家電レビュー
バイク用の超シンプルなナビを試す! 自転車で使っても新発見があって楽しい♪
2023年3月15日 08:05
ユニークなナビゲーションデバイス「Beeline Moto」を使ってみました。モーターサイクル用のナビですが、一般的なナビと違い、進む方向や曲がり角など道案内に必要な情報しか表示しないという非常にシンプルなナビです。
えっ? それだけ? ちゃんとナビしてくれるの、それだけで!? 自転車用のナビならそういう感じのはあったかもしれないけど……モーターサイクルでも大丈夫? というのが筆者の最初の印象です。
そんな少々の疑問とともに試用してみましたが、結果オーライ。画面に地図が出るナビとは使い勝手が違うものの、ナビ自体はちゃんと機能してくれました。また、このBeeline Moto独特の楽しさもありました。
ちなみに、このBeeline Motoは、「Beeline Velo」という同様の自転車用ナビデバイスからの派生製品だそうです。Beeline Veloはそのシンプルさから人気となり、現在は後継機種の「Beeline Velo 2」が発売されています。
ともあれ、以下にBeeline Motoの使い方や使用感などをレビューしてみたいと思います。なお、Beeline Motoは色・素材違いで何種類かあり、正規代理店直販価格は27,500円~38,500円。今回試用したのはガンメタルグレイというタイプで33,000円の製品です。
Beeline Moto、どうやって使うの?
まずBeeline Motoの使い方を少々。以下のようなものがパッケージに含まれています。
最初にスマートフォンに専用アプリ「Beeline Bike Navigation」(Android/iOS/iPadOS対応)を使ってBeeline Motoとスマートフォンをペアリングします。その後、ルートを検索すればすぐにナビを利用することができます。
Beeline Motoのモーターサイクルへの取り付けですが、付属の取り付けブラケット×2種類のどちらかを使います(別売・別種の取り付けブラケットも利用できます)。ここではもっとも簡単に取り付けられるラバーOリング式のブラケットを使いました。
スマートフォンとペアリングして使用可能したBeeline Moto本体を、モーターサイクルに装着すれば準備完了。なお、ペアリング後のBeeline Motoには以下のような表示がなされます。
なお、Beeline Motoの内蔵電池持続時間は、バックライトなしで約30時間、バックライトありで約10時間となっています。電池切れからは約1時間で満充電にできます。
実際にナビさせてみると……
Beeline Motoをモーターサイクルに装着し、実際にナビさせてみました。まずはスマートフォンアプリを使ってのルート設定です。
上のスクリーンショットの1枚目と2枚目の下部に「高速」「楽しい」とありますが、「高速」にすると文字どおり短時間で目的地に到達できるルートが示されます。一方、「楽しい」を選ぶと、交通量の少ない道など走っていてより楽しめるルートが示されるようです。
ルート設定が済んだら「Go」をタップすればナビが開始されます。ナビはBeeline Moto本体で行なわれますが、スマートフォン上でアプリを表示しておけば地図入りナビとしても参照できます。
ナビが始まると、Beeline Moto本体画面上に下の写真のような表示がなされます。大きな「△」のような図形が進むべき方向、「4.6km」とあるのが次の曲がり角までの距離で「●」が次に曲がる方向です。ほか、曲がり角までのルート進捗も示されています。
では実際にBeeline Motoにナビをさせてみましょう。ここでは入間市駅を出発して青梅駅を目的地としてみました。
このルートは地元の道ですが、「山根通りを選ぶとは、なるほど“楽しい”かもしれない」と思いました。実はこの道とは別に、モーターサイクルで走ってさらに気分がいいであろう「茶どころ通り」もありますが、それは選ばれませんでした。ともあれ、この山根通りを使い、入間市駅から青梅駅まで、Beeline Motoをナビとして走ってみることにします。
最初はBeeline Motoの表示に少し戸惑うこともありましたが、表示と実際の道の状況を照らし合わせると「あぁそういうコトか」とすぐ理解できます。シンプルな表示ですが必要な情報はしっかり得られるので、十分にモーターサイクルのナビを任せられました。
自転車でも試してみた!
このBeeline Moto、メーカーによると自転車でも使えるそうです。ということで自転車(e-bike)でBeeline Motoによるナビを試してみました。
自転車のルートが2つ提示されました。このあたりは地元なのでよくわかりますが、「高速」については「ですよね、そこがいちばん手っ取り早いですよね」と思いました。ただ、この「高速」のルートは、直線的である程度スピードが出せて迷わないのはいいんですが、交通量が少なくなく、自転車が待避できる箇所も少なめ。自転車であまり走りたいと思わないルートです。
一方の「バランスのとれた」というルートは、途中まで「自転車であまり走りたくないルート」ではあるものの、そこからは裏道へと回り込んで住宅街を走るようです。地元民としては「確かにそのあたり空いてそうで自転車で走りやすそうだけど……そんな道わざわざ行く? 裏道でももう少しまっすぐな道なかったっけ?」などと思ったりしました。
ともあれナビさせてみましょう。もちろん「バランスのとれた」というルートを選びました。どんな道でしょう?
正直なところ「こんな裏道を通ってこのホームセンターに来たのは初めて!」です。前述の「自転車であまり走りたくないルート」よりも自転車で走りやすいルートはあるのですが、Beeline Motoはそれよりずっと走りやすいルートを提示してくれました。なかなかヤルな、Beeline Moto。
Beeline Motoを使って思うに、モーターサイクルや自転車で使ってみると「楽しい」や「バランスのとれた」というルートは新鮮で愉快です。普通のナビだと案内しそうにないマイナーなルートを選ぶことが多いようで、そういう道を走ると「あーこんなルートがあるんだー」と楽しめます。
また、Beeline Moto本体だけの(少なめの情報量での)ナビも、わりと実用的だなと思いました。何度かナビを試したところ、走り方によっては逆方向に行ってしまうこともありますが、そのときは自動的にリルートしてくれます。また複雑な交差点では違う道に入ってしまうこともあり、そこでもリルートしてくれるんですが、そんなときに「あーこっちに行くと道がこうつながるのか」という発見があったりします。
いつもとは違う道を案内してくれがちなBeeline Moto。のんびり気楽にツーリングをしつつ、これまでのルートとは少々違う道を案内してくれて、ちょっと新発見をもたらしてくれるあたりが楽しい。場所によっては迷うこともあると思いますが、迷ったことで思いも寄らない楽しさがもたらされたりするのは、Beeline Motoの美点かもしれません。
Beeline Moto本体は小さく、ハンドル周辺がゴテゴテしないのもいいですね。またマウントへの着脱が容易で、配線も不要。車体から離れるときはサッと取り外せるのが便利。電池もよく保つので、モーターサイクルや自転車でときどき使うナビとしてはいろいろ好都合です。
ただ、ナビに効率を求めると、Beeline Motoはちょっと使いにくい。画面上にマップが表示される普通のナビとは違い、Beeline Motoの表示と現実の場面を見比べつつ進むべき方向を判断しないといけないので、案外いろいろ考えさせられますし、ある程度の慣れも必要です。
また、ある程度慣れても、複雑な交差点や道の本数が多い場所では正しいルートを辿れなかったりします。普通のナビの場合は画面表示を信じて進めばだいたいOKですが、Beeline Motoだとそういう「わかりやすさ」や「効率」はあまり期待できません。まあ、Beeline Motoでも、複雑な道を通る時はスマートフォンをタンクバッグかなにかに装着し、専用アプリの地図表示ナビに従えばいいんですけどね。
といった感じのBeeline Moto。クルマでは使いにくいだろうなと思いますが、小回りの効くモーターサイクルや自転車とはなかなか好相性だと感じられました。興味のある方はぜひジックリとチェックしてみてください。