家電製品ミニレビュー

ドリップコーヒーからお茶まで楽しめる3WAYコーヒーメーカー

タイガー魔法瓶「CAFE VARIE ACT-A040」

 タイガー魔法瓶のコーヒーメーカー「CAFE VARIE(カフェバリエ) ACT-A040」は、コーヒー粉から淹れるペーパードリップ式と、一杯ずつ抽出するカフェポッド式の両方に対応したコーヒーメーカーだ。

メーカータイガー魔法瓶
製品名CAFE VARIE ACT-A040
参考価格23,760円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格11,680

 CAFE VARIEは、ペーパードリップでじっくり淹れたい時、操作の簡単なカフェポッドで手軽にさっと1杯飲みたい時、幅広いニーズに応えてくれる。カフェポッドは、世界共通規格である幅60mmの「カフェポッド」と、UCCが発売する「エコポッド」の2種類に対応する。エコポッドは、コーヒーのほかに緑茶や烏龍茶、紅茶もラインナップしており、ACT-A040を使って、コーヒーだけでなくお茶まで淹れられるのだ。

幅60mmの「カフェポッド」(今回はKEYCOFFEEのバラエティパック)とUCCの「エコポッド」(有機栽培珈琲と烏龍茶、緑茶)を購入。いずれも近所のスーパーには売っていなかったので、都心の家電量販店で手に入れた。ネット通販でも入手可
左がUCCが発売する「エコポッド」、右が世界共通規格である幅60mmの「カフェポッド」。形が大きく異なる。いずれも不織布素材で、一般ゴミとして捨てられる

 本体サイズは181×279×342mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.2kg。実物は、コーヒーメーカーとしては結構大きい。本体背面には満水容量0.54Lの水タンクを搭載する。消費電力は1,000Wとなっている。

棚にセットして使っている
本体側面はレッドのカラーリングが施されている。カラーはこの1色のみ用意される
2Lペットボトルと比較。CAFE VARIEはコーヒーメーカーとしては大柄だ
本体背面に容量0.54Lの水タンクを搭載

 本体上部には、操作ボタンを配置。「エコポッド」「カフェポッド」「レギュラー」(ドリップ)それぞれをボタン1つで抽出できる。本体下部には高さを調節できる受け皿を用意している。

エコポッド、カフェポッド、レギュラーそれぞれの操作ボタンを備える
本体上部
フタを開けたところ
下部には受け皿となるトレイを備える

 付属品は多い。ペーパードリップ用、カフェポッド用、エコポッド用それぞれのホルダーが入っているからだ。また、ドリップコーヒーを保温するための「真空ステンレスサーバー」も付属する。

コーヒーペーパーをセットするドリップ用フィルターと散水版
ドリップコーヒーを保温するための「真空ステンレスサーバー」。
左がカフェポッド用ホルダーと散水版。右がエコポッド用ホルダー。エコポッドには散水版が要らないのでセットしやすい

しっかり蒸らしたドリップコーヒーが味わえる

 まずは基本のレギュラーコーヒーを淹れてみよう。使い方は普通のコーヒーメーカーと同じだ。水タンクに水を入れたら、コーヒー粉とペーパーをセットして、本体上部のフタを閉じ、「レギュラーボタン」を押すだけ。

水タンクには、カフェポッド/エコポッド用と、ドリップ用の2パターンの目盛りが刻まれている
コーヒー粉とペーパーをセットする
レギュラーボタンを押す

 コーヒーは最大4杯抽出できる。4杯の抽出にかかる時間は約6分で、ごく平均的な待ち時間と言える。抽出中は「ガーッ」という音がして、しばらくすると湯気と共にコーヒーの香ばしい匂いが立つ。

 抽出したコーヒーは、下部にセットした真空ステンレスサーバーに溜まる。ヒーターを使わずに保温できるので、珈琲が煮詰まらないという。

 淹れてから15分後にカップに注いだところ、まだアツアツのコーヒーが味わえた。ちなみにこのサーバー、注ぎ口のキレがいい! 液だれしないので、白いカップにもきれいに注げるのが嬉しい。

 使用後のコーヒー粉は、ムラなく隅々まで蒸らされていた。CAFE VARIEはコーヒー粉をしっかり蒸らすスチームドリップを採用し、豆の美味しさを引き出すという。

しっかりと蒸らされている
注ぎ口のキレがいい!!
最大4杯を同時に注げる

 味には満足。いつも使っている豆のマイルドな味わいを十分に楽しめた。これまで使っていたコーヒーメーカーも味は良かったので、美味しさに大きな違いはなかったが、家族も「普通に美味しい」とコメントしていた。

サーバーのせんまで分解して洗える

 CAFE VARIEはパーツは多いが、隅々まで分解して洗えるので、清潔さもポイント。「パーツが多くて手入れが面倒」とも言えるが、複数の抽出機能を備えているぶん、そこは仕方がない。

60mmのカフェポッドで手軽にレギュラーコーヒーを抽出

 続けて、カフェポッドを使った。手軽にレギュラーコーヒーを抽出できる60mmのカフェポッドは各社から発売されている。個別包装されていて、封を切るとフレッシュな香りが広がる。

 使い方はシンプルだ。円盤型のカフェポッドをホルダーにセットして、その上に散水板を置き、本体に入れる。あとはタンクに水を入れて、注ぎ口の下にカップを置き、カフェポッドボタンを押せば、自動で抽出が始まる。

 カフェポッド用のコーヒーメーカーとしては、以前に象印マホービンの「コーヒーメーカー 珈琲通 EC-PA10」を使ったことがあったが、使い方は同じだ。

円盤状のカフェポッドをセットする
ホルダーごと本体にセットする

 1杯の抽出にかかった時間は約2分半。「ガーッ、ガーッ」と重低音がした後に、「チロチロチロ」と少量ずつカップにコーヒーが注がれた。

カップに直接注がれる
湯気と共にコーヒーの香りが広がる

 あたたかい湯気と共に、コーヒーの香りが広がる。淹れたてのコーヒーはアツアツで、美味しい。数種類のカフェポッドでコーヒーを淹れたが、味に外れがない。全自動で抽出するから、味がブレないのも良い。

 なお60mmのカフェポッドとして紅茶タイプもネット上で売られていたが、数は少ない。60mmのカフェポッドといえばレギュラーコーヒーと考えて良いだろう。

早い! 濃さを調節できる! エコポットって便利

 最後に、UCCの販売するエコポッドを使った。家電Watchでは既にエコポッド用のコーヒーメーカー「ペリカ」をレビューしているが、自分で使うのは初めてだ。

 感想から言うと、抽出が早く、抽出量を3段階から調節できるので、カフェポッドよりこっちのほうが気に入った。

カップをセットして、1杯分を抽出する

 使い方はカフェポッドとほぼ同じで、エコポッドには散水版をセットする必要が無いので、手間が1つ省ける。

 タンクに水を入れ、カップをセットし、エコボッドを入れたら、ボタンを押して抽出量を「70/140/180ml」から選ぶ。普通のカップ用1杯分でだいたい140mlだ。140mlのコーヒーの抽出にかかった時間はわずか1分半。早い。香りは芳醇で、味にハズレが無く、美味しい。

エコポッドをセットする
エコポッドボタンを押して、抽出量を「70/140/180ml」から選ぶ
コーヒーの標準抽出量は140ml。70mlで抽出すれば、氷を入れてアイスコーヒーに最適という
180mlの緑茶。爽やかで美味しい。急須で1人分のお茶を点てるのは難しいが、これなら簡単だ

 コーヒーの標準抽出量は140mlだが、抽出量を調節できるので、70mlで抽出して氷を入れればアイスコーヒーが作れる。目覚めの一杯として、濃いめに淹れたい時にもピッタリだ。

 コーヒーだけでなく、緑茶や烏龍茶も美味しく味わえる。コーヒーのあとに緑茶を作った際は、コーヒーの匂いがつかないか心配だったが、匂い移りは意外と気にならなかった。

カフェポッドとエコポッド、ここが違う

 カフェポッドとエコポッドの良さは、挽いたコーヒー豆をセットする手間がかからず、味にブレがないこと。また、セットからゴミ捨てまで楽ちんな点も挙げられる。

 最後に、カフェポッドとエコポッドの違いについて触れておこう。使い方は大差ない。一番の違いは、包装だ。カフェポッドは個別包装、エコポッドは大きな袋に複数個が包まれている。鮮度を保ちたければ、エコポッドは袋ごと缶などに入れると良いだろう。一方で、カフェポッドは保存性が良いが、包装がいちいちゴミになる。エコポッドはその点で「エコ」なので、どちらも一長一短ある。

 ちなみにネスレのドルチェグストシリーズ専用のカプセルはプラスチック製で、ゴミの分別に厳しい自治体では一般ゴミとして捨てられなかったが、カフェポッドやエコポッドはどちらも不織紙製なので、そのまま捨てられるのが良い。

 ただし、カフェポッドとエコポッドはどちらも私の地元のスーパーでは売っていなかった(ドルチェグストのカプセルは売っている)。今後入手性が良くなるよう期待したい。

左から、使用後のカフェポッドとエコポッド。どちらもしっかり隅々まで蒸らされていた
エコポッドは複数個が1つの袋に入っているので、しっかり密閉して保存したい

好みに合わせて使い分けできるから便利

 CAFE VARIEは便利なだけでなく、使いこなすのが楽しいコーヒーメーカーだ。

 家族といる時はペーパードリップ式で一気に4人分を抽出。忙しい朝にはカフェポッドやエコポッドで1人分だけ抽出できる。無駄なく、好みに合わせて使い分けられる。生活シーンに合わせて、ハイブリッドに使えるコーヒーメーカーをお探しの方にオススメしたい。

小林 樹