家電製品ミニレビュー
ブラウン「Cool Tec(クールテック) CT6cc」
~もう肌を冷やさないシェーバーには戻れない!
by 正藤 慶一(2013/9/5 00:00)
シェーバーでヒゲを剃ることと肌のトラブルは、切っても切れない関係にある。高速で振動する刃を肌に当てるため、肌には摩擦が発生し、その摩擦熱が肌の赤みやかぶれ、ヒリヒリ感につながってしまったりする。ヒゲをキレイにカットしたつもりでも、剃った後の肌が真っ赤では、身だしなみどころかかえって逆効果になる。
そんな時に便利なのが、ブラウンから今春登場したシェーバー「Braun Cool Tec(ブラウン クールテック)」だ。このシェーバーは、シェービング機能とともに肌を冷やす機構を搭載した点が特徴。ヒゲを剃りながら肌を冷やすことで、シェービング時に発生する赤みやかぶれなどトラブルの発生を抑えるという。
現在のところ、肌を冷やしながら剃るシェーバーはこのクールテックのみ。これまでに無かったシェーバーだけに、本当に効果はあるのか、と疑問に思う方もいるかもしれない。しかし、私はこの春からこのシェーバーを使っているが、本当に肌のトラブルが発生せず、とても便利に使えている。今回はこのクールテックについて紹介しよう。
なお家電Watchでは、過去にクールテックの担当者へのインタビューも行なっている(リンクはこちら)。こちらも併せてご覧いただきたい。
メーカー | P&G |
---|---|
製品名 | Braun Cool Tec(ブラウン クールテック) CT6cc |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 15,805円 |
クールテックには、専用の洗浄充電器が付いた「CT6cc」と、洗浄充電器が省かれた「CT4s」の2つがあるが、今回はCT6ccを使った。シェーバー本体の機能はどちらも変わらない。
本体サイズは59×49×160mm(幅×奥行き×高さ)で、パッと見た感じでは、普通のシェーバーとほとんど変わらない。ただ、冷却機構を搭載しているためか、手に持つと厚みを感じる。本体もやや重めで、ブラウンの最高級モデル「Series7(シリーズセブン)」が210gなのに対し、クールテックは280g。大した重さではないが、比べればズシッとくる感覚はある。
肌を冷却する機構は、本体頂部のヘッド部分にある。クールテックの外刃は、網刃2枚とその間のトリマー刃という3枚刃で構成されているが、トリマー刃の隣にひょっこり顔を出している銀色のプレートが、肌を冷却するための機構だ。
このプレートはヘッド部分だけではなく、本体内部まで伸びている。電源を入れると、本体内部のプレートが熱くなる一方で、ヘッド部分のプレートが冷たくなり、肌を冷やしながらシェービングできることになる。このプレートには、金属に電気を通すことで、熱を移動させる「ペルチェ素子」の技術を利用しているという。
電源を入れると、「ブーン」という音が鳴る。このあたりは普通のシェーバーと何一つ変わりないが、プレートは運転開始から数秒で、確かな冷たさを感じる。ヘッド部分を冷たくする一方で、本体内部に熱を移動するとのことだったが、実際には触っていてもほんのり熱が感じられる程度で、使用に支障が出るほど熱くはなかった。
クールテックでシェービングした率直な感想は「冷たい! でも気持ち良い!」。まるで氷を当てたような冷たさを感じるが、不快というわけではなく、スッキリ、サッパリとした爽快な感覚がある。プレートが肌に引っかかることもなく、スルスルとシェービングが進んでいく。
シェービング後の肌は、何のトラブルも発生しなかった。私は肌が弱いタイプなので、安いシェーバーだと赤くなってしまうことも多いが、クールテックではそんなことはまったくなかった。
むしろ、肌のトラブル云々よりも、単純にシェービングの冷たさが気持ち良いのが気に入った。シェーバーを使うのは出社前の朝が多いが、目が覚めきっていない寝ぼけた頭に、ビシッと喝が入るような感じがする。この夏は暑い日が続いたが、クールテックでシェービングをしないと、何だかスッキリしない。
付属の洗浄充電器には、ブラウン独自のアルコール洗浄液を採用。洗浄後は汚れやニオイもないサッパリした状態で使用できる。ブラウンのアルコール洗浄は、洗浄後の爽快感が他社とは一味違うので、ぜひ洗浄器付きタイプをオススメしたい。
全体的に非常に満足度の高い製品ではあるが、ちょっと気になるのが、電池の減りが激しい点。メーカーによると、電池は通常のシェーバーと同じものを使用しているらしいが、冷却機構を搭載しているため、気が付くと電池が消耗していて、冷却機能が自動OFFになったり、電源が入らなくなったりする。ホームページによると、冷却機能の運転時間はわずか15分間だけだ。
しかも、電源コードは本体に繋げられないため、シェーバー本体をコンセントに接続したまま使う「交流式」の利用も不可能。こまめに洗浄充電台にセットして充電するようにしたい。
また、最高級モデルのシェーバーのような、音波振動による高速シェービングや、顔の曲面に合わせてヘッドが前後左右に動く機能も搭載されていない(外刃が上下に浮き沈みする「3連サスペンションヘッドシステム」は装備)。肌を冷やす機能以外のシェービング能力は、中級クラスといったところだ。そのため、アゴ下など剃りにくい部分は、シェービングに時間が掛かってしまう。もちろん、冷却プレートの効果で肌のトラブルは抑えられるが、シェービングスピードを最優先する人は、より高級モデルの「Series7」の方が良いだろう。
細かいことを言ったが、クールテックは今や私が気持ちの良い朝を迎えるのには必需品だ。シェービング時の肌トラブルを抑えたい人はもちろんだが、単純に朝サッパリした気分になりたい人に推薦したい。もう肌を冷やさないシェーバーには戻れない――大げさかもしれないが、クールテックはそんな気持ちよさが味わえる、新感覚のシェーバーだ。ぜひ一度使ってほしい。