家電レビュー

こんなに温かい?! ティファールの加湿器は加熱スチームで寒くならなかった

ティファール「加熱超音波式加湿器 スチーム アンド ミスト 4L」(品番:HD3040J0)

寒い仕事場に加湿器を導入したいと考えている筆者。仕事場では、最小限の暖房と厚着とカイロで暖を取りつつデスクワークをしています。

足元ストーブとハクキンカイロで毎年冬を乗り切っている感じ。仕事場は8畳ほどでエアコンもガスストーブも一応使えますが、筆者一人のために部屋全体を暖かくするのは……なんて思って、自分だけそこそこ温まればいいかな、と。

ちなみにハクキンカイロですが、これはベンジンの気化ガスのプラチナ触媒反応で熱を得るしくみのカイロです。わずか25ccのべンジンで最大約24時間熱を発します。

しかも使い捨てカイロの約13倍も温かく(直接触ると熱いほど!)、氷点下40℃でも使えるそう。熱以外に出るのはわずかな炭酸ガスと水。もちろん繰り返し使えます。100年前からある製品ですが、エコ時代の現代にもピッタリのカイロです。

このハクキンカイロを、フード付きの部屋着の左右ポケットにそれぞれ1個入れ、フードに1個入れています。フードを背中に垂らしておくと、カイロがちょうど肩甲骨の間に当たって温かい。ポケットのカイロはお腹あたりを温めますが、たまに握って冷えた手を温めています。

仕事場の暖房その1。400Wの足元ストーブです。これを200Wくらいで使っています
仕事場の暖房その2。知る人ぞ知る「ハクキンカイロ」ですが、これを3個使って体を温めています

……あ、デスクワークオジサンのエコ暖房の話はもうけっこうですか? 失礼しました!

さて、こんな感じで暖をとりつつ仕事をしている筆者ですが、ひとつ問題が。部屋の空気の乾燥です。冬は湿度20%とかになって、空気がかなり乾燥してしまいます。

結果、喉がイガイガ。冬だけに出る“乾燥からくる咳”がよく出ます。

また、低湿度だと体感温度が下がるそう。確かにリビングなどある程度加湿されている部屋に移ると、同じ室温でもずっと暖かく感じられます。

ということで、この寒い仕事場に加湿器を導入したいと考えています。そこで目についたのがティファールのハイブリッド加湿器である「加熱超音波式加湿器 スチーム アンド ミスト 4L」。加熱式と超音波式を組み合わせたもので、出てくるスチームが温かいのだそう。

ティファール「加熱超音波式加湿器 スチーム アンド ミスト 4L」は、水を加熱してから超音波によりスチームとして吐出するハイブリッド加湿器。温かいたっぷりのミストが出るそうです

この加湿器から出てくるのは、一般的な超音波加湿器とは違う“温かいミスト”です。超音波式なので、スイッチオンでミストがすぐ出てくる。そのミストが温かい。

寒い仕事場の室温をこれ以上下げず、必要に応じてすぐにシッカリと加湿できそう。筆者の仕事場にぴったりという気がしましたので、実機をお借りして試用してみました。

1分で温かいミストがたっぷり出る

スチーム アンド ミストを使い始めてすぐ、驚きました。「えっ、こんなに?」と独り言を言ったほどです。

というのは、本体に注水して電源を入れて稼働を開始すると、すぐに大量のミストが出始めました。「さすが超音波加湿器」とは思いましたが、まあほかの超音波加湿器もこのくらいはミストが出ると思います。

電源を入れて「いいなー大量ミスト」などと面白がっていたんですが、「そうだこのミスト温かいんだっけ?」と思い、吹き出すミストに手をかざしてみたら……「あっ温かい! えっこんなに温かいんだ!」と驚きました。

電源を入れるとすぐにたっぷりのミストが出てきます
吹き出し口付近に手をかざすと、確かに温かい

電源を入れた後、1分以内に温かいミストとスチームが出始めるそうです。ちなみにミスト・スチーム吹き出し口付近に手を近付けてみると、やや熱いくらい。40~50℃といった感じでしょうか。これならミストによって部屋の温度が下がることはなさそうです。

なお、温かい蒸気だからか、真上に立ち上るという感じです。一般的な超音波加湿器から出るミストは温度が高くないので、横方向に落ちていくように出がちですが、本機の場合は湯気のように真上に上がっていきます。

テーブルの上に本機を置いて使うと、蒸気が立ち上って天井付近まで到達しているようです

ちなみに稼働時には水が沸騰するような音が少しします。お湯が沸くブクブク音ですが、高音成分が少ない音です。耳障りな音ではありませんが、顔から40cmくらいの位置に加湿器を設置した場合は気になるかもしれません。

なお、この音は「おやすみモード」にすると抑えられます。おやすみモードでは水を加熱するヒーターが停止するためです。

操作は簡単、タイマー運転やチャイルドロックも

順番が前後しますが、ティファール「加熱超音波式加湿器 スチーム アンド ミスト 4L」の概要を見ていきましょう。

加湿器としての適用床面積は7畳/11畳(木造/プレハブ)で、加湿量は最大400ml/時。タンク容量は4Lなので、一度の給水で最大10時間以上の連続運転が可能。2023年1月後半時点での実売価格は16,000円前後です。

定格消費電力は225W。他社の加熱式加湿器が300~500Wなので、それらと比べれば低めなのもポイントです。

本体サイズは約21×21×35cm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1.8kg。電源コードの長さは約1.2m。定格消費電力は225W

加湿方式としては、前述のとおり加熱式と超音波式を組み合わせたハイブリッド式です。水を加熱したうえで超音波でミストとして放出して加湿。超音波式のスピーディーな加湿と、加熱式のメリットである「室温を下げない」「雑菌が繁殖しにくい」といった要素を“いいとこ取り”した加湿器となっています。

操作系はシンプルながらも、必要十分な機能を備えています。基本的には電源を入れて「おまかせモード」で運転すれば、室内の湿度を適切に保ってくれます。オフタイマーは、2/4/6/8時間で設定可能。

操作ボタン類は前面に集まっています。左から、電源オンオフ、オフタイマー設定、チャイルドロック、おまかせモード運転、おやすみモード運転、手動での加湿度合い設定。迷うことなく操作できます
本体後方にはアロマボックスがあり、ここに水溶性アロマを2~3滴たらすことで、加湿しながらアロマの香りを部屋に広げることができます

本体への給水も容易です。本体上部が水タンクになっていてフタを開かずとも給水できます。水タンクを外して蛇口の下に置いて手軽に給水できるというわけです。

水タンクの上部へ直接給水できるので、ヤカンなどを本機の場所へ持っていて給水することもできます。また4Lの満給水で最大10時間以上の連続運転が可能なので、給水の頻度があまり高くならないのもラクですね。

水タンクを蛇口の下に置いてそのまま(フタを開けずに)給水できます。フタを開けての給水も可能です

という感じで、筆者の寒い仕事場に導入するのに好都合という印象になりました。しばらく使い続けていたら明らかに喉の調子がよくなりましたし、体感温度も少し上がったような気がします。

加熱式なので雑菌の繁殖が少なく、フィルターもないので手入れはラク。ですが超音波振動子やヒーターにカルキは付着するので、定期的に手入れはしましょう。

また、超音波加湿器のデメリットである「周囲のモノにミスト化した水道水のミネラル分が付着する」ということもあり得ます。モノの表面にうっすら白い微粒子が付着するという現象。ギターやピアノ、あるいはフィルム類など光沢のあるモノだととくに目立ちます。

「そうなっては困るモノ」は事前に別の部屋で保管するなどしたほうがいいかもしれません。とは言っても、短期間で起きたりする現象でもありませんので、さほど神経質にならなくてもいいのかもしれません。

電源オンですぐたっぷりのミストが出て、1分以内に温かいミストとスチームが出てきて、部屋の温度を下げないスチーム アンド ミスト。寒い冬を快適に乗り切りたいという方は、じっくりとチェックしてみてください。

スタパ齋藤