家電製品ミニレビュー

ツインバード「IH焼肉グリル 味わい亭」

~焼き目の付いた焼肉が素早く焼けるIH調理器
by 石井 和美
ツインバード「IH焼肉グリル 味わい亭」

 我が家は家族全員焼肉が好きで、自宅でよく焼肉を楽しんでいる。数年前まで七輪を使っていたが、ここ数年は手軽に使えるホットプレートを愛用している。

 ただし、ホットプレートにも不満がある。それは火力が弱いところだ。熱くなるまでに時間がかかり、場所によって温度にムラもある。我が家は4人家族なので、短時間でジュッと焼いて、どんどん食べていきたいところだ。

 そこでツインバードのIH焼肉グリル「IH焼肉グリル味わい亭(以下、味わい亭)」を試してみた。


メーカーツインバード工業
製品名IH焼肉グリル 味わい亭
IH-D935B
購入場所Amazon.co.jp
購入価格11,340円

 IH焼肉グリル味わい亭は、焼肉用のIHクッカーだ。ホットプレートともっとも大きく異なるのは、熱源だ。味わい亭では、プレート自体を発熱させるIH式を採用しているため、従来のヒーター式のホットプレートよりも、予熱時間が2~3倍短い。また、温度復帰も早く、次々に焼けるというメリットがある。

 また、1万円弱という実売価格も魅力的だ。同じような他社のIHクッカーより明らかに安い。

 本体には、焼肉プレート、焼肉プレート用のガード、焼肉プレート用のふた、電源コード、取扱説明書が付属している。ガードは、焼肉プレートが天板から落ちるのを防ぐ。また、フチを触ったときのやけど防止効果がある。

 本体サイズは約320×380×70mm(幅×奥行き×高さ)で約2.7kg、消費電力は1,300W。カセットコンロより、やや大きめなものの、一般的な焼肉プレートより小さいサイズだ。軽いので、女性でも持ち運びがラクだ。

焼肉プレートを外すと、IH調理器として使えるわかりやすい操作パネル焼肉プレートは中心部が波形になっている
プレートの四隅は余分な脂が溜められるようになっている焼肉プレートを固定するガードガードをかぶせることでヤケド防止にもなる
簡単に着脱できるマグネットプラグ式コードは約1.8m

 運転モードは、「加熱/揚げ物/焼肉」の3種類。10~120分の間で5段階で設定できるOFFタイマー機能も搭載している。

 まずは焼肉から味わおう。まず本体に焼肉プレートとガードをセットする。焼肉プレートは正方形で、余分な脂を落とす波型プレートである。

 セットしたら、本体上面の操作パネルに付属の「焼肉キー」を押す。焼肉キーを押すと、加熱が始まってランプが点滅し、余熱が始まる。加熱温度は「火加減キー」によって170℃~250℃で5段階で調節できる。余熱が完了するまでの時間はたった5分ほど。立ち上がりは非常に早い印象だ。

 焼肉プレートでお肉を焼いてみると、ジューッという心地よい音がして、焦げ目がついている。場所による温度ムラが少ないのも嬉しい。お肉はどんどん焼ける。

5分ほどで余熱が終わり、肉を焼くとジュッ! と音がする
焼肉プレートはガードでしっかり固定してから加熱開始強火でどんどんお肉が焼ける! 
焦げ目もしっかりついている野菜を置ける場所が狭い

 火加減キーで温度調整も簡単だ。カセットコンロや電気プレートの調整ツマミのように、のぞき込みながら火力の調節をする必要がない。火加減をマメに調整しながら、自分好みの焼き加減でおいしくいただくことができた。

 正直最初に焼肉プレートを見たときは、「家族4人でこの大きさでは足りないのではないか? 」と不安になったが、実際には焼いた後の温度復帰が早く、次々焼くことができるので、問題なかった。

 ただし、野菜を焼くスペースが狭いのは少々不満だ。なぜなら、野菜は肉に比べて火を通すのに時間がかかる。肉がメインのご家庭ではそれほど気にならないかもしれないが、野菜をたっぷり食べたい私には物足りなさを感じた。

 手入れは簡単だ。焼肉プレートはフッ素加工が施してあるので、中性洗剤と柔らかいスポンジですぐに落ちる。ただし、ガードも洗わなければいけないので、洗い物は一手間多くなる。ガードには油が多く飛び散っているので、乾いてしまう前にすぐ洗った方が良い。


焼肉プレートをはずせば、IH調理器具として使用可能

 焼肉プレートとガードを外せば、IH調理器具として使用できる。我が家ではまず、18cmのIH対応鍋を使用して、すき焼きを作ってみた。「加熱」キーを押すと、調理が始まる。「加熱」モードでは、「煮込み/保温/弱~強」の7段階から温度を調節できる。煮立ったあとは温度を抑え、最後までおいしく食べることができた。IH調理鍋は反応が早く、冷めてしまった時もすぐに温められるのが嬉しい。このほかに煮豆やおでん、シチューなどの煮込み料理などにも向いている。

 なお、すき焼きを小皿に取り分ける際に、天板に汁が垂れて目立ってしまったが、トッププレートは汚れもキズも付きにくい結晶化ガラスを採用しているので、サッと拭くだけで汚れは落ちた。

すき焼きをするため18cmの鍋を用意使用できる調理器具は取扱説明書に詳しく掲載されている。きちんと目を通してから使用する
この大きさの鍋では、本体が大きく感じるトッププレートの部分に汁をこぼしてしまったが、サッと拭くだけでとれる

 フタが付いているのでハンバーグやステーキも調理できる。ハンバーグを作ってみたところ、波形プレートで余分な脂がどんどん下に落ちていた。火力が強すぎたせいかハンバーグは少々焦がしてしまったが、フライパンで焼くハンバーグよりやわらかくヘルシーだ。想像以上に火力が強かったので、次回はもう少し弱火にしたい。コツをつかむまで何度か作る必要がありそうだ。

フタが付属しているので蒸し焼きも可能最初は火加減がよくあわからず焦がしてしまった……
脂がたくさん落ちているハンバーグもふっくらできた。脂が落ちてヘルシーだ

 気になったのは、本体のファンの音だ。裏側に吸気口、側面に排気口があり、電源を入れたとたん、ファンが回ってブーンという音がする。カセットコンロ等にはない独特の音で、この音に慣れるまで、少し時間がかかった。

本体裏に吸気口がある側面に排気口があり、ここから風が出てくる
IH調理器ならではの「ブーン」という音がする。慣れない音なので子供も「何の音? 」と驚いていた


安全機能も充実しており、安心して使える

 鍋料理も味わえる。カセットコンロに土鍋をセットして調理すると、炎の熱気で部屋が暑くなるが、IH調理器具なら、モワッとした熱さが広がらないので快適だ。

鍋のときに使用していたカセットコンロと大きさを比較してみると大きめだ28cmのIH対応鍋を使用。IH対応の土鍋は使用できないという炎を使わないので、まわりがモワッと熱くならない

 各種安全装置も充実している。電源を切り忘れた場合、最後のキー操作から2時間たつと自動停止する「切り忘れ防止機能」、鍋が高温になりすぎると自動的に停止する「異常温度上昇防止機能」、使えない鍋や鍋がないことを検知して自動的に停止する「鍋なし検知機能」など、うっかりミスにも対処してくれる。

 小さな子供がいる場合、炎があると何かとヒヤヒヤすることも多い。もちろん鍋は熱いので目を離すことはできないが、以前よりはゆったりと鍋を楽しめるようになった。

 焼肉では焦げ目をつけられるほど、火力は十分。お手入れ、安全面の点も気に入り、何かと出番が増えている。いつもの食卓の上で手軽に使えるので、我が家のように人数の多いご家庭だけでなく、少人数のご家庭にもおすすめだ。






2012年2月17日 00:00