家電製品ミニレビュー

毎日のチョイ揉みで、肩凝りを和らげるマッサージ器

山善「トルトン・ハイブリッド YHM-500」

 「まるで肩に何かが巣食っているようですね……」私の肩に触れたマッサージ師さんはそう漏らした。肩凝りがひどくて、マッサージ店に駆け込んだ時のことだ。

 同じ姿勢を長時間続けていたり、重い荷物を持つと、てきめんに肩が凝る。これほど凝りが溜まると、一度のマッサージでは取りきれない。自宅でストレッチしたり、自分で肩を揉んだりするものの、限界がある。

 そこで導入したのが、山善のショルダー型マッサージ器「トルトン・ハイブリッド YHM-500」。一度に「もみ」と「たたき」を同時に味わえるマシン……ということで、どんなものかと試してみることにした。

メーカー山善
製品名トルトン・ハイブリッド YHM-500
購入場所Amazon.co.jp
購入価格10,422円

 山善では以前からショルダータイプのマッサージ器を発売しているが、「たたき」だけでなく「もみ」も行なうマッサージ器は、このトルトン・ハイブリッドが初めてという。肩だけでなく、首や腰もマッサージできる。

 本体形状は、逆さのU字のような形で、肩や腰に回して使う。サイズは340×480×170mm(幅×奥行き×高さ)、本体重量は約1.8kgで、思ったよりも大きくて重い。

 表側は合皮で、内側は伸縮性のある柔らかい布生地を貼り合あわせている。その内部には、もみとたたき、それぞれのヘッド(揉み玉)を左右に配置している。

肩や腰に回して使うマッサージ器。上から見たところ
下から見たところ
後ろ側。首の高さほどのボリュームがある
内側にたたき用ともみ用のそれぞれのヘッドを搭載する

 消費電力は30W、オートタイマーは約10分。電源コードの長さは2mで余裕がある。カラーはブラウンとベージュがあり、今回はブラウンを選んだ。

もみ具合がいい感じ!

 さっそく使ってみよう。運転モードは、たたきが「強/弱」、もみが「速/遅/自動」から選べる。さらに、たたきともみを同時に行なう「たたきもみ」は自動2コースが用意されている。

 まずは肩に「たたきもみ」コースを使おう。首に巻くようにして背負い、左右のグリップ部を持って、好みの位置に調節する。壁面や固いイスの背もたれに寄りかかって、ハンズフリーでも使える。楽な姿勢でマッサージをしたい方には後者がオススメだ。

たたき、もみ、たたきもみの3種の運転モードを搭載
肩に背負う形で設置する

 コンセントプラグを挿して運転ボタンをONにすると、背部のもみヘッドが動き出して、肩の肉をグイッと圧迫する。緩急をつけて肩肉を掴む動きは、まるで人の手のようにほど良く、思わず「おお」と声が出るほど感心した。そこへ、たたきヘッドが強烈な連打を仕向けてくる。たたきは強い。「い、いたた……」そう思った矢先に、ふっとヘッドの力が抜けて、もみとたたきの運転が止まり、独特の間が空いた。こちらの身体も力が抜けて緩む。しばらく待つと、またもみ&たたきマッサージが始まり、徐々に強くなってくる。この緩急と、ちょっと間をあけるタイミングも、プログラムに含まれているのだ。たたきは刺激的な強さだが、ずっと続くわけではないので、全体的にはリラックスしてマッサージを味わえる。

 1回のマッサージ時間は約10分で、自動で運転がOFFになる。バキバキに凝っていた肩周りの筋肉は少し緩み、使った後には爽快感が残る。どんなマッサージ器にも言えることだが、どうしても人の手のマッサージには及ばない。それでも、時間を問わず手軽に気になる凝りをケアしてくれる点に救われる。

腰や背中のマッサージもできる

 腰をマッサージする際は、背部に巻き付ける。グリップ部を持ったまま使っても良いし、椅子や壁などにもたれて使うことも可能だ。椅子の背もたれに深く腰掛けるようなリラックスした姿勢で、凝りをピンポイントで刺激できる。使い終わった後は、腰回りの血流が良くなって、ポカポカとする。気になっていた腰のハリも緩和されたような気がして、気に入った。

 本製品は、肩周りや腰など、ピンポイントで凝りをほぐしたい時に適している。個人的にはもみがお気に入りで、もみだけのコースを選択することも多い。グイグイ肩や腰の肉を掴んでほぐしてくれるので、使ったあとはスッキリする。

 運転音は、もみだけならうるさくないので、テレビの音声を聴きながら使用することができる。一方、たたきは「ビシバシ」と打撃音が響いて、耳元に近い首回りではちょっと怖い。音もうるさいので、テレビを観ながらの使用は避けた方がいい。

毎日のチョイ揉みで、肩凝りを予防&解消!

 この製品のメリットをまとめると、自宅で手軽に、リラックスした姿勢でマッサージを受けられるのが良い。肩に腰に、自分の好きな姿勢で装着でき、マッサージ中はゆったりと過ごせる。そして、着脱が簡単で、使う場所を選ばず、使いたい時にサッと使えるのもポイントだ。ダイニングテーブルのイスでも、自室のデスクの前でも、場所を問わずマッサージを始められる。凝りがひどくなる前に、こまめなケアができるわけだ。

 気になったのは、収納場所だ。意外とかさばるので、出しっぱなしにすると邪魔だし、棚に入れると場所をとる。収納場所を決めてから導入したほうが良い。また、たたきもみ時のたたきが若干強く感じたので、強さを調節できると良かったと思う。

 全体としては、パワフルな強めのマッサージが好きな方に適している製品だ。限られたスペースでも手軽に、しっかりとほぐすアイテムが欲しいという方は、試してみてはいかがだろうか。

小林 樹