家電製品ミニレビュー
パナソニック「ラムダッシュ ES-ST25」
~肌にやさしい“ヒゲセンサー”が面白い実売7,000円のシェーバー
by 正藤 慶一(2013/6/6 00:00)
ヒゲが濃い男性に欠かせない家電製品が電気シェーバー。量販店の店頭に行けば、高いものから安いものまで、どれを選んだら良いのかわからないほど、多くの製品が並んでいる。
今回紹介するシェーバーは、どちらかというと安めの部類に入るシェーバー、パナソニックの「ラムダッシュ ES-ST25」だ。ラムダッシュはパナソニックの高級シェーバーシリーズだが、ラインナップには幅がある。5枚刃モデルは実売で2万~3万円する機種もあるほどの高級品だが、ES-ST25のような3枚刃モデルなら、7千円~8千円程度で購入できる。
ES-ST25は、昨年紹介した「ES-ST23」の後継モデル。防水設計で浴室でのウェットシェービングに使える点、T字カミソリのように持ってヒゲが剃れる点という、従来から継承した機能に加えて、ヒゲが濃い部分になるとパワーを強める「ヒゲセンサー」が追加された。一体そのヒゲセンサーとはどのような機能なのか。一度使ってみよう。
メーカー | パナソニック |
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製品名 | ラムダッシュ ES-ST25-R |
価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 7,581円 |
基本的な仕様は、従来モデルからほとんど変わりない。本体サイズは64×47×150mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約145gと軽い。充電用のACアダプターに、本体を立たせながら充電できる「充電スタンド」、外刃を保護しながら縦・横置きに対応する「シェーバーホルダー」も付属する。モーターは高速のリニアモーターで、1分当たり約13,000ストロークという速さでカットする点も同じだ。
ただし、デザインは若干異なる。本体表面に光を反射するミラーパネルを採用しているため、全体的にキラキラしている。どことなく、清潔感と高級感が感じられる。
電源は本体内蔵のリチウムイオン電池で、充電はACアダプターを接続した専用のスタンドに立たせることで行なう。本体にはACアダプターの差し込み口はないため、充電方法はこれ1つだけだ。浴室での使用を想定した製品のため、感電の危険を防ぐための配慮だろう。充電時間は1時間なので、電池が切れたとしてもちょっと置いておけば、1回分程度なら使える。
充電が終了し、本体中央の電源ボタンを押すと、「ブーン」という高い音が鳴り、運転がスタートする。ボタン1回だと、「ヒゲセンサーモード」、もう1回押すと、通常運転の「ノーマルモード」となり、さらにもう1回押すと、電源がOFFになる。ヒゲセンサーモード中は、本体中央部のインジケーターが青く点灯する。
さて、このヒゲセンサーモードとノーマルモードの違いは何か? それは運転パワーの違いだ。ノーマルモードは、通常のシェーバーと同様に一定のパワーで運転するが、ヒゲセンサーモードは、ヒゲが薄い部分はパワーを抑え、ヒゲが濃い部分はパワフルに剃る、というものだ。リニアモーターの高速駆動を制御するマイコンの電気信号が、ヒゲをカットする際に起こるわずかな変化を検知することで、それに応じてパワーを変動して運転するという。
具体的な数値で言うと、ヒゲが濃い場合は、通常運転よりも約4%パワーアップさせ、ヒゲが薄い部分や既にカットし終えた部分は、通常運転よりも約19%パワーを抑えるとのこと。そのため、肌に余分な負担が掛からず、肌にやさしいシェービングができるというメリットがあるという。
ヒゲセンサーモードの効果はいかほどか、まずはドライシェービングで剃ってみる。ヒゲの密度が薄い頬に使ってみると、体感的には「確かに、肌の当たり方がちょっとソフトかも」という印象。とはいえ、ヒゲが剃れないということではなく、ヒゲを剃る音はしっかりと聞こえる。
そしてヒゲが密集する鼻の下、アゴ部分に使用すると、「ブィーン!」という加速するような音とともに、パワーアップしているのが分かる。結果的に、ヒゲは問題なく、キレイに剃れた。
使い終わって思ったのが、肌がまったく荒れていないということだった。私は新しいシェーバーを使うと、頬など肌が荒れることがこれまでに何度かあったが、ES-ST25ではほとんどなかった。通常運転よりもパワーを弱めた運転の効果かもしれない。
また、シェービングの終了のタイミングが何となく分かるのも良い。使い始めはモーターが加速して、“ヒゲ残りまくってるぞ!”ということを知らせてくれるが、何度か剃っていると、モーターが加速することはなくなるため、“もうそろそろシェービングしなくても大丈夫か”というのが分かる。肌に無駄に刃を当てることが少なくなるのだ。
翌日は、浴室でのウェットシェービングに、同じくヒゲセンサーモードで挑戦してみた。すると、ドライシェービングの時よりも、高速運転に移行する回数が少なくなった。それでいて、ヒゲもしっかり剃れているし、肌も荒れていない。肌へのやさしさを優先するなら、よりパワーを抑えた運転ができるウェットシェービングの方が良さそうだ。
なお、ノーマルモードの剃り心地は、従来モデルのES-ST23とほとんど変わりない。ボタンを2回押すのも面倒なので、今ではヒゲセンサーモードばかり使っている。
ヒゲセンサーモードとは関係ないが、やっぱり便利だと感じたのが、従来から搭載されている「ウォータースルー洗浄」だ。外刃の下にある「洗浄切替シャッター」を開け、そのスキマに水を流し入れることで、外刃のカバーを取り外さなくてもヒゲのカスが洗い流せる。手軽に手入れできて、いつでも清潔に使用できるので、これは本当にうれしい機構だ。
シェービングスピードや剃り残しの少なさを考えると、5枚刃の高級モデルの方がさすがに上だが、実売7,000円前後で、肌へのやさしさを考慮したシェーバーは貴重な存在だ。肌にやさしいシェーバーが欲しいけれど、それほど予算がないという方にはぜひオススメしたい。