家電製品レビュー
もみ玉10個の本格派。家のイスで使えるフジ医療器「シートマッサージャー」が気持ちいい!
2020年9月10日 08:00
新型コロナウイルス流行が収束を見せない中、ほとんどリモートワークという方や、週半分はリモートワークという方は多いはず。学生のみなさんもリモートとリアルの授業で苦労が多いと聞く。オンライン授業はパソコンを使うから、授業を聞きながら調べ物をするときは小さいスマホでちまちま探さなきゃならず大変。さらにお母さんにとっては、家にいる家族が多いから部屋も汚れるしゴミも多い。洗濯機を一日に何回もまわしたり、いつもはありものですませる昼食も家族分作らなきゃ! と、仕事量が倍増、いや、もう桁違いに増えている。
そこに急浮上してきたのが、家族みんなの肩こりや腰痛。会社に通っていたころは何もなかったのに、家で仕事をし始めたら腰痛やら肩こりが。原因は簡単。自宅のダイニングは食事をとる高さで、パソコンや書き物をする高さじゃないから。学生さんも然り。学校の机と自宅の机はまったく違うし、なにより学校では上を向いて先生の話を聞いているけど、家だとパソコンを見てノートを取って……と、ずっと下ばかりを見てる。コレ、肩こりの原因。お母さんは単にオーバーワークで体に負担がかかってる。
そんな家族の肩こりや腰痛をすっきり! 軽くしてくれるのがフジ医療器の「マイリラ シートマッサージャー MRL-1200」(オープンプライス/実売価格40,000円前後)だ。
肩だけを揉む簡易式マッサージャーと違い、イス型と同じボールのような「もみ玉」を搭載。しかもそのもみ玉が上下したり、左右に動いたりで、全身のツボを押し、揉み、叩き、掴む! だからマッサージチェアと同じぐらい気持ちよく、施術のバリエーションも豊富! 流行の3,000円ボディーケア、「てもみん」や「りらくる」と変わらない気持ちよさだと思える。
なお、「マッサージ」とは本来、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を持つ施術者が行なうものだが、この記事では「リフレクソロジー」や「リラクゼーション」という広義の意味を示している。
マッサージチェアを世界で初めて開発・製造した「フジ医療器」って?
マッサージチェアをすでに持っている方なら誰でも知っている「フジ医療器」。でも持ってないとまったく知らないかもしれない。その歴史は古く、1954年(昭和29年)にはじまる。パナソニックが同社初の電気掃除機を売り出し、街角の街頭テレビでは力道山のプロレスが中継されていたころ。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の4年前のことだ。
この年に世界初のマッサージチェアを開発・販売したのがフジ医療器。このマッサージチェアの第1号機は「機械遺産」として現存している。そもそも「肩こり」は日本人特有のもので、英語をはじめとする諸外国語には対応する単語がない。家電はほとんどが海外が起源だが、マッサージチェアは日本が世界初というのにも、うなずける。その後もトップメーカーとして現在まで君臨し、銭湯や温泉場にある茶色のシートから鉄棒が出て、もみ玉と呼ばれるボール状のものが付いているものは、ほとんどが同社の製品だ。
現在は飛行機のファーストクラスのように豪華なイスみたいになっていて、コンピュータやさまざまなセンサーを搭載しているが、もみ玉でマッサージするという基本機構は変わっていない。またライバル会社も民生品で3社ほど、空港やインターネット喫茶などにあるコイン式で2社ほどあるが、マッサージチェアといえば「フジ医療器」というほど老舗で業界ナンバーワンの会社だ。
手で持つ簡易式と高級チェアの中間を行く「シートマッサージャー」
一見すると座椅子のようなシートマッサージャーは、ソファやイスなどに敷いて使うもの。また、床に敷いて寝転がって使うこともできる。ただ最初は、イスに敷いて使うのがいいだろう。できれば、事務イスのように座面が小さいものでなく、奥行きがあり深く座れるイスがオススメ。シートマッサージャー自体の厚みが10cmほどあるので、事務イスだとお尻が落ちそうになるので注意。
高級マッサージチェアもそうなのだが、マッサージ店では施術者の力の加減で強弱が変わるのに対し、マッサージチェアの場合はイス自体が押す力を変えられないので、自分の体重をどのぐらいチェアにかけるかで強さを変えることになる。つまり、シートチェアに寝転がれば全体重がチェアにかかるため、最強の施術状態になる。逆にイスにセットしてリクライニングを浅くすればソフトな施術に、リクライニングを深くすれば強い施術になるというわけ。
自宅のリクライニングできるイスや座椅子があれば、最初はそれにセットするのがいいだろう。自分にあった施術の強さがわかれば、寝転がってもいいし、背もたれの角度が浅いイスにすればいい。
手持ち式のマッサージャー、というか肩たたき機では、揉んだり押したりという施術ができないが、シートマッサージャーならリクライニング(強弱の調整)が手動というだけで、高級マッサージチェアとほぼ変わらない施術ができる。
コースは全身、肩、腰の3種類! カスタムメニューもあって本格的!
シートマッサージャーのすごいところは、本格的なマッサージチェアと同じぐらいの数のもみ玉を装備して、ツボを押したり、肩を揉んだり、叩いたり、背筋を伸ばしたりと多彩な施術ができる点。そのメニューの豊富さやバリエーションの数々は、リモコンを見れば一目瞭然。
普段使いは3コースから選ぶだけ。
全身
背筋伸ばしにはじまり、肩叩きしながら腰を揉んだり押したりしてくれるコース。とくに腰はS字を描くように上下にほぐしてくれて気持ちがいい。筆者は秋葉原のメイドさんのリフレが好きなのだが(笑)、それよりぜんぜん気持ちいい!
肩
肩甲骨から上の肩、首を揉んだり叩いたりしてくれるコース。体の大きさに合わないダイニングテーブルでテレワークしたり、ノートパソコンを使っている方にオススメ。ちょっとバリエーションチェンジで腰も動くから飽きない。
腰
尾てい骨の上から肩甲骨の下まで、幅広い腰を揉んだり、叩いたりしてくれるコース。寝転がっての背筋伸ばしは最高に気持ちがいい。たまに肩も動くのでこれまた飽きない。さらに「さざなみ」という独自の施術があり軽く背中をもみながら、リズミカルにツボ押ししてくれるモードは、ちょうど胃の辺りを刺激するので、おなかが減ってくる(笑)。
いずれも10分間のコースで、自動的に電源が切れるようになっているので、気持ちよくなって寝てしまっても安全。ただあまりにも気持ちがいいので、何回もやりたくなってしまうのが困りモノ。何度もやってしまうと「もみ返し」が出てしまい、かえって痛くなったり筋肉を傷めることもあるので注意が必要だ。
手動モードを使うと、肩と首のマッサージだけ、背中や腰の揉み、叩き、さざなみ(軽く背中をもみながら、リズミカルにツボ押ししてくれる)モードのみも可能。とくにさざなみは、胃が刺激されておなかが空くので、夏バテ気味のかたにオススメしたい(あくまで筆者の経験談)。
肩の位置調整は、シートマッサージャーのお尻のパッドの有無と肩の稼動部分の角度で調整。しかもお尻パッドは、ジッパーで着脱が可能。また、背中や腰の位置、また幅は手元のリモコンで調整できる。だから、大柄な男性から小柄な女性まで、誰にでもフィットする。簡易な構造ながら、なかなか考え抜かれた設計に感服だ。腰のマッサージは、肩甲骨に近い上部、腰の中央、尾てい骨に近い下と範囲が選べるので、疲労にあわせてセットするといい。
音も静かで気兼ねなく夜中に使え衛生面もバッチリ
気になるのは動作音。安い肩たたき機だと、打撃音がすごくて深夜に仕事が終わってテレビを見ながら使うのは、はばかられる。でもシートマッサージャーなら、打撃音はほとんどなし。テレビは普段のボリュームでも十分聞こえるし、モーターの振動音もなし。床に寝転がると少し下の階に音が漏れるかもしれないが、そんなときはエクサイズ用マットやコタツの敷布団を敷けば音を完全シャットアウト!
さらに背中部分はメッシュになったシートが敷いてあり、チャックで取り外して洗えるので衛生面もバッチリだ。マッサージチェア最大の弱点である「大きくて片付けられない」という点も、シートマッサージャーなら問題なし。使わないときは、敷布団を三つ折りにした程度の大きさまで小さくなる。だからお布団のすき間に、ベッドや家具のすき間にスルリと入れて片付けオッケー!
なおカラーバリエーションは、この記事で使っているレッドと、ネイビー、そしてブラックの3種類が用意されている。ただ重量が8.8kgと結構あるので、出し入れは旦那さんや同居人にしてもらうとよさそうだ。もちろん「それ自体がエクササイズ!」というつもりで、引っ張り出してもいい。
気になる電気代は、1日30分使っても1カ月20円。お店に行くより100倍近く安い!(笑)。コロナ禍の「イライラ」を、このシートマッサージャーで「ニコニコ」に変えてみてはいかがだろうか。