トング部分が手を合わせたように見えて、ちょっとかわいい
全長は約20cm、刃は薄め、重さも45gと軽く、使いやすい感じ。刃の部分はステンレスです

 このハサミ、目的に合わせてよく考えられた作りになっています。まず、刃がギザギザタイプのセレーション刃で、さらにカーブしているため、食材がしっかりつかめます。カーブした刃には、鍋やフライパンに沿いやすいというメリットも。また、刃には目盛りがあり、カットサイズの目安になります。

 トング部分はナイロン製で丸みがあるので、器や調理器具を傷つける心配がありません。滑り止めもあり、つかみやすい工夫もばっちりされています。

先端のトング部分を見てみます。ここはナイロン製で耐熱温度は140℃
丸い形がつかみやすく、食器などを傷つけません。滑り止めの凹凸もついています
カーブした刃は、物をつかみやすく切りやすく、フライパンや皿に自然に沿うための工夫です
刃はギザギザになっていて、つかんだものを逃しません。目盛りも付いているので、カットする時の目安になります

 特筆すべきは、ハサミが着脱でき、食洗機使用もOKなこと。油ものを切ったりつかんだりしても、洗う際のストレスがこれでぐっと少なくなりますね。刃物を洗う時には気を使いますが、食洗機が使えるならとっても気楽。

このハサミが他と違うことはこんなところにも! ハンドル部分を持ってめいっぱい開くと……
刃が2つに分離できるのです。おまけに食洗機も使えるから、刃についた油よごれなども、すっきり洗えるというわけです

ハサミを調理に使うことで、確実に洗い物が減ります

 食材を“ハサミ”で調理することには、慣れないとちょっと抵抗があるかもしれません。でも、この「トング付きキッチンハサミ」なら、トングの機能も兼ねているので、出番が多く、思ったより便利に使えます。

 まず、簡単なサラダを作ってみましょう。

 ボウルを用意して材料を入れていきます。レタスは手でちぎればいいですよね。きゅうりやプチトマトは、本来ならまな板と包丁を使って切りますが、今回は、ボウルの上で直接ハサミでチョキチョキ。ギザギザの刃が滑り止めになって、スムーズにカットできます。最後にクレソンを切りながら加えてカット作業は終了。

 ボウルにドレッシングを入れて野菜を和えるのも、このままハサミで続けます。トングでもあるのですから、道具を変える必要はありません。さらにそのままつかんでサービング。

ボウルの上で直接きゅうりを切ります。ギザギザ刃できゅうりも逃げずにカットできます
クレソンなどの葉ものは、包丁よりハサミのほうがじつは切りやすい。こちらもそのままサクサクっと加えます
そのまま続けてトング付きハサミで和えることができますよ~!もっと野菜を細かくしたければ、ここでさらにチョキチョキ
さらに、サラダをつかんで皿への盛りつけも。ここまで他の道具が出る幕はありません

 どうです? 使ったのは、ボウルとトング付きキッチンハサミのみ! まな板や包丁、菜箸やトングを使わずに、皿に盛りつけることまでできました。

パスタ料理にも便利。トング付きハサミでパスタを炒めて、そのまま皿までサーブします。パスタを短くカットしたい時は、ここでできますね
仕上げには、イタリアンパセリをプラス。盛り付けたパスタの上で直接カットできるから手間いらず
トング付きハサミを使って手早くクッキングができ、洗い物も少なくて済みました

肉を焼く料理では、かなりの活躍が期待できます

 このトング付きキッチンハサミの便利さをもっとも感じるのは、肉を焼いた時だと思います。チキンソテーや豚の生姜焼きなど、日々、出番の多いメニューで、最高のパフォーマンスを発揮しますよ!

 食べやすくするために、焼いた肉をある程度カットしてから皿に盛りつけたい場合、フライパンからいったんまな板に移して切ると、まな板も包丁も油でよごれます。でも、このハサミを使えば、肉を焼いたフライパンの上で、そのまま好きな大きさにカットできるのです。その際、カーブした刃が思いのほか使いやすいことに納得。

豚肉の味噌漬けを焼いてみます。ひっくり返す時もトング部分を使って。開閉がハサミ方式なのでトングとしても使いやすい
フライパンの上でそのまま肉をカットできる喜び! ソフトなトング部分はフライパンを傷つけず、カーブした刃は底に沿って切りやすいのです!
必要以上に力を加えないので、肉の断面もつぶれずふっくらしたままです
同じことをまな板ですると、こうなふうに……。まな板も包丁も油でよごれ、肉の温度も下がってしまいます

 刃の先はナイロン製のトングなので、フライパンの表面を傷つける心配もありません。肉を焼く時の返しも、トングとしてこのハサミだけを使えばOK。カットした肉は、そのまま先端のトング部分ではさんで盛り付けへ。まな板に移動させないから、焼いた肉も冷めずに済みます。おぉ! なんとも便利!

トング付きキッチンハサミなら、油になるのはフライパンとハサミのみ。とにかく肉を焼く時には大活躍です

 また、ピザやチヂミなどを切る時も、皿上でナイフでカットしようとすると、皿が傷つく恐れがありますが、このハサミなら心配ご無用。熱々をそのままテーブル上に置いて、目の前で好きなサイズにカットできます。

焼いたピザやチヂミを食べやすい大きさに切る時なども、皿の上で直接できます。まな板もよごさず皿も傷つけずに済みますよ

 とはいえ、刃の先がトングになっているため、ちょっと使いづらい点があるのも事実。ハサミとしての用途をメインに考えると、結構、刃の先を使うことは多い。でもこのキッチンハサミは刃の先端までを「切る」ことに使えないので、すっきり最後まで切れずにややフラストレーションを感じます。

 しかし! これは、「トング付きキッチンハサミ」。このハサミだけが持つ便利さを活用すれば、使いみちも広がり、時短につながり、洗い物が減るのは事実。調理そのものも簡単になるため、小さな子どもや高齢者などにも使いやすいと思います。

 切る、つかむ、和えるなど、あれこれ使ってよごれても、分解してすみずみまでしっかり洗える……。この気持ちよさで、さらにかなりの得点があげられることを実感しました。

使った後は、分解してそのまま食洗機へ。気になるねじ部分も、こわごわ拭いていた刃の部分も、ストレスフリーできれいに!
ハサミに特化した働きとは違う、新しい機能を持ったグッズ。トングとハサミ、意外に使えるカップルです

座間 佳子