家電製品ミニレビュー
ティファール「ミニプロ ミモザ」
ティファール「ミニプロ ミモザ」 |
我が家で重宝している家電の1つに、フードプロセッサーがある。きざむ・こねるといった調理が圧倒的に早くなる調理家電だ。手の込んだ料理ほど下ごしらえが大変になって憂鬱になるのだが、コレがあれば食材の下ごしらえが短時間でできる。毎日の料理からお菓子作りまで幅広く使えるので、我が家ではマストアイテムとなっている。
しかし、我が家で使っているのは容器がガラス製で、ちょっと大きめだ。キッチンの上の方の棚にしまっているのだが、重くて大きいので、棚から出すときにちょっと苦労する。また、付属品があって、別々に収納しなければならない。必要不可欠な家電となっているものの、もう少しコンパクトだと嬉しい。
今回ご紹介するのは、そんな悩みを解消してくれるティファールのフードプロセッサー「ミニプロ」だ。
メーカー | ティファール |
製品名 | ミニプロ ミモザ |
希望小売価格 | 12,600円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 9,980円 |
■フードプロセッサーが便利なワケ
製品について触れる前に、まずフードプロセッサーが便利な訳を説明しよう。つぶす・混ぜる・きざむといった作業は、基本的にはまな板と包丁があればできるので、フードプロセッサーは必要ないと思っている人も多いかもしれない。二人の子供がいるイチ主婦としては、ぜひおすすめしたい調理家電だ。フードプロセッサーを使うことで、料理の時間が驚異的に短縮される。
基本的な使い方は、容器に大きめに切った食材を入れ、フタをしてスイッチを押すだけ。中の刃が回転して食材をきざんだり、混ぜたりしてくれる――これが本当に早いのだ。
特に玉ねぎのみじん切りには欠かせない。涙を流しながら包丁でトントンする必要がなくなり、ほんの数秒で細かく刻まれる。子供が大好きなハンバーグなど、大量にきざむ作業があるときは、本当に助かっている。我が家のように4人家族ともなると、みじん切り作業は時間もかかり、面倒なものだが、これが全く苦にならない。
作業時間が大幅に短縮されるうえ、お肉の「こね」もやってくれるので、冬に冷たい肉を延々こねる必要もなく、スイッチを押すだけでフードプロセッサーがやってくれる。できあがったハンバーグもフワフワで、とてもおいしく仕上がる。
これまで、自宅で使ってきたフードプロセッサーは、ガラス容器で大きく、収納場所をとるのが不満だった。今回は収納場所の悩みを解消してくれそうな「ミニプロ」を試してみることにした。
本体サイズは、270×150×255mm(幅×奥行き×高さ)で、付属品を含めた重量は1,500g。消費電力は350Wで、連続使用時間は3分。重量を軽くするために、本体容器はプラスチック製。アタッチメントは「カッター」「スライス/せん切りディスク」「泡立てディスク」の3種類で、つぶす、混ぜる、きざむ、スライス・せん切り、泡立てなどの作業を行なえる。
クッキングボール容器はプラスチック製でとても軽い | カバーふたは投入口がついている | プッシャーは目盛り付き。計量カップ代わりにもなる |
カッター | スライス/せん切りディスク | 泡立てディスク |
これらのアタッチメントは、全て本体容器に収納でき、別に保管する必要がないため、収納場所を取らない。また、長さ1.25mの電源コードも本体底面に巻き付けて収納できる。フードプロセッサーやジューサーといった家電はキッチンの置き場所に一番悩むところだが、まとめてコンパクトに収納できるので非常にありがたい。
ミニプロは、クッキングボール容器とカバー上フタの両方を正しくセットしないと、スイッチが入らない2段階の安全構造で誤作動を防止しているので、子供の近くでも安心して使える。大きめで押しやすいスイッチは押しているだけ作動する仕組みだ。
裏側にコードを収納できる | クッキングボールとカバーがスライドロック切り込みにセットされていないと、作動しない |
■カッターでみじん切りをあっという間に
まずはアタッチメントのカッターを使って調理してみよう。カッターは生の肉・魚、野菜などをつぶしたり、混ぜたり、きざむことができるアタッチメントだ。
最初に、ミニプロ付属のレシピブックを参考に、鶏のつくね団子を作ってみた。鶏もも肉、ごぼう、長ネギを2~3cmの大きさに切り、クッキングボールに入れて、パルスで10回、連続で7~8秒程度スイッチを押して挽き肉状にする。パルスとは、食材の状態を見ながら断続的にスイッチを入れる・切るを繰り返すことを言う。フードプロセッサーによってはこのパルス機能は用意されているものもあるが、残念ながらミニプロにはないので、自分で調整していく。
撮影の都合上、クッキングボールは手で抑えていないが、振動でずれて作動しなくなるので、通常はきちんと抑えながらボタンを押す。あっという間につくねの生地が出来上がり! |
フードプロセッサーがない場合は、ごぼう、長ネギを別々にみじん切りし、挽き肉を使ってこねることになる。それがフードプロセッサーを使えば、ぶつ切りにした食材をすべて入れて、ボタンを押すだけ。とても簡単だ。
しかも、鶏肉はしっかりこねられるので、ふんわりしている。挽き肉を使わなくても鶏肉をミンチにするので、水っぽさもない。手でこねると肉の温度も上がってしまうが、機械ですばやくこねられるので、衛生面でも安心だ。
完成した鶏のつくね団子はふっくらしていて、とてもおいしい。挽き肉で作るとポソッとしてしまったりするのだが、鶏もも肉からミンチしたつくねはジューシーだ。味もしっかりついていて、お弁当にも向いている。
鶏肉もぶつ切りにして材料をすべて入れる | きざんだり、手でこねるのは大変だが、30秒ほどで完成する | おいしい鶏肉のつくね団子ができた。ふんわりしていてとてもおいしい。プロが作ったみたいな食感! |
なめらかなサーモンムース。短時間でできる |
次に、生鮭と生クリームを使ったサーモンムースを作った。これもカッターできざみ、混ぜ合わせ、調理後にカップに入れ、オーブンで蒸し焼きしたものである。
フードプロセッサーがなければ、ここまでなめらかな舌触りにはならなかっただろう。いくらを添えれば、高級感のある前菜になった。作り方は簡単だが、見た目も豪華なので、来客時のおもてなし料理にもなりそうだ。
■泡立てディスクでふわふわメレンゲを作る
泡立てディスクを装着すれば、フードプロセッサーで泡立てをすることも可能だ。卵白の泡立てを行なったところ、ツヤのあるきめ細かい卵白となった。
ただ、だんだん泡だってくると卵白が上に上がってしまい、刃が下の方で空回りすることがあった。ゴムべら等を使って、途中で卵白を落とす必要がある。また、たくさんの卵白を一度に泡立てるのは無理なので、ケーキなどの用途には不向きだろう。
泡だった卵白を使って、小倉蒸しを作った。茹で小豆、上新粉、薄力粉、砂糖を入れて蒸し器で蒸したものだが、しっとりして高級和菓子のような仕上がりになった。
不安だった卵白の泡立てもできた。少量の泡立てに向いている | 泡立てた卵白を使って和菓子作り。しっとり、もちもちでたまらない! |
■スライス・せん切りパーツで野菜のスライスが楽々
スライスやせん切りを行なう際は、スライス/せん切りパーツを使う。スライスするときはフラットな面を上にセットする。せん切りの場合は、突起のある方を上にしてジョイント軸にセットする。
切り込み口から食材を入れるので、ここに入るサイズの3cmから5cmほどに切っておく。
はじめにきゅうりのスライスに挑戦した。投入口に立てて入れてスイッチを押したら、本当にあっという間だった。ただ、途中でバタンときゅうりが寝て横向きにスライスされてしまうことが何度かあった。きゅうりは投入口に入れる前に、平らに切って、まっすぐ落ちていくようにしなければならない。
あっという間にスライス終了。途中できゅうりが横向きになってしまうことが多い |
きゅうりは一度に2本セットすることも可能だ | スライスされたきゅうりはかなり薄い |
大根も紙のような薄さ | ホタテの缶詰とマヨネーズと塩コショウをしてサラダに。子供も大喜びだった。薄すぎてシャキシャキ感がいま1つなのは残念 |
スライス/せん切りパーツはこのように裏返して使い分ける |
せん切りも一瞬で終わった。ただ、一度にできる量は少なく、最後にディスク上に残った食材は捨てなければならないので、カバーをはずして取り出す作業に少々時間がかかる。作る量が少なければよいが、我が家のように大人数だと、何度か余った食材を取り出す作業をする必要がある。
スライスもせん切りも非常にきれいに切ることができたので満足している。包丁でどんなに頑張っても、こんなに細く切ることはできないだろう。個人的にはもう少し歯ごたえが欲しいので、一回り大きなサイズでもよいと感じた。
きゅうりを投入口に入るサイズに切り、横にいれてスライスをする | 最後に少し残ってしまった。これは取り除く必要く | きゅうりとにんじんのせん切り。包丁ではこんなに細く切ることはできない |
■軽くてコンパクトなので、収納場所で悩まない!
クッキングボールに付属品を全て納めた状態 |
ミニプロの一番魅力的なポイントは、やはり「軽くてコンパクト」という点だろう。必要なときだけ棚から出して使う我が家では、出し入れがラクで助かっている。付属品は全て容器の中におさまり、コードも裏面に巻いて収納できるので、スッキリ収納できて邪魔にならない。収納場所でお悩みの方におすすめしたい製品だ。
気になったのは、クッキングボールが軽く、調理中に振動でずれてしまうこと。スライドロックから少しでもボールとカバーがズレてしまうとボタンが押せなくなってしまうので、しっかりボールを抑えながら調理する必要がある。
もう1つ残念なのは、食器洗い機に対応していないことだ。野菜などをカットするだけならサッと洗えば食材は落ちるが、肉をこねた後などは、高温で洗える食器洗い機で洗ってしまいたいところだ。後継機は食器洗い機に対応するよう改良していただきたい。
お子さんがいるご家庭では、フードプロセッサーを使って一緒に料理しても楽しいだろう。刃が外に露出していないので、安心して手伝ってもらうことができる。ただ、子供は喜んでスイッチを長押ししてしまうので、ざっくりとしたみじん切りなどをしたい場合は注意する必要がある。フードプロセッサーで食材をみじん切りにするときは、数秒でもかなり細かくなり、長押ししすぎるとペースト状になってしまう。
「ミニプロ」という製品名通り、軽くて小さいフードプロセッサーだが、パワーは十分で、肉のミンチやこねも問題ない。ちょっとしたみじん切りや、下ごしらえに重宝するだろう。
収納場所に困らないミニプロは、フードプロセッサー初心者にピッタリの製品。試したことがない人は、ぜひその便利さを実感してほしい。
2010年12月13日 00:00