家電レビュー
ポータブル電源は夫婦も猫も日常使いでハッピーだから、万が一の出番はありませんように!!
2024年9月18日 09:00
年々気候が熱帯化しているようで、夏が暑いだけじゃなくて、昔はちょっと気温が下がって打ち水効果があった夕立も、今はゲリラ豪雨になって激しい雨が増えた。ちなみに私は10数年前、都内の一人暮らしのマンションでゲリラ豪雨による床上浸水を体験した。まさか自分の身にそんなことが起こるとは思ってもいなかったもので、かなりパニクってしまって意味分からない先に電話はかけるし、犬は溢れた水に喜んではしゃいで泳ぐしかなりカオスな光景だった。
そして、台風。今年も大型台風が日本列島にどんどん押し寄せている。地震大国だし、災害はいつでも自分の身に起こりうることだ。とはいえ、防災の重要性は理解しているものの、喉元過ぎれば……で、目先にリターンがない投資は「もったいない」とか「いずれまた」と、つい先送りしがちになっていた。
防災用品としては高価な部類で「あればいいな」と思うものの今まで手を出しづらかったアイテムがポータブル電源。「高い」「重い」「邪魔になる」「何を買って良いかわからない」、普段使わなかったら本当にいらないけれど、有事の際はめちゃくちゃ役に立つであろうポータブル電源。今では重要なライフラインのスマートフォンを充電できるし、温かい食事、暑さや寒さから身を守ってくれる。
「Jackery ポータブル電源 600 Plus」は女性でも無理なく持ち運べる
自然災害が多かった8月の夏の時期に「Jackery ポータブル電源 600 Plus」(以下、600 Plus)がある日々を過ごした。実際に災害時での出番はなかったのが幸いだったけれども、ヒヤヒヤしながらも安心感はあった。
女性の私が持つと「ちょっと重い」と感じるものの「重すぎて無理」とはならない約7.3kgの軽量コンパクトサイズ。そして、個人的にちょっと心躍ったのはポータブル電源らしくない限定色「サンドゴールド」である。ポータブル電源にかわいさとか求めても仕方ないのだけれど、結構ゴツゴツと強そうな本体は普段使いには部屋に馴染まないし、何となく邪魔だと感じてしまっていた。
それがカラーが異なるだけで、ちょっとしたインテリアのような感じでしっくり馴染んで我が家の一員になったように感じる不思議。長く使う相棒だもの、これ、案外大事な要素な気がする。
容量632Whでこんなにコンパクトだけれども、スマートフォン(20W)なら約24回フル充電できる。LED電球(5W)は50時間点灯続けられるし、小型炊飯器を使っても1時間運転可能。そう、米が炊けるぞ! 小容量モデルは最高電圧も低いので、充電が中心で使える電化製品はかなり限られる。でも、600 Plusなら消費電力800W以下の家電を動かすことができるのだ!! さらに、デュアルPD高速充電対応だから、スマホとパソコンの同時充電までも可能なのであーる。なので、防災だけじゃなくて、キャンプやアウトドアにもピッタリ。持ち運びやすく使えるものも多い「(か弱きと書きたいが自粛)私にピッタリ」なモデルだ!
もちろんアウトドアにもピッタリ! しかし、とにかく暑い。猛暑続きでキャンプはちょっと苦痛な私。でも「夏のアウトドアを楽しみたい!」と考え、ゴソゴソと準備を始める。場所は自宅のベランダ。インドアから半歩出た先アウトドアという美味しいとこどりで夏を満喫しよう!
自宅ビアガーデンを満喫しよう!! e-bikeでも試してみよう
「じゃじゃーん! 今夜はビアガーデンでーす!」と得意げに夫をベランダに招待する私。目の前には小型の電気フライヤー(450W)、「野球観戦する? Netflix見る?」とタブレットも用意。そして、気分を盛り上げるためにUSB接続のビアバーLEDライトも設置しちゃった! 楽しすぎる!!
電気フライヤーの電源を入れると「消費電力すごい! どんどん充電なくなる!」と、短時間で終了かと思われたけれど、油が温まってからはあまり電力を消費することもなく余裕で数時間稼働可能だった。また、電気を使わないポンプ式のビアサーバーがビアガーデンを一段と盛り上げてくれる。
「お客様お暑いですか?」とサーキュレーターを途中で追加してあげた。AC出力ポート×2、USB Type-C出力ポート×2、USB-A出力ポート×1が搭載されいるので、これだけ同時に使えて快適!
そして、USB Type-Cの出力ポートが多いのを見て、規格の主流が移行したんだなと時代を感じた。確かに私が持つスマホもタブレットもイヤホンも全部USB Type-Cだし。暗くなってきてランタンでも出さなきゃいけないかなと思ったけれど、ビアバー看板のLEDライトが結構明るい。そして、もっと明かりが欲しい時はスイッチ1つで点灯できる電源付属のLEDライトがめちゃくちゃ明るい! ランタンとかまったくもって不要だった。
外飲みは本当に楽しいし美味しさも倍増! 600 Plusさえあればこんなに快適に簡単にベランダパーティーができると分かったので、結構癖になりそうである。
アウトドアといえば、我が家はキャンプよりもe-bikeにもっぱらハマっている、そんな私たちにのe-bike旅のお供にも最適。十分な容量がありながら結構気軽に持ち運べるコンパクトモデルなので、バッテリーを取り外すより、ポータブル電源を持ち出したほうがラクだと気付き、バッテリーを車体に付けたまま充電したりしているし、e-bikeとポータブル電源と共に旅行も! 1週間程度の自転車旅もバッテリー切れを心配することなく思い切り快適に過ごせる容量なのである。
日常でもどんどん活用してみよう!! 特に猫が嬉しいのかも
防災のためのアイテムではあるけれども、そんな出番がないことを願いつつこれは日常でもどんどん活用すべきだ! 600 Plusはパススルー機能で充電しながらでも電力を出力できる。普通のことを言っているかもしれないけれど、手持ちのモバイルバッテリーなど、充電中は電気機器を充電できないものが多いのではないだろうか。これが同時にできてしまうパススルー機能は便利だ。
通常、パススルー機能はバッテリーに負荷がかかるため、常時続けているとポータブル電源の寿命が縮められる可能性があるのだけれど、このモデルはバッテリーが劣化しないように設計されている。充電しながら利用してもポータブル電源の寿命に影響がないのが嬉しい。
我が家では愛猫のウォーターボウル(給水機)の横にひとまずセッティング。夏場は特に水の鮮度が気になるため、常に水を新鮮な状態にできるようにポンプ式で水が回るウォーターボウルを使用し、そしてポータブル電源はいつでも満タンに。という狙い。猫のいたずら防止も考慮されているウォーターボウルは電源ケーブルが短めなのでジャストな感じの定位置なのである。しかも、サンドゴールドのオシャレさがマッチしていて見た目も良い。
水が回っていなくても通常のウォーターボウルとしては使えるので、アウトドアなどで使う場合は、定位置から満充電のポータブル電源を持ち出し、使っていないアイドルタイムでは水をキレイに保ってもらうようにした。
ただ、水入れの消費電力はほぼゼロなので、12時間もすると賢い600 Plusは「使ってないな」と判断して自動でバッテリーがオフになる。賢いのだけれど止まってほしくない。そんな場合も大丈夫。Jackeryのポータブル電源はアプリから設定や操作が行なえるので、「歯車設定アイコン→自動オフ機能→しない」とすると、途中で停止することもない。
パススルー機能に加えて、UPS機能(無停電電源機能)を存分に発揮したいなら、冷蔵庫などに繋いでおくとより効果的で安心だ。普段は蓄電を行ないながら電力を供給し、停電などの緊急時は20ミリ秒(0.02秒)未満でバッテリーからの電源供給に切り替えられる。
使用の冷蔵庫の消費電力にもよるが2時間ほど冷蔵庫を止めずに稼働させ続けることができる。災害によっては数時間で回復しない場合もあるが、落雷などによる局地的な停電の場合は比較的復旧が早いので、冷蔵庫を止めずに庫内の食材も傷めずに難を逃れることができる。そして、その停電が夜間で真っ暗になってしまったとしても、ポータブル電源が定位置にあることで、ひとまず明るいLEDの灯りをすぐに確保できるのはちょっと安心な要素ではないだろうか。
最新の防災アイテムにアナログ的な対策でより安心!?
アウトドアでも日常生活でも大活躍のポータブル電源。日常で使いながらいざという時に備える。長寿命のリン酸鉄リチウムイオン電池が搭載されているため、毎日毎日使っても10年使える。
価格が気になるかもしれないけれど、長期で考えると決して高くはない備えではないだろうか。そして、いざという時のために、私がオススメするのは、ポータブルバッテリーの後ろに「防災メモ」を貼っておくことである。
常時だったら当たり前にできることも非常時は難しいことも多い。緊急時連絡方法や緊急連絡先、避難時の持ち出しリストや避難所までの地図などあれば、なお良いだろう。いざという時に慌てないための仕組みづくりは何もない平常時にやっておくことにした。
大容量で長寿命のポータブル電源なので、透明袋に入れて避難時にあると便利なものを貼っておくのも良い。保険証や免許証のコピーなども入れておくと役立つときはくるかもしれない。いざという時にたまたま現金の持ち合わせがないかもしれない。千円札を数枚だけ入れておくと助かるかもと考えた。絶対に遭遇したくない「いざという時」だけれど、そんな場合にも真価を発揮してくれる心強い味方を、日常生活に馴染ませながら使っていく、そんなポータブル電源のある生活は楽しみと心に余裕を与えてくれるものだなと思うのでありました。