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食事と勉強、シーンで灯りを切り替えられるLED電球

 パナソニックは生活シーンに応じて明るさや光色を切り替えられるLED電球「明るさ・光色切替えタイプ」4機種を6月20日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は4機種とも共通で5,000円前後(税抜)。

場所に応じて4機種をラインアップ
製品本体

 白熱電球60形相当(810lm)、E26口金のLED電球。1つの電球で2種類の明るさ、光色を切り替えられる点が特徴。パナソニックによると、LED電球は年間2,300万個を超える高い水準で需要があるものの、白熱電球からの置き換え率は28%とまだまだ拡大が見込める市場だという。

LED電球の需要動向は2,300万個を超える高い水準で推移しているものの、白熱電球からの置き換え率は未だ28%程度
特に既築住宅での置き換えが進んでいないという

 同社では、更なる置き換えを進めるために、様々な調査を実施。それによると、LED電球が使用されている場所ベスト3はリビング・ダイニング、廊下、浴室だったという。新製品では、これらの場所での灯りに対するニーズを調査し、廊下向け2機種、ダイニング向け、浴室向けの全4機種をラインナップする。いずれも明るさ/光色の切替は、壁スイッチや引き紐などを操作することで行ない、特別な工事や器具は必要ない。

LED電球の使用場所として多いのは、リビング・ダイニング、廊下、浴室の3カ所だった
用途に応じて明るさを切り替えられる。左からリビング向け(勉強のあかり)、廊下向け(普段のあかり)、浴室向け(爽やかなあかり)
灯りを切り替えた後。左からリビング向け(食事のあかり)、廊下向け(深夜のあかり)、浴室向け(くつろぎのあかり)

多目的ダイニングに対応

 ダイニング向けLED電球「LDA9-G/KU/DN/W」では、ダイニングで子供が勉強したり、仕事をする家庭が多いというニーズを踏まえ、色温度6,200Kで文字が読みやすい「勉強のあかり」と、色温度2,700Kで、Ra90の高い演色性の「食事のあかり」を1台で再現する。

食事だけでなく、仕事や勉強もダイニングでするという家族が増えているという
食事のあかり点灯時
勉強のあかり点灯時
CHIC INTERIOR PLANNINGの荒井詩万さん

 インテリアコーディネーターで、CHIC INTERIOR PLANNINGの荒井詩万さんは、「最近のダイニングは家族スタイルの変化から、多目的な場所に変わってきている。忙しい日常を過ごしているからこそ、自宅では1つの場所に家族が集まって過ごすという人が増えている。私の娘も、ダイニングで勉強しているが、食事などに最適な暖かい色味では、手元が陰になってしまって見にくいことも。1つの電球であかりが切り替えられるというのは魅力的」と話す。

シャワーとゆっくり入浴をあかりで切替え

 浴室向けの「LDA9-G/KU/YK/W」では、夏場やシャワー時に最適な色温度6,700Kの「爽やかなあかり」と、寒い冬や湯船でくつろぎたい時用の色温度2,000Kの「くつろぎのあかり」を用意。季節や気分に応じてあかりを切り替えることで、入浴時の楽しみが向上するとしている。

入浴時間は人それぞれ。そのときの気分によって変えるという人も
さっとシャワーだけで済ませたいときは「爽やかなあかり」
ゆっくり湯船につかりたいときは「くつろぎのあかり」

つけっぱなしでも年間電気代35円の「深夜のあかり」

 廊下向けの「LDA9-G/KU/RK/W」では電球色相当と、昼光色相当の2機種を揃える。明るさ810lmの「普段のあかり」と、常夜灯相当20lmの「深夜のあかり」を切り替えられる。特に高齢者は夜中にトイレに起きる回数が多くなるが、その際に「まぶしいから」という理由で廊下の電気をつけない人も多いという。深夜のあかりは、まぶしさを抑えて、周囲がほんのり見える程度の明るさを再現。消費電力0.5Wで、夜間毎日つけていた場合でも、年間電気代は約35円に抑えられるという。

深夜トイレに起きても、廊下のあかりをつけない人が多いという
60形相当の「普段のあかり」
深夜は常夜灯相当の「深夜のあかり」。まぶしさがなく、電気代も安いのでつけっぱなしで使える
LEDの配置を従来の一重から二重に変更。スイッチ操作により回路が切り替わり、点灯状態を変更する

 1台2役とするために、内部機構を従来より変更している。ダイニング向け、浴室向けでは、円状に配置されていたLEDを二重に配置。スイッチ操作により回路が切り替わり、点灯状態を変更する。廊下向けでは、LED配置は一重で、入力電力を回路で切り替えることで、2種類の明るさを制御している。

 なお、定格寿命や器具適合など、基本性能は従来製品と同等。明るい時の消費電力は9Wで、定格寿命は4万時間。密閉器具や屋外器具の使用にも対応している。また、光色にかかわらず、全ての機種で平均演色評価数は80Ra以上を確保している。

LED光源グループ グループ長 西浦義晴氏

 パナソニック エコソリューションズ社 ライティング事業部 ライティング機器ビジネスユニット LED光源グループ グループ長 西浦義晴氏は、「まさに1台2灯の新しいLED電球。LED電球は様々な用途で使われているので、ニーズに合わせて今後も技術を展開していきたい」と語った。

阿部 夏子