家電製品ミニレビュー

アピックス「CERAMIC FAN HEATER APH-110」

~家中持ち運べる、ハンドル付きのセラミックヒーター
by 小林 樹
アピックス「CERAMIC FAN HEATER APH-110」

 今冬は節電対策としてコタツやセラミックファンヒーターなどのスポット暖房が注目を集めている。温めたい場所を効率良く温めることで、無駄な消費電力を抑えられるのだ。

 我が家は、築30年を超える木造戸建て住宅で、部屋にいても足元がスースー冷えたり、暖房のない廊下や脱衣所が寒かったりする。そこで今回は、家の各所に持ち運んで使えるコンパクトなセラミックファンヒーター、アピックスの「CERAMIC FAN HEATER APH-110(以下、APH-110)」を試してみた。

 


メーカーアピックス
製品名CERAMIC FAN HEATER APH-110
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,580円

 

 APH-110は、ハンドル付きで持ち運べるセラミックファンヒーターだ。本体サイズは約255×203×361mm(幅×奥行き×高さ)で、丸みを帯びたコンパクトなデザインだ。重量は約1.5kgと軽く、片手ですんなり持ち運べる。カラーは今回選んだブラックのほか、ホワイトも用意されている。

 本体を見てみると、前面に温風の吹出口、背面に吸気口を備える。吸気口には、フィルターとフィルターカバーが付属する。吹出口と吸気口はいずれも丸い網で覆われていて、一見スピーカーのようでもある。

本体前面のヒーター部には、セラミック熱源を採用している本体側面。丸みを帯びたデザインだ製品パッケージ。カラーはマットなブラックとホワイトの2色
本体背面には吸気口を備える。一見スピーカーのようだフィルターカバーおよびフィルターは、外して掃除機で手入れできる左がフィルターカバー、右がフィルター

 操作はシンプルで、本体上部の操作ボタンで行なう。操作ボタンは左右に2つ並び、左側の「POWER」ボタンでは、電源のON/OFFと運転の「強/弱」および「送風」の切り替えができる。右側の「TIMER」ボタンでは、「1/2/4H」の3段階のOFFタイマー設定が可能だ。

本体上面に操作ボタンを備える本体底面は楕円形電源コンセント

温風が上方にも広がる

電源を入れると、自動的に「強」運転/4時間のOFFタイマー設定で運転を開始

 さっそくAPH-110をソファの足元に設置して使ってみた。「POWER」ボタンを押すと、自動的に運転モードは「強」、OFFタイマー設定は4時間で、自動的に運転を開始した。

 約15秒ほどすると、吹き出し口から出てくる風が熱を帯び、足首から膝付近までポカポカとした温かな風が届いた。

 面白いと思ったのは、APH-110の温風が、本体の前方の一方向だけでなく、本体上方まで立ち上ってくるということ。APH-110の前に立っていると、温風が顔のほうまで届くのだ。おそらくこれは、吹出口が突き出した腹のように前に出っ張っているために、温風が拡散しやすいのだと思う。

 ほかの運転モードも試してみた。運転モードを「弱」に入れると、風の温かさがぐっと弱まる。さらに「送風」に切り換えると、涼しい風が吹いた。「送風」は、夏場にサーキュレーター代わりに使えば、体の火照りを抑えられるだろう。

 安全面では、倒れたり持ち上げたりすると、すぐに運転を停止する「転倒時自動OFF機能」を搭載している。足元に置いて使うことが多い製品だからこそ、この配慮が嬉しい。


持ち上げたり、転倒すると、自動的に運転を停止する「転倒時自動OFF機能」を搭載

脱衣所に設置すると、風呂上がりでも湯冷めしにくい

 家の各所にAPH-110を持ち運んで使ってみた。設置場所として一番気に入ったのが、脱衣所だ。以前、脱衣所で使っていたセラミックファンヒーターは、温風になるまで時間がかかった。そして、はじめの数十秒間は、出てくる風がスースーと冷たかった。

 APH-110では、スイッチを入れて約10秒ほどで温かい風が出る。さらに、上方まで温風が広がるため、温かい空気が体を包むように立ちのぼり、寒いからと言って焦って着替える必要もなくなった。

片手で持ち運べる軽さだ風呂場の前の脱衣所にピッタリだった

 自分の部屋では、特に冷えを感じるときに、エアコン暖房と併用して使った。「強」運転だと、座面の高いソファの上に足を乗せても、温風が届く。音楽を聴いたり映画を観ながらソファの上に胡坐をかいていても、足腰を温められる。

ソファの上に胡坐をかいても、足腰周りまで温風が届く

 コンパクトなので、トイレのような狭い空間にも設置できるし、人目に付くリビングに置いても、インテリア性を損なわないのが良い。ピアノの足元に置いても馴染むデザインだ。

コンパクトなので、トイレのような狭い空間にも設置できるリビングでもインテリア性を損なわないピアノの足元に置いても馴染む

 気になったのは付属の電源コードの長さだ。約1.6mと短めで、廊下などの電源の取れない場所には設置が難しい。もう少し電源コードが長ければ、より場所を問わずに持ち運んで使えたと思うと残念だ。

 ちなみに消費電力は、「強」運転時で1,200W、「弱」運転時で600W。数字だけ見ると決して低くはないが、楽器を練習するとき、脱衣所で着替えるとき、部屋で寒さを感じたときなど、限られた場面で使うことを考えれば、許容範囲ではないだろうか。

一緒に家中を移動できる、パーソナルな暖房器具

 冷え性で寒がりの私にとって、APH-110のようなパーソナルな暖房器具は、まさに救世主的な存在。同居中のほかの家族より体感温度が低いぶん、自分の身は自分で温めるしかないわけで、好きなときに好きな場所で温められるAPH-110は、心強い味方となっている。

 寒がりで冬場が辛いという方には、一緒に家中を移動できるような、自分専用の暖房器具を備えておくことをオススメする。






2012年1月11日 00:00