家電製品ミニレビュー
文字がくっきりと読みやすく、光がたっぷり広がるLEDデスクライト
by 藤原 大蔵(2013/10/15 00:00)
仕事、勉強、読書に集中して取り組みたいならば、デスクライト選びは重要なポイントだ。条件を挙げるなら、小さな文字もハッキリと見える「明るさ」、手元回り全体をたっぷり照らしてくれる「高い配光性」、さらに照らされる物がキレイに見える「演色性」の三拍子が揃っていて欲しい。しかも、長時間目に触れるものなので、できれば「カッコイイ」に越したことはない。
そんな条件と欲求を軽~く満たしてしまうデスクライトとして、今回はパナソニックの「LEDデスクスタンド SQ-LD600-S」(以降、SQ-LD600)を紹介しよう。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | LEDデスクスタンド SQ-LD600-S |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 13,428円 |
SQ-LD600の特徴は、バッチリ明るいだけでなく、見開きの新聞を隅々まで照らせる高い配光性能を備えたLEDデスクスタンドだ。色温度は自然光に近い6,200Kで、演色性はRa90(Ra100が最高値)と、LED照明の中でもとりわけ高い。
ACアダプタを差し込むだけですぐに使える
SQ-LD600は組み立ての必要が無い。折りたたんだ状態の器具を箱から出したら、付属のACアダプタの「器具用プラグ」を本体の底に差し込み、「アダプタ」をコンセントに差し込んだらすぐに使える。
全体のフォルムは、スタイリッシュでシャープ。とても洗練されたデザインだ。重さは約2.4kg。今回紹介するシルバー仕上げの他、パールホワイト仕上げもある。
ドーナツ型のベースは170x40mm(直径x厚み)で、据え置きタイプのデスクスタンドとしては一回り小さい印象だ。ベース中央には83mmの孔が開いている。OFF/ONスイッチと調光スイッチがある本体部の長さは約355mmで、アームの長さは約385mm。光源となるセード部は135x22mm(直径x厚み)で、LEDらしく薄い。
本体、アームとも緩やか弧を描いており、優雅な印象も受けるデザインは、イタリア・ミラノ工科大学"ポリデザイン"との共同開発だという。組み立てが必要ない一体型なので、気軽に持ち運びもできそうだ。
大型ディスプレイの邪魔にならない可動範囲
点灯する前に、SQ-LD600の可動範囲に触れておこう。
まず、本体全体が左右合わせて約160度の範囲で水平方向に回転できる。リング状のベースの黒い部分に沿うように、本体と連結しているリング全体が回転する仕組みだ。本体をつまんで、軽くスムーズに動く。
次に、スイッチのある本体は寝かせた状態から約75度、アームは本体側に折りたたんだ状態から約110度の範囲で可動する。どちらも最大に開いたとき、テーブルまでの光源部の高さは490mmだった。
アームと本体、本体とベース部の接合部の2箇所は、付属する六角レンチで好みの固さに調節できる。気が利いていると思ったのは、六角レンチはベース底にキチンと収納できる点だ。調節したい時にレンチを探す必要もなければ、失くす心配もない。
見開きの新聞を余裕で照らす高い配光性
いよいよ点灯してみよう。OFF/ONスイッチに触れるだけで、スウッと点灯する。点灯して驚いたのは、配光性の良さだ。しかも、バッチリ明るい。
光源が机上面と平行になるように調節した(デスクまでの距離は435mm)にもかかわらず、なんと、見開きの新聞の端から端まで余裕で照らすほど、光がたっぷりと広がった。直下の明るさは950lxで、細かな手作業にも十分過ぎるほど明るい。
配光性の良さは、デスク脇に寄せて置いた時にもしっかり発揮される。光源の高さはそのままで、デスクの端から手元付近までしっかり照らしてくれる。本製品のアームは必ずしも長くはないので、点灯前はデスクの端に置いて光が届くが心配だったが、まったくの杞憂だった。
SQ-LD600の配光性の良さと明るさは、光源部の工夫から生み出される。26個のLEDがセードの内部の外周に沿って配され、導光板の内側で反射を繰り返し、波長制御フィルター(LED素子の黄色い光の波長を制御する)を通って、光が広範囲に放たれる。複数のLEDが一つの面発光としてまとまっているので、少しぐらい光源が見えてもそれほど眩しくはない。
調光もスムーズで簡単だ。調光は点灯後、OFF/ONスイッチの上にある1本線の「調光スイッチ」に触れる、またはなぞるだけだ。調光範囲は100~20%で、10段階に調節できる。指先の微細な変化も感知してくれる高感度な”タッチスイッチ方式”は、小気味良い操作感だった。調光時のちらつきも感じられなかった。最小時の直下の明るさは約189lxだ。
なお、消灯した最後の明るさは、コンセントを抜かない限り記憶している。次に点灯した時に最後の明るさで点灯するので、点灯するたびに調光する必要がない。
蛍光灯よりもくっきり・スッキリ文字が読める。演色性も良い
冒頭でも触れているが、文字がとても読みやすい。色温度は6,200Kで、やや青白い昼光色だ。文字の見え方は、カタログなどでも謳っているとおり、紙と文字のコントラスト感が強調され、くっきりと見えた。色温度が5,000Kの昼白色の蛍光灯と並べて比較してみると、読みやすさをより実感する。
さらに、演色評価数がRa90の本製品だけに、演色性がとても良い。照らされる物の色が全体的にスッキリと見え、色鮮やかに力強く発色して見える。光色は昼光色に区分されるが、色の見え方は思いのほか自然な印象だ。
光源はLEDだが、影が柔らかいのも大いに気に入った。面発光で放たれる光は、LED特有の多重影ができないだけでなく、手暗がりになるような強い影にもできない。読み書きが快適に捗った。
もちろん省エネで長寿命。電気代も安い!
SQ-LD600の光源はLEDなので、低電力で長寿命だ。消費電力をワットチェッカーで計測してみると、最大時の明るさで10W、最小時で2Wだった。スイッチは物理的に切れるものではないが、待機電力は計測不能な0Wだった。最大の明るさで毎日8時間点灯しても、1日の電気代は2円(1.76円)にも満たない。
しかし、日常的なPC作業時は資料を読む程度なので、自分の場合は30%の明るさ(直下約279lx)で十分だった。その時の消費電力は3Wだったので、8時間点灯した1日の電気代は0.53円。煌々とした明るさが必要な細かな手作業でもしない限り、調光して使えば電気代は相当安く抑えられるだろう。
さらに、LEDの光源寿命は40,000時間。面倒なランプ交換の手間も無く、1日8時間の使用でも14年と長い期間使い続けられる。点灯中の光源部は多少熱を帯びるが、直接手で触れてもまるで問題ない程度なので、器具が顔の近くにあっても熱を感じない。長時間デスク前で過ごしていても快適だ。点灯中は雑音も無く、器具のそばに置かない限り、AMラジオにノイズも入らなかった。
SQ-LD600は、明るさ・配光性・演色性と、明かりに求められる3要素は文句がつけられないほどバッチリ揃ったLEDデスクスタンドだ。デスクライトとしての質の高さはもちろん、毎日使う道具としての美しさと使い心地もプラスされている点から、多少高価でも納得がいく。
長く快適に、デスク環境を整える明かりとして、イチオシのLEDデスクスタンドだ。