家電レビュー

イヤな湿気を防いで涼しい! シャープ「コンパクトクール」で部屋が爽やか空間に

シャープ「冷風・衣類乾燥除湿機 CM-N100」。

アーッ!!! またカビーッ!!! 玄関スペースにカビが生えてるーッ!!! てな感じで拙宅玄関スペースには毎年のようにカビが生えるのでした。梅雨から夏にかけて特に湿度が高いスペースで、通気も良くないんですよね~。

お目汚しですが、例えばこんなカビが生えがちです。こちらはトレッキングポールの握りです

玄関スペースにあるこういった「手に触れるモノ」はたいていカビちゃうのでした。ほかにも、バッグ、靴、サドル、さらには建具にもカビが。毎年何度もこういうカビをアルコール消毒して拭き拭き。長年続くカビとの戦い(!?)です。ほかの部屋ではこんなふうにカビは生えない。やはり玄関でカビ胞子が入りやすい場所でありつつ、湿度が高いと……なのだと思います。

そこで今年は玄関スペースの湿気問題を解消すべく、除湿機を購入して使い始めました。選んだのはシャープのコンパクトクールシリーズ「冷風・衣類乾燥除湿機 CM-N100」。4月15日発売の新製品で、ネット通販にて38,000円で購入しました。

シャープ「冷風・衣類乾燥除湿機 CM-N100」は、冷風機能もある衣類乾燥除湿機。部屋の除湿や部屋干し洗濯物の乾燥、さらには冷風(室温との差が約-10℃の除湿された冷気)を浴びるためにも使えます

この機種を選んだ理由は、プラズマクラスター対応であること、それから冷風も出ること、あと連続排水ができる点もちょっとした後押しになりました。衣類乾燥除湿機としてけっこう多機能であり、利用範囲も広そうだな、と。

プラズマクラスターの放出でカビ菌を撃退、風呂上がりに冷風、そして背面にホースを接続して連続排水すれば「特定箇所の徹底した除湿」の時でも水捨ての手間を省略可能、といったあたりで選びました

機能を省いていけばもっと安価な機種もあったんですが、「カビ抑制効果が実証されたそうだからプラズマクラスター対応機種がいい」「1年中出しっぱなしにするだろうからなるべくコンパクトな(フットプリントが狭い)除湿機がいい」ということに加え、「脱衣所で冷風とか浴びて涼んでみた~い!」という欲望まで含めて、この機種に。ともあれ、シャープ「冷風・衣類乾燥除湿機 CM-N100」(以下CM-N100)のレビューをお届けします。

冷風・衣類乾燥・除湿・消臭の1台4役プラズマクラスター除湿機

まずCM-N100の概要から。冷風放出、衣類乾燥、除湿、消臭が可能なプラズマクラスター除湿機です。定格除湿能力(50Hz/60Hz)は1日で9L/10L。除湿可能面積の目安(木造住宅~コンクリート住宅)は50Hz地域が11~23畳(19~38m2)、60Hz地域が13~25畳(21~42m2)となっています。サイズは315×235×575mm(幅×奥行き×高さ)で重さは約12.5kgです。

本体を各方向から見た様子。左右側面に吸込口があり、背面上部には冷風運転時の背面吹出口(温風放出口)です。本体左右側面上部の取っ手で持ち上げられます。背面中央に見える丸いモノは連続排水穴のゴムキャップ。この位置にホースをつなげば連続排水を行なえます
冷風放出、衣類乾燥、除湿、消臭に対応。気になる冷風機能は、料理中のキッチンや帰宅後のクールダウンを想定。空気を入れ替えながらの冷風放出や、吹き抜けやロフトなど熱気がこもりやすい場所での使用にも向きます
背面にホースをつなげば連続排水ができ、タンクを取り出しての水捨てが不要になります。ホースは市販品を使用し、ホース内径15mm(外径21mmまで)が適合します
設置面積は315×235mm。運転時は周囲にある程度の空間が必要ですが、わりとスリムな本体なので省スペースで設置できるという印象です
フィルター部には「ホコリブロックプレフィルター」が装着されており、約240μmのフィルターにより大きなホコリをブロックします
排水タンクは本体に向かって右側。ハンドル付きです
操作部。やや複雑に見えますが、基本機能を理解すればスムーズに操作できます
風が吹き出すルーバーは自動動作でスイングします。スイングを止めることも可能。ルーバーが開く幅を「広い」「狭い」の2段階で調整することができます
ルーバーが開く幅を調整することで、目的に応じた効率的な送風を行なえます

1~2分で冷風放出、しっかり除湿・衣類乾燥、運転音はやや大きめ!?

さて、実際にCM-N100を使ってみた印象などを。まず、気になる冷風運転ですが、電源オフの状態からオンにし、1~2分程度で冷風が吹き出します。この季節は風呂上がりなどに風に当たるだけでも爽快ですが、その風が冷たいのですから、これは格別の快適さ。風量も十分あって実用的です。

シャープによる「シミュレーションによる冷風のイメージ」(冷風「強」/ルーバー上向きで本体より前方約50cmにおける温度分布)。冷風運転では「室温差約マイナス10℃の冷風」が吹き出すそうです
冷風運転時は、操作部右端のレバーを上げます。これにより、吹出口から冷風のみが出てきます(背面吹出口から暖気が出ます)。冷風以外の運転時はレバーを下げます。吹出口からは冷気と暖気が混ざった風が出て、背面吹出口からは空気は出ません

除湿機にはコンプレッサー方式とデシカント方式があります。CM-N100はコンプレッサー方式の除湿機で、クーラーと同様に内部で熱交換をしています。↓こんなイメージです。

シャープ「ハイブリッド衣類乾燥除湿機 CV-NH140」公式ページより抜粋。CV-NH140はコンプレッサー方式とデシカント方式を両方取り入れた除湿機ですが、ここでレビューしているCM-N100はコンプレッサー方式の除湿機です

従来のコンプレッサー方式除湿機では「生じた冷気と暖気を混ぜて排出」していましたが、CM-N100の冷風運転時には冷気(前面)と暖気(背面)を分離して排出しています。これにより前面の吹出口から冷風のみの送風ができるというわけです。ただし、冷風運転や除湿運転の場合は熱交換で生じた暖気がそのまま室内に放出されますので、連続的に使っていると室内の気温は上がります。

ともあれ、一時的・限定的に冷風が欲しいという場合、CM-N100の冷風運転は実用的。気持ちいい冷風でリフレッシュできます♪

それから除湿や衣類乾燥もしっかりできます。仕様によりますと、最大除湿能力は1日に9L/10L(50Hz/60Hz)。洗濯物2kgの衣類乾燥時間は約120分となっています。条件により変わるとは思いますが、室内干しの洗濯物に衣類乾燥運転状態のCM-N100からの風を当てておけば「数時間で洗濯物が乾いている」という感じです。

除湿も同様。CM-N100を除湿運転や衣類乾燥運転で使っていれば「数時間で明らかに部屋の空気が変わる」「その部屋に入ると涼しく感じる」というイメージです。部屋の湿度が下がると、当然ですが体感的にサッパリ&爽やかになりますね~♪

運転音ですが、どの運転モードでも弱送風時の運転音は37~40dBという仕様になっています。この数値は「静か」というレベルのものではありますが、実際に体感してみると「静かってほどではない」という印象。CM-N100から2mくらいの位置だと「まあうるさくはないけど、気にならないというほどでもない」という感じ。熱交換器が動作する運転モード(衣類乾燥/除湿/冷風)ではさらに運転音が増すことがありますので、「それなりの運転音はする」という使用感です。

ただ、人からやや離れた位置で運転させているなら、会話にも音楽/映像鑑賞にも支障のない運転音だと思います。今時の壁型エアコンよりは少し運転音が大きいものの、生活を邪魔するほどの騒音ではないと、筆者としては感じています。

ほか、使っていて気になったことは、本体底部のキャスター。横方向にしか動かないキャスターなので、本体の向きを変える時は少し持ち上げる必要があったりします。CM-N100の場所を移動して使う時、何となくギクシャクした使用感です。

でも、全方向自由に動くキャスターだと、あるいは送風の振動などで運転中に向きが変わってしまうから「敢えて横方向のみのキャスターにした」のかもしれません。また横方向のみのキャスターなので、排水タンクを抜いて水を捨てて再度排水タンクをセットしても、CM-N100の向きが変わらない(向きを再調整する必要がない)ので、その点は便利です。

もうひとつ、CM-N100は多機能で使い回せる除湿機なので、「設置場所を変えて使いたい」と思うことが少なくありません。そんな時のために、本体上部にハンドルのようなものがあり、片手で持って移動できるといいなと思います。本体質量は約12.5kgなので、片手で持ち上げてちょっと設置場所を変えるなどは、わりと現実的だと思いますが、持ち上げて移動する場合は本体左右の取っ手を持って両手で持ち上げる必要があって、これも何となくギクシャクした使用感です。

ジットリしていた玄関スペースが生まれ変わって爽やかに!!!

CM-N100の機能をアレコレと試した後は、主な目的である「玄関スペースの除湿」のために使い始めました。そしてその除湿効果はすぐに現れました。

以前の玄関スペースに入っていくと「ジットリ」とした湿気を感じました。しかしCM-N100で連続的に除湿を開始してからは、あらまあ空気がサッパリした!!! 「なんか暑い」という感じの玄関スペースが、CM-N100を使い始めたその日から「ちょっと涼しい」と感じられるようになりました。凄~い!!!

玄関スペースにとりあえず置いて除湿運転を開始したCM-N100。この位置だと少し邪魔なので、設置場所を考え中です
奥行きは235mmなので、600mm幅のテーブルの上に置いても、テーブル上のスペースがなくなるというほどでもありません

それから、玄関スペースにてCM-N100を使い始めて数日後、出先から帰宅して気づきました。関東で梅雨明けが宣言された翌日の真夏日でしたが、ドアを開けて玄関に入ると「あ~っ、ここ涼しい!」とハッキリと意識できました。

汗だくで帰ってきたわけですが、これまでだと玄関スペースの湿度が高いので「無風の玄関スペースに入ると汗がさらに増して出てくる」という感覚でした。ですが、CM-N100導入後は湿度低めの玄関スペースであり、空気の流れもそこそこあって、玄関スペースに入っただけで「外の暑さから逃れて涼しい」と感じられるようになりました。

さらに、CM-N100を冷風運転に切り替えてみると、当然ではありますがCM-N100から冷風が。非常に涼しいです♪ 玄関で一息つきつつ汗が引いて、ちょっとさっぱりして家の中に。帰宅後に玄関にてCM-N100で涼むことが、とても快適な「涼のルーティーン」となりました。

真夏日の玄関スペースにてCM-N100からの涼風。臨時的な冷房ではありますが、「玄関スペースで涼む」なんて拙宅においては画期的な体験です

いや~当たり前と言えば当たり前なんですが、凄いですね、除湿の効果って。快適♪

ただ、玄関スペースで30分程度以上作業をするとなると、除湿機だけではちょっと無理かもしれません。そもそも夏場の玄関スペースは気温が高い。やや長時間作業する場合は以前にレビューしたポータブルクーラー(スポットクーラー)の類が必要になると思います。CM-N100からの冷風は、あくまでも短時間の臨時的なものですし。

さておき、今後に期待するのは、CM-N100から出るプラズマクラスターを含んだ風。プラズマクラスターが玄関スペースのカビ菌を無力化してくれれば、今後はカビの発生が大幅に抑えられるハズ。毎年、玄関スペースで少なからぬカビを見つけては、アルコール除菌しつつ拭き掃除していましたが、この苦労が低減することを期待しつつ、今後もCM-N100を使い続けたいと思います。

スタパ齋藤