家電製品レビュー

10年来のエアコン置き換えでリビングが上質&快適に。 素焼きのような白が美しい「ノクリア Zシリーズ」

リビング・ダイニングが約20畳のため、適用畳数23畳の「AS-Z711L2」を設置した

リビング・ダイニングに設置してあった10年超えのエアコンを、5月中旬に富士通ゼネラルの上位モデル「ノクリア Zシリーズ」へ、つけ替えた。そしてじわじわと夏日を記録するようになってきた6月中盤の数日、「エアコンを最新モデルにすると、こんなに快適になるのか」「エアコンがおしゃれだと、こんなに気分が上がるものなのか」と幸せを実感している。今回は、そんな「ノクリア Zシリーズ」の魅力をたっぷり紹介していきたい。

エアコンの新しい選択肢「クラフトデザインシリーズ」の第2弾

今回、リビング・ダイニングに設置したのは、富士通ゼネラルから4月に発売されたZシリーズ。同社の最上位モデルXシリーズに次ぐハイグレードなモデルで、エッジ(本体)とクラウドの2つのAIを使用した「ダブルAI」の搭載をはじめ、さまざまな最新機能が入っている。詳細は後述するが、使う人の好みに合わせてエアコンが先回りして室内温度や湿度を快適に保ってくれたり、エアコン内部だけでなく、部屋の空気も清潔に保ってくれるなど、放っておいても賢く働いてくれるのだ。

しかし筆者がもっとも心惹かれたのは、今回リニューアルされたデザインだ。実は昨年、同社が0からデザインを見直して開発したコンパクトモデルSVシリーズを寝室に設置したところ、寝室の雰囲気がガラリと変わった。エアコン特有のプラスチック感を排除したファブリック(布地)調の質感がインテリアにしっくりなじむ。毎日目にしている今でも、ふと「いつ見ても美しいな……」とつぶやいてしまう。

2020年8月、寝室に設置したSVシリーズ。横幅698mmとコンパクトながら、熱交換器加熱除菌機能などの高い機能が搭載され、昨年の熱帯夜にも大活躍してくれた
SVシリーズはインテリアになじむファブリック(布地)調の質感とフィルムが特徴

関連記事:おしゃれなだけじゃない。熱帯夜でも快眠の「ノクリア SV」は寝室にピッタリのエアコンでした(2020年9月4日)

新Zシリーズは、そんなSVシリーズから始まった「クラフトデザインシリーズ」の第2弾。機能はもちろんデザインにもこだわって開発されている。SVシリーズのファブリック(布地)調とは異なり、素焼きの陶器のようなぬくもりを感じさせる質感を採用した。

Zシリーズには、素焼きのようなざらっとした質感、職人の手仕事のような波状の文様などが丁寧に表現されている

これはぜひリビングに設置したい! なにしろ家族が一番長い時間を過ごすリビングだし、家具や家電は自分や家族が素敵だと思える、気に入ったものを選びたい。インテリアがおしゃれだと、コロナが終息して再び人を招く機会が増えたときに、自慢もできる(笑)。

実際リビングのエアコンもすでに、設置から10年を優に超えているし、最新エアコンのような快適な機能はなく、ある意味買い替えどき。これはいい機会かもしれない! と考え、「ノクリア Zシリーズ」にチェンジすることにした。

リビングに設置したら……インテリアとして際立つ美しさ

Zシリーズが来ることが決まり、ワクワクが止まらなかった私は、いつかやりたいと思っていたインテリア計画を実行することにした。Zシリーズが来る前に、壁をペンキで塗ることにしたのだ。汚れが気になってきたビニールクロスの壁に、真新しいエアコンを設置するのが惜しい、という思いもあった。

さて素焼きのような質感を活かすなら、壁は何色がいいだろう。グレーやベージュのような落ち着いた色がいいのでは、と思ったが、それはそれで部屋が地味な雰囲気になるかも……。そんな悩みをショップで相談しながら、その場で調合してもらった色は、少しスモーキーで緑がかった、でも明るめの水色だ。さっそく休みの日に家族総出(といっても3人)で塗ってみたところ、乾燥時間含めて3時間程度できれいに塗り上げることができた。

ビニールクロスの上から塗れるペンキで、素人でもムラなくきれいに塗れた

そしてついにZシリーズが設置された。その感動は……寝室にSVシリーズを設置したときも思ったことだが、家電量販店などで見たとき以上に、質感がもたらす違いは大きい。何しろ同じ白でも、存在感が全然違うのだ。

プラスチック感のある白と、素焼きっぽい白では、全然白の存在感が違う。前面のなめらかなフォルムもオブジェのようだ
壁に色を塗ったことで、Zシリーズの美しい質感がより引き立っている気がする。思い切って塗ってよかった
旧エアコン&白い壁面(左)と、新Zシリーズ&水色の壁(右)。違いは歴然

プラスチック感のある白だと、やはり無機質な冷たさがあるが、Zシリーズの白さは、抜けるように美しい。写真で並べてみると、少しサイズが大きくなったようにも見えるが、下部を斜めにカットした前面パネルのおかげか、さほど圧迫感は感じられない。

とにかく室内機が美しいと、こんなにも部屋の雰囲気が変わり、テンションが上がるものなのか、とつくづく実感した。

設置後の部屋全体の雰囲気も大きく変わった

ちなみに室外機は今までより大きくなったが、実はエアコンの心臓部は室外機にあるので、これだけ大きければ、さぞかしパワフルなのだろう。この夏、快適に乗り切れそうだ。

リビングに隣接するバルコニーに設置された室外機

同じ冷房でも快適さが全然違う!

冷房運転にすると、自動的に吹き出し口が上を向き、冷たい気流を遠くへ届けてくれる

6月に入り、夏日を観測する日も増えてきたため、さっそく冷房運転を使い始めたら、すぐに快適さが今までと違うと感じられた。冷房運転にすると吹き出し口が上向きになるため、気流が高い位置から遠くへと送られる。その風が部屋を循環し始め、どこにいても冷たすぎず心地よい風に優しく包まれるのだ。

今までは、吹き出し口を上向きにしているつもりでも、手前側が冷えやすかったり、離れたところが暑かったりとコントロールが難しく、サーキュレーターを併用することが多かった。しかしZシリーズは部屋のどこにいても、ひんやり心地よい気流を感じられる。

28℃設定にしてみたら……まさに室温を28℃にキープ。なかなか精度が高い
エアコンの対面にあるソファにも、そよそよと気持ち良い風が届くため、快適に過ごせる

ちなみに暖房運転にしてみたところ、吹き出し口は自動で下向きになった。暖かい空気は天井に溜まりやすいため、吹き出し口を下に向けて床に気流を送るといい、といわれるが、いちいち設定しないでも、ちゃんと気流をコントロールしてくれているのだ。

暖房運転にすると、吹き出し口は自動で下向きに。人が設定しなくても、最適な方法で運転してくれる!

この原稿を執筆している現在は、まだ梅雨入りしたばかりだが、すでに30℃超えの真夏日を記録した日もある。特に湿度が高い日に役に立つのが「さらさら冷房」だ。

エアコンの冷房機能は通常、設定温度に達すると運転を停止するが、梅雨や夏など湿度が高いと、温度は快適なはずなのに、蒸し暑さやベタつきを感じてしまう。

その点、Zシリーズには、通常の「冷房」モードのほか、「さらさら冷房」モードも搭載されている。「さらさら冷房」に設定しておけば、冷房運転中に設定温度に到達する前に、自動で「冷房」から「再熱除湿」に切り替え、引き続き快適な湿度を保ってくれるのがうれしい。

さらにZシリーズには、非常に賢い「ダブルAI」機能が搭載されている。エッジ(本体)に搭載したAIとクラウドのAIというダブルAIを利用して、人が不快に感じる前に先回りして、気流や温度設定を変え、常に使う人の好みに合わせた快適な温度を保ってくれるというものだ。

たとえばエアコン使用中に、室内機に搭載された「複眼ふく射センサー」が温度ムラのできやすい場所を見つけたら、AIがそれを学習。「快適おまかせ気流」設定にしておけば、学習情報をもとに、気象情報や時刻などから温度ムラができやすい場所をAIが事前に予測し、先回りして気流を吹き分けてくれるので、部屋全体がムラなく快適になる。

またリモコンの操作履歴からも学習し、使う人の好みを覚えて、先回りして設定温度を変更してくれるという(自動運転の場合)。つまり使えば使うほど、ほとんどリモコン操作することなく、常に快適な室内環境を作ってくれるというから、これからさらに暑くなる季節の運転にも期待できそうだ。

なおAI機能を高精度に使うには、無線LAN設定と「どこでもエアコン」アプリのエアコン登録が必要となる。「どこでもエアコン」を使えば、外出先からでもスマートフォンから運転状況を確認したり、操作できるようになる。出かけていても運転状況を把握できるし、切り忘れた時も外から消せて便利だ。

使えば使うほどAIが学習し、わざわざ温度を上げ下げしなくても、快適を保ってくれるようになるとのこと

あると安心な、熱交換器加熱除菌&フィルター自動おそうじとプラズマ空気清浄

ところでエアコンを効率的かつ清潔に使うには、やはりエアコンのお手入れは欠かせない。特にフィルターにホコリが溜まると、運転効率が下がるだけでなく、湿気が付着してカビの原因にもつながるため、こまめに行なう必要があるが、実際にこまめにやっている人はそう多くはないのではないだろうか。

となれば絶対にありがたいのが、フィルター自動おそうじ機能だ。Zシリーズの場合、フィルターの掃除間隔を3日に1度(間隔短め)、5日に1度(間隔標準)、8日に1度(間隔長め)から、使用頻度や部屋の状態に合わせて設定できる。

ちなみに豆知識だが、このフィルター自動おそうじ機能を開発し、同社が2003年に世界で初めて発売し、これまでの常識をひっくり返した。

自動で掃除してくれていることもあってか、フィルターはきれいだった

とはいえ最近のエアコンには、自動でフィルターを掃除する機能が搭載されているものも多く、それだけではもはや珍しくないかもしれない。やはりノクリアの魅力的な機能といえば、「熱交換器加熱除菌」だろう。

一般的に、熱交換器に汚れが付着するとカビが発生しやすく、それがエアコン内部のカビ臭の一因になる。カビ臭がするということは、カビ菌を部屋中にばら撒いているということ……。そう考えると空恐ろしいが、熱交換器は自分でお手入れすることができない。そこで活躍するのが、「熱交換器加熱除菌」機能。エアコン内部に発生した水滴で汚れを浮かせて洗い流し、残った水分を55℃以上に高温加熱して、湿熱(しつねつ)効果でカビや細菌を除去して、エアコン内部を清潔に保ってくれるものだ。

実はこの機能は、寝室に設置したSVシリーズにもついていて、昨年夏はとてもお世話になった。特に寝室で使っていることもあり、寝ている間に口からカビ菌が入ってくるのは、できるだけ避けたい。

しかしこの熱交換器加熱除菌機能には1つのネックがあった。「加熱」という名前の通り、55℃に加熱するため、稼働すると室温が一気に上がってしまうのだ。SVシリーズは、エアコンを消したら加熱除菌が始まる設定だったため、朝起きてエアコンを消したら、犬を連れてすぐに部屋を出るようにしていた。

加熱除菌設定をしておけば、不在時に運転を開始してくれる

その点、リビングに設置したZシリーズは上位モデルだけのことがある。なんと、使う人の生活リズムをAIが学習し、不在時に自動で行なってくれるのだ。つまり、まだ部屋にいるのに部屋の温度が急上昇、なんてことが避けられるようになる。何から何まで、AIのおかげで快適だ。

さらに、吸い込んだ空気の汚れを取り除き、キレイな空気を吹き出す電気集じん方式の空気清浄機能「プラズマ空清」も搭載。プラズマイオンで微粒子をプラスに帯電させ、マイナスの電極板に強力に吸着させることで、空気中のウイルスの抑制やカビ菌・細菌の除去効果を発揮。前述の熱交換器加熱除菌で内部の汚れを撒き散らさず、プラズマ空清で室内の汚れを除去するというわけだ。

猛暑が予想される2021年夏、ノクリア Zシリーズで快適に過ごせそう!

こうしてZシリーズは我が家のリビングに、デザイン性と心地よさを同時にもたらしてくれた。今年はダブル高気圧の影響で猛暑予報も出ているが、Zシリーズのおかげで、昨年より快適なおうち時間が過ごせること間違いなしだ。

そして、やはり私にとって大きかったのは、リビングにデザイン性の高いエアコンを設置できたこと。エアコンは1年じゅう使い続ける家電ではないものの、家の目立つ場所に設置され、うまくいけば10年近く使うことになる。そういう意味で、機能だけでなくインテリアになじむことも大切なエアコンが、デザインでも選べるようになったのは、とても嬉しい。これからさらに、新たな「クラフトデザインシリーズ」が出てくることにも期待している。

おうち時間が長くなった今、家の中をより素敵な空間にしたい気持ちが高まっています!

協力:富士通ゼネラル

田中 真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行なう白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子(中学生)、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。