家電製品ミニレビュー

くつろぎ時間からスッキリ起きたい朝まで、生活シーンに応じた4つの白色を演出するLED電球

 目覚めから眠りに着くまでの、毎日の暮らしのシーンに溶け込む明かりが簡単に演出できる、LED電球と専用スイッチを今回は合わせて紹介しよう。フィリップス ライティング ジャパン“Philips Hue”シリーズの、「ホワイトグラデーション シングルランプ(以下:ランプ)」と「Dimmerスイッチ(以下:スイッチ)」の組み合わせだ。

Philips Hue ホワイトグラデーション シングルランプ
Philips Hue Dimmerスイッチ
メーカー名フィリップス ライティング ジャパン
製品名Philips Hue
タイプホワイトグラデーション シングルランプDimmerスイッチ
実売価格4,062円3,414円

 最大の特徴は、ランプに専用のスイッチを組み合わせることで、4つの白色光が簡単に演出できるようになることだ。

 スイッチはワイヤレス式で配線の必要がなく、ランプを既存の器具に取り付けるだけで、光色の変更から1~100%の無段階調光まで自在にできるようになる。

スイッチ1つで4つの白色光が演出できる

 ランプの大きさは61×108mm(直径×高さ)で、重さは130g。ランプの口金はE26で、白熱電球のように口金に向かって細くなる形状をしている。

 光の広がりは、約160度(±20度)の広配光タイプなので、スタンドライトのような器具の雰囲気も十分に引き出す。

ランプの大きさは61×108mm(直径×高さ)。E26口金タイプ
160×110mm(同)の小型のペンダントにもバランス良く収まった
配光角度は約160度(±20度)の広配光タイプ。口金方向へも明るさが広がった
ランプを上向きにして、スタンドに取り付けた様子。下方へも光が拡がり器具の雰囲気を引き出している

 スイッチにはボタンが4つ。1番上が点灯と光色選択を兼ねたボタンで、2番目と3番目が調光ボタン。最下部のボタンを押せば消灯する。

 スイッチのサイズは、プレート込みで70×115×14mm(幅×奥行き×高さ)。重さは72gだ。スイッチはプレートから簡単に取り外してリモコンになる(35g)。プレートには両面テープ、磁石、ネジ穴とあり、好きな場所に取り付けられる。

スイッチには4つのボタンが組み込まれている
プレートの裏側には両面テープ、磁石、ネジ穴が施されており、好きな場所に取り付けられる
スイッチ部はリモコンとして取り外せる。一般的な壁面スイッチと並べても馴染むデザインだ
磁石があるので、冷蔵庫などの金属面にも簡単に取り付けられる

 ランプとスイッチを単体で購入した場合、使用する前に同期する必要がある。とは言え、同期作業はとても簡単だ。

 まずランプを器具に取り付けて点灯する。次にリモコンをランプに近づけて、ONボタンを10~15秒ほど押し続けるだけだ。同期中はホワイトグラデーションランプが点滅し、点滅が収まったら同期は完了。一度同期したランプは、元のスイッチを切ったり器具から外したりしても同期は解除されない。

 便利なのは、1つのスイッチにつき最大10個のランプが同期できる点だ。複数のランプを設置しても、スイッチ1つで全て同時に操作できる。

別々に購入した場合、ランプとスイッチの同期が必要だ。操作はONボタンを10~15秒ほど押し続けるだけと簡単

くつろぎ時間からスッキリ起きたい朝まで、多彩な光でシーンを演出

 今回は、我が家の約9畳のダイニングルームに、2個のランプを取り付けた。1個は直接光としてテーブルの上、もう1個は天井と壁面を照らす間接光として設置。

 使い方はとても簡単だ。ONスイッチを順に押すだけで、プリセットされた4つの白色光が小気味よく切り替わる。

ONスイッチで切り替え、調光している様子。スイッチのレスポンスは良好だ

 それぞれの光色の印象と色温度は以下の通り。

 1.明るさを抑えた「温かみのある光(2,200K)」
 2.明るい「電球色(2,700K)」
 3.さらに明るい「自然光に近い白色光(4,000K)」
 4.スッキリとした「青白い白色光(6,500K)」

ONスイッチにプリセットされた4つの光色と明るさ

 ONスイッチを押す度に、面白いように部屋の印象が大きく変わる。

 (1)は静かで落ち着いた雰囲気が演出できる。就寝前のゆったりと過ごす時間にピッタリな明かりだ。電球色の(2)は、食事や団欒に適した親しみのある明るさと雰囲気。

 (3)はニュートラルな白色光で最も明るい。勉強や手作業にも十分だろう。スッキリとした青白い(4)は、キリッと目覚めたい朝や、暑苦しい夏の夜にも良さそうだ。

明るさを抑えた「温かみのある光(2,200K)」は、夕食後の静かに過ごす明かりに最適だ
「電球色(2,700K)」は夕食や団欒に適した親しみのある雰囲気が演出できる
「自然光に近い白色光(4,000K)」は電球色よりも一段と明るくなる。賑やかなシーンにも良いだろう
「青白い白色光(6,500K)」は文字がスッキリと見えるので、読書や仕事にも利用できる

 また、(3)と(4)の白色光は外光とも相性が良いので、日中の補助光としても活用しやすかった。

薄曇りの日の昼間の様子
「白色光(4,000K)」は外光と相性が良い。自然な色合いで日中の明かりとして活用できる
夏の朝やスッキリ目覚めたい時、「青白い白色光(6,500K)」が効果的だ
外光が入る時の「電球色(2,700K)」はチグハグな印象を受けるかもしれない。だが、休日の朝のまどろみには悪くない印象だ

 プリセットされた明るさは、(2)~(4)は最大の明るさで点灯する。(1)のみ、あらかじめ明るさが抑えられて点灯するが、調光スイッチを操作すれば最大の明るさまで調節できる。

 約9畳の部屋に合計2個のランプしか取り付けていなくても、明るさに物足りなさは感じなかった。というのも、各光色最大の全光束値は、(1)400Lm、(2)570Lm、(3)800Lm、(4)480Lm。白熱電球でいうと30~60Wの明るさが備わっているからだ。

 演色性も印象が良かった。演色性を表す「演色評価数」はCRI80とされており、LED電球の中では標準的。照らされた物の色合いはくすんだような印象にはならず、食べ物や植物も自然な色合いに映った。

各色最大の明るさは、白熱電球30~60Wの明るさに相当する

 LED電球なので消費電力はもちろん低い。明るさを最大にしたそれぞれの消費電力を計測してみると、(1)6.4W、(2)8.2W、(3)8.6W、(4)5.9Wだった。もっとも明るい(3)で毎日12時間点灯しても、1カ月の電気代は1個につき約85円程度の試算となる。明るさを最も絞り込んだ時はどの光色でも1.4Wで、消灯時の待機電力は0.3Wだった。

 なお、ランプの定格寿命は25,000時間とされている。1日12時間の使用で、5~6年は使い続けられる。スイッチの電源はCR2450のボタン電池1個を使用し、電池のライフタイムは約3年(クリック数:約50,000回)となっている。

ほの暗い明るさまで調光できるので、常夜灯としても活用できるだろう

 LED電球の価格がより手頃になった中で、ホワイトグラデーションランプの価格はかなり高価と言わざるをえない。とは言うものの、昼夜を問わず、生活のリズムに合った明かりがスイッチ1つで自在に、簡単に演出できるLED電球として大いに魅力的だ。

 積極的にインテリアの明かりを楽しみたい方にこそ、ぜひ暮らしに取り入れてほしいLED電球としてお勧めしたい。

藤原 大蔵