家電レビュー

清潔に使える工夫が満載! ダイニチの加湿器はズボラ派も安心

ダイニチの「ハイブリッド式加湿器LXタイプ HD-LX1022」

近年の新型コロナウイルスの流行もあり、ここ数年、加湿器が売れている。読者の中にも、加湿器を新調した人が多いのではないだろうか。

そんな加湿器だが、冬になって使い始める前に、隅々までしっかりと洗浄しただろうか? 中には、収納スペースから本体を出して、そのままタンクに水を入れて使い始めた……という人もいるのではないだろうか。

加湿器は、その名の通り、室内の湿度を上げるのに使う製品。簡単に言えば加湿器本体に注水した水を、スチーム式や気化式、超音波式などの方式で、室内に放出している。キレイな水を放出すれば問題ないが、汚れた水を放出すれば、健康に悪影響を起こしかねない。

実際に厚生労働省は、施設などで加湿器などを感染源とした細菌感染症のレジオネラ症の感染事例があるとしている。

タンクに水を入れて電源をオンにすれば、簡単に使い始められる加湿器だが、実は、シーズン前後やシーズン中の定期的なメンテナンスが、最も重要なのだ。

そこで、加湿器の中でも人気を誇る、ダイニチの「ハイブリッド式加湿器LXタイプ HD-LX1022(以下:LXタイプ)」を使ってみた。同機を選んだ理由は、清潔性を手軽に維持できそうだからだ。どれだけメンテナンスがしやすいか、さっそく試した。実売価格は30,000円前後。

気化式と温風式気化式のハイブリッド方式

LXタイプを部屋に置くと、予想外に大きく見えたが、シンプルで洗練されたデザインが部屋に馴染みやすい。タンク容量は7Lで、最大の加湿量は毎時間960ml。適用畳数がプレハブ洋室27畳までなので、やはり我が家にはオーバースペック。本来であれば、広い一戸建てのリビングやオフィスでの利用が適当だろう。なお、同じLXタイプの「HD-LX1222」は、適用畳数が33畳までなので、さらにパワフルに加湿できる。

これらLXタイプを「ハイブリッド式」と呼称しているのは、水を含んだ「フィルター」に「風または温風をあてて」加湿する方式だからだ。

単に水を含ませたフィルターから、気化していくのを待つだけでなく、ファンで発生させた風をあてる。しかも、ファンとフィルターの間にヒーターを搭載し、温風をあてることで、気化を促進させるイメージだ。

水が熱くならず、急速に加湿できる気化式×温風気化式のハイブリッド式のイメージ

毎シーズンごとに買い換える、気化フィルター

前述した清潔性を高める工夫については、水と風の通り道に菌を発生または増殖させない仕組みを、随所に設けている。

随所に設けられた、菌を発生または増殖させない仕組み

まずは水タンクのキャップ部分には、「Ag+抗菌アタッチメントEX」を搭載する。タンクからトレイに水が流れていく際に、同時に抗菌成分が溶出して、タンクやトレイ内で雑菌が繁殖するのを抑える。

水タンクのキャップ部分
キャップを外すと、水に触れる部分に薬剤のようなものが入っている。これが、タンクの水の中に溶出していって、雑菌が繁殖するのを抑えるようだ

そのトレイには、気化フィルターに吸い上げられるのを待つ水が、一時的に溜まっている。そのトレイ自体に、抗菌加工が施されているため、ここでも雑菌の繁殖を抑えられる。

そのうえで、「カンタン取替えトレイカバー」が用意されているので、汚れが目立ってきたら、このトレイカバーを取り出して交換すればキレイになる。シーズンごとに取り替えれば、毎回、新品同様に清潔な状態で使い始められるのだ。

本体からトレイを引き出したところ。トレイの底面にフィットするよう作られた「カンタン取替えトレイカバー」は、汚れが目立ったら手軽に取り替えられる

トレイに溜まった水を吸い上げる気化フィルターも、抗菌加工の施された「抗菌気化フィルター」が同梱する。

同フィルターは、1カ月に1回のクエン酸洗浄と2週間に1回程度の水洗いが推奨されている。そんな“修業”とも言えるメンテナンスを行なうと、5シーズンも使えるという。ダイニチでは1シーズンを6カ月としているので、最大2年半使えるということ。

抗菌加工された蛇腹の気化フィルター。同フィルターが吸い上げた水が、風にあてられて気化していく

だが多くの人は、ここまで読んだ時点で「そんなメンテナンス、無理でしょ!」と思ったはず。もちろん、ズボラさでは誰にも負けない筆者は、書いただけでうんざり気味だ。

ダイニチも「これは普通の人には無理ですよね」と思ったようで、水洗いもクエン酸洗浄も不要な「カンタン取替えフィルター」を用意している。ポイントは、使い捨てだということ。3カ月に1回、フィルターを新しいものに交換するのだ。そして、このフィルターが、2個入りで3,300円。もちろん、前述の通り1カ月に1回のメンテナンスをするか、フィルターごと取り替えるかは任意。ただし、メンテナンスまたは取り替えれば、より安全に使い続けられる。

花粉対策にも加湿器が役立つ!?

新型コロナウイルスをはじめ、毎年のインフルエンザの流行時にも、予防策の一つとして挙げられるのが加湿器。そんな加湿器は、これからの季節に本格化する花粉対策としても有効だという。

つまりは、室内の適切な湿度管理が、健康に直結するということだろう。特に筆者は乾燥に弱く、乾燥する土地へ行くとすぐに鼻の中がカッサカサになりつつ、体調を崩す傾向にある。

特に広い家に住み、乾燥しやすい家に住んでいる人には、加湿能力が高く、その上で清潔性を保つ様々な工夫が施されている、ダイニチの「ハイブリッド式加湿器LXタイプ HD-LX1022」は、間違いのない選択といえる。

河原塚 英信