家電製品ミニレビュー

解凍上手! ひき肉も薄切り肉も、日立のオーブンレンジならオートで成功

 オーブンレンジでの調理は、センサーの検知能力と、熱源の温度コントロールが重要で、各社とも開発に力を入れている。日立の過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-TW1」は、食品の重さと表面温度を検知して火加減をコントロールするのが特徴だ。今回、1カ月お借りする機会を得たので、様々な調理に挑戦してみた。特に、解凍をはじめとするあたため機能が便利だったので紹介したい。

日立の過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-TW1」。庫内容量は30L
メーカー名日立アプライアンス
製品名過熱水蒸気オーブンレンジ ヘルシーシェフ
型番MRO-TW1
価格(編集部調べ)57,608円

あたため、解凍のメニューが豊富

 ヘルシーシェフ MRO-TW1は、食品の重さをはかる「トリプル重量センサー」と、食品の表面温度をはかる「センター赤外線センサー」の2つのセンサーを用いた「Wスキャン」を搭載している。このWスキャンにより、食品の重さと温度にあわせてオートで火加減をコントロールする。

 また、レンジ、オーブン、グリル、スチーム、過熱水蒸気の5つの加熱方法をメニューに応じて組み合わせ、自動で調理する「Wスキャン調理」も搭載している。

焼き網、2枚の黒皿が付属
スチーム機能などで使用する給水タンクは本体にセットされている

 本体の扉には、オートメニューの番号が記載されている。それをみると、「あたため」「解凍」だけで16のメニューが用意されている。まずは「あたため」「解凍」を使ってみた。

薄切り肉、ひき肉、刺身、魚丸身など、解凍用のメニューが豊富

 冷凍したごはんを2つ用意し、オートメニューあたための「ごはん」を選択した。すると、重さの違いによって加熱時間が変わった。ほかにも、ぬるめのお茶と冷たいお茶のあたためを試したところ、こちらも温度によって加熱時間が変化した。食品の量、温度に応じてオートで適温にあたためられるので簡単だ。

冷凍ごはん147g
食品の表面温度をはかる赤外線センサーは庫内天面の中央に配置されている。そのため、あたためる際は、食品を庫内中央に置く
冷凍ごはん147gは1分31秒であたためることができた
また、211gのときは2分と、加熱時間に違いが見られた

ひき肉も薄切り肉も上手に解凍

 解凍は、レンジとスチームを組み合わせて行なう。精肉の解凍のコツは、陶器の皿は使用せず、ラップを外して発泡スチロール製のトレーのまま解凍することだ。トレーがない場合は、オーブンシートかキッチンペーパーを敷いた上に凍った食材をそのままのせる。スチームを使うのでラップを外すことがポイントとなる。

 コツが必要なので、買ってすぐに直感的に使いこなすというよりは、一度取扱説明書をしっかり読んでおくと良いだろう。

スチームを使うので解凍の際は給水タンクに水を入れる

 ひき肉、鶏モモ肉(1枚)、薄切り肉の順で解凍を試してみた。どの肉も3日間冷凍保存したものだ。解凍方法は、庫内中央に置いて、オートメニューの「ひき肉」「鶏ブロック肉」「薄切り肉」を選んだ。

ひき肉
豚のひき肉(約200g)
解凍時間は5分21秒だった
解凍後は、すぐにほぐせる状態になった
鶏ブロック肉
鶏モモ肉は約240g。解凍時間は6分15秒
ドリップが出ていない状態
さすがに中はちょっと固いが、包丁でさっくり切れる状態なので、小分けにしやすい。また、少し凍った状態なので、脂肪も取り除きやすかった
薄切り肉
約100gの豚の薄切り肉。解凍時間は2分3秒だった。
解凍後、簡単にはがすことができた。ドリップも出ていない

 ひき肉や薄切り肉は、気をつけないと肉の端に火が通ってしまうなど解凍が難しい食材だ。それがオートで、しかも短時間でキレイに解凍できたので、感動した。ブロック肉の場合、中まで柔らかくはならなかったが、包丁を入れるとサクサク切れる状態に仕上がっていたので調理がしやすかった。

お菓子づくりや、離乳食に便利な“あたため(温度設定)”

 このほか、温度を設定してあたためるメニューもある。このメニューは離乳食など、ぬるめに仕上げたい時や、お菓子づくりなどでバターを柔らかくしたい時などに重宝する。

温度を20℃に設定してバターをあたためた
約80gのバターを、35秒ほどでやわらかくすることができた。温度設定は5℃刻みで-10℃から50℃の範囲で設定できる

 せっかくなので、柔らかくしたバターを使ってクッキーを焼いた。

クッキーは1段で調理する場合はオートで、2段の場合は温度と時間を自分で設定して焼く
3cmほどの型を使った場合、2段で96個焼くことができる

200℃の予熱がおよそ5分

 MRO-TW1は、予熱時と調理時でファンの回転方向を変え、どちらにも最適な熱風の流れを作り出している。これにより、予熱時間を短縮でき、焼きムラも低減できるのだという。

 そこで、スズキを1匹オーブンで焼く際、200℃の予熱時間を計ってみた。すると、約5分で200℃になった。また、オーブンで焼いたスズキは、表面をムラなくこんがり仕上げることができた

スズキをオーブンで焼いてみる。
200℃までの予熱時間は5分7秒と早かった。ちなみにこの日のキッチンの室温は18℃
皮がパリっとして美味しかった!
ローストビーフもオートで簡単

 塊肉を使うローストビーフなどは、火加減が難しい料理の1つ。MRO-TW1は、レンジ、過熱水蒸気、オーブンの「Wスキャン調理」によるオートメニューで、肉の外も中も最適に焼き上げるというので、試してみた。

約400gの牛の塊肉は、31分で調理完了。表面にしっかりと焼き目がつき、内部はピンク色に仕上がった。オートメニューでは仕上がりの火力を調整できる。写真は「中」なので、もっとレアな状態が良ければ「弱」を選ぶ

 肉の下ごしらえをして焼き網にのせ、オートメニューを選ぶだけなので簡単にローストビーフに挑戦できる。肉は上になっている部分も、下になっている部分もムラなく焦げ目がついていた。内部への火の通りも丁度よく、美味しかった。

庫内底部のテーブルプレートは洗える

 ローストビーフは焼き網を使うので、庫内底部のテーブルプレートに余分な脂などが落ちる。テーブルプレートは外して洗えるので、手入れがしやすい。

テーブルプレートはセラミック製で白い
力を入れなくてもサッとこするだけで汚れが落ちた

副菜と主菜を同時に作れるセットメニューも用意

 主菜1品と、副菜2品を同時に作れる「おかずセット」にも挑戦した。オーブンシートで入れ物を作り、そこに食材を配置する。焼き網を使い、下段に副菜の「かぼちゃのごまあえ」と「ほうれん草のソテー」、上段に主菜となる「鶏の照り焼き」をセットした。さらに、この日はセットとは別にもう1品、シンプルな茶碗蒸しも作った。

下段に「かぼちゃのごまあえ」と「ほうれん草のソテー」をセット
上段には「鶏の照り焼き」をセット。今回は4人分の材料で作った
オーブンシートで作った容器は、調理後捨てればよいので便利
鶏の照り焼きは皮にしっかり焼き色がつき、食欲をそそる
「茶碗蒸し」はスチーム、レンジ、オーブンの組み合わせたオートメニューで調理。表面がなめらかで、口当たりもよい

解凍やおかずづくりに重宝

 あたためや解凍といった、普段よく使う機能に加え、おかずづくりもオートでできるのでとても簡単だ。特に解凍は短時間でキレイに仕上がるので便利。それでいて10万円を切る価格帯なのも魅力だ。

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伊森 ちづる