家電製品レビュー

体を起こしてゆっくり乗れる♪ビーチクルーザータイプのe-bike「TOWNIE GO!」が快適すぎる!!

 前々からちょっと気になっているe-bikeがありまして。e-bikeは「電動アシスト機能を備えたスポーツタイプ自転車」のことですが、筆者が注目しているのはElectra(エレクトラ)の「TOWNIE GO! 8D(タウニー・ゴー・エイト・ディー)」です。ビーチクルーザーのe-bike。

ElectraのTOWNIE GO! 8D。e-bikeとしてはちょっと珍しいビーチクルーザータイプです。価格は23万8000円(税抜)
メーカー名Electra(エレクトラ)
製品名TOWNIE GO! 8D
希望小売価格238,000円

 ちなみにビーチクルーザーとは、現在ではサーファーがサーフボードをビーチまで運ぶのに使ったりする自転車です。調べてみると、MTBやBMXといったカテゴリーの自転車のもととなった歴史ある存在だったりもして、なかなか奥が深いカテゴリー。特徴としては、太いタイヤ、頑丈なフレーム、アップライトな乗車姿勢、上がったハンドル、航空機のような流線形を描くトップチューブ、といったあたり。パッと見で「何となくレトロでかわいい」というのもビーチクルーザーの特徴かもしれません。

TOWNIE GO! 8Dにはメンズとレディースの2モデルがあります。こちらはメンズで、カラーバリエーションはMatte BlackとPoseidon Blueの2色
こちらはレディースで、トップチューブが下に湾曲していて足を通しやすいのが特徴的。カラーバリエーションは3色で、Cosmic Grey(左上)、Aurora Metallic(右上)、Blass Satin(中央下)

 TOWNIE GO! 8Dは2018年12月26日に発売されたe-bikeです。発売当初は「へぇ~ビーチクルーザーのe-bikeなんてあるんだ」程度の興味しかありませんでした。しかし、最近になってミョーに強い興味が発生中。

 というのも、最近の筆者は、手持ちのe-bikeのコンフォート化を推進中。ハンドルをプロムナード・バーと呼ばれるアップライトなものにしてみたり、ポジションを前傾でない立った状態にしてみたり。ユル~く、ラクにする、という方向です。

 スポーツタイプの自転車は前傾姿勢となる車体が多いです。空気抵抗軽減や効率よく体力を使うためですね。でもe-bikeの場合、アシストによって空気抵抗を気にせずに済んだり、あまりスピードを出さずに走るのに向くため、体を起こしたアップライトなポジションで乗るのが合っているなあと思うわけです。

 そこで気になってきたのが、TOWNIE GO! 8D。ビーチクルーザータイプなので、ハンドルはもとからアップライト。サドルは大きめでソフト。太くてクッション性のあるバルーンタイヤを装備しています。……見るからにラクそう。コレってめちゃめちゃ乗りやすいe-bikeなのでは? と思った次第です。

 というわけで、ElectraのTOWNIE GO! 8Dに試乗してみることに。ちなみにElectra社は全米トップのビーチクルーザー・メーカーです。2014年にTREK(トレック)のブランドとなり、日本でもElectra製のビーチクルーザーがとても入手しやすくなりました。

TOWNIE GO! 8Dは、どんなe-bike?

 まずはTOWNIE GO! 8Dの概要から。写真と説明文でダーッと見ていきましょう♪

TOWNIE GO! 8Dはビーチクルーザータイプのe-bike。若干の流線型を感じさせるトップチューブ、ライザーハンドルによるアップライトなポジション、大きめのサドル、そして太く弾力性のあるタイヤが特徴的です。フレームはアルミ製
TOWNIE GO! 8Dには、Electraの特許技術「ELECTRA FLAT FOOT TECHNOLOGY(エレクトラ・フラット・フット・テクノロジー)が盛り込まれています。これはペダル位置を通常の自転車より前方に配置することで、足つき性の向上や軽快なペダリングを実現するというもの。写真の赤い補助線のとおり、一般的な自転車よりも前方にクランク軸が配置されているのがわかります
ELECTRA FLAT FOOT TECHNOLOGYのメリット(※メーカーウェブサイトより抜粋)
ELECTRA FLAT FOOT TECHNOLOGYを採用しているエレクトラ製自転車(※メーカーウェブサイトより抜粋)
お尻全体を包むように保持する大きくて程よい硬さのサドル
上体をグッと起こしたアップライトなポジションによくマッチする形状です
タイヤは26×2.35インチ(ETRTO:60-599)。幅が6センチもあるタイヤで、良好なクッション性があります
ドライブユニットはボッシュのActive Line Plus。定格出力は250W、最大トルクは50Nm。平坦な道と時々急坂があるようなエリアによく向く、スムースで非常に静かなドライブユニットです。バッテリーはPowerPack 300(8.2Ah/約300Wh)を採用しています。TOWNIE GO! 8Dでの最大航続距離は約100km
ハンドル部はこんな感じ。ライザーハンドルの中央にディスプレイ(Intuvia)があり、コントローラーは左側
ハンドル左側の様子。ブレーキはTEKTRO製コンポーネントですが、リアブレーキの根元にベルが内蔵されているのでスッキリしています。小さなレバーを引くと「チリリン!」と鳴ります
こちらはハンドル右側を手前から見た様子。やはりスッキリしています。グリップの作りもちょっと凝っています
Active Line Plusのバッテリーを電源として使う白色LEDヘッドライト付き。ライトはディスプレイ部のボタン操作で点灯・消灯し、夜道をしっかり照らす明るさがあります。ヘッドライトの下にはリフレクター。ちなみに、ケーブル類はフレームの中を通っていて、全体的にとてもスッキリした見栄えのe-bikeです
後ろの泥除けには、ヘッドライトと連動して点灯する赤色LEDのテールランプ。赤色リフレクター内蔵でコンパクト。こちらもスッキリしています
ブレーキは前後ともTEKTRO製メカニカル・ディスクブレーキ
チェーンガードに加えてチェーンカバーも装備
変速機はリアのみで8段変速(歯数構成:12-32T)。コンポーネントはシマノ「TOURNEY TX」です
ハンドル右側にシフトレバーがあります

 といった装備のTOWNIE GO! 8D。一見、ゆる~い感じのビーチクルーザーなんですが、要所要所にエレクトラの独自技術を始めとする作り込みが見られます。価格が238,000円(税抜)で、同じボッシュのActive Line Plusを搭載するe-bikeと比べると比較的に安価なあたりも魅力的です。

何この乗り味!! 広がる視界が笑顔を呼ぶe-bike♪

 早速、TOWNIE GO! 8Dで走ってみました。まず感じたのは、そのライディングポジション。「アップライトでラクそうだな」とは思っていましたが、予想と実際は大違いでした。体のどこにも緊張がかからないような姿勢で、何というか、ソファーに座っているような感じです。すご~く安楽。

実際に筆者の体格に合わせ、スポーツ自転車のサドル高を決めるのと同様の目安で、サドル高をセットしたTOWNIE GO! 8D。感覚的には上体が少し上を向くくらいにアップライトで、足は前方に投げ出すようなポジションになります。体のどこも緊張していない状態で、かなりラク

 しかし、走った感覚は意外なほどスポーティー。アシストパワーですぐにアシスト上限24km/hに達するのは他のe-bikeと同様です。また、乗車姿勢がアップライトで足を前方に投げ出すようなカタチになるので、ハンドルを引きながらペダルを蹴りつけるようにペダリングができて、グイグイと踏み込んでいけます。なので、思った以上に速い。でもラク。

けっこう「ユルめ」の外観ながら、スムーズなアシストの力もあって、フツーに速いe-bikeという印象です。見た目はユルく、乗った姿勢がラクで、頑張って走っている感覚はないんですが、でもけっこう速い。ちょっと不思議なe-bikeです

 それから、足つき性がとてもイイです。普通のスポーツ自転車で、スポーツ走行に適したサドル高にセットすると、筆者の場合(というか大抵はそうだと思いますが)、停車時に片足のつま先で自転車を支えつつ立つ状態になります。ですが、同様のサドル高でも、TOWNIE GO! 8Dの場合は片足底面がペタリと地面に着きます。これは独自のシートポスト角度とペダル位置によるものだと思いますが、TOWNIE GO! 8Dだと停車時にバランスを崩す不安がなく、ラクな姿勢で停まっていられて快適です。

足つき性が良いので、停車した直後にしっかりバランスを取れて安心感があります。もちろん信号待ちなどもラク。e-bikeは走り出しのラクさが共通のメリットですが、TOWNIE GO! 8Dは停車時の安定性もいいというわけです

 TOWNIE GO! 8Dで走っていると、いつもの自転車とは視界がかなり違うと感じられます。ハンドルを持つ腕でやや仰け反る上体を支えて、顔が少し上を向くような姿勢になるので、実質、前方と上方へと視界が広がります。もちろん、そうでないポジションも取れますが、前方・上方への広い視界は普通のe-bikeやスポーツ自転車では得にくいと思います。

 乗って走ればすぐわかるTOWNIE GO! 8D独特の視界。TOWNIE GO! 8Dで自然の中を走ると、何というか風景がいつもより感動的に見えたりします。

TOWNIE GO! 8Dはライダーの顔が上を向くe-bikeという印象があります。川沿いのサイクリングロードを走っても、いつもの自転車道とは風景が違うような感覚。自ずと笑みがこぼれてくる視界です。また、ボッシュのActive Line Plusの静音性も良く、鳥の鳴き声など自然の音を楽しみつつ心穏やかにサイクリングを楽しめます
走り慣れたと道を、TOWNIE GO! 8Dで改めて走ってみると、とても新鮮。ビーチクルーザーってそういう点でも独特の自転車なんですね♪

 それと、前述の内容とちょっとカブりますが、足つき性が良いTOWNIE GO! 8Dは、地面からサドルまでの高さが普通の自転車よりちょっと低いんですね。なので、乗り降りしやすい。同時にストップ・アンド・ゴーが非常にラクなe-bikeでもある。そんな要素から、寄り道するのが楽しいです。ポタリング(散歩感覚でのサイクリング)にはうってつけという気がします。

適正ポジションにしたサドルから地面までの高さが、普通の自転車より少し低いTOWNIE GO! 8D。乗り降りがラクなので、寄り道しても面倒がありません。e-bikeゆえの走り出しのラクさも加わり、頻繁に乗って下りて寄り道してを繰り返してもストレスになりません
ユル~いポジションで楽しくラクに乗れるTOWNIE GO! 8Dは、「いいなぁ、ずっと乗っていたいなぁ」という気分にさせる新感覚のe-bikeです

 あと、これは人によると思いますが、TOWNIE GO! 8Dは手首やお尻、それから首や肩のあたり痛くなりにくいe-bikeだと思います。体重は広いサドルで支え、ハンドルを少し引っ張るようにして上体の傾きを支えるカタチ。なので圧迫からくる手首の痛みや痺れがなく、狭いサドルの一点に体重がかかることからくるお尻の痛みも非常に少ない。もしかすると、そういった痛みの少なさはリカンベント(横たわって乗る自転車)に近いのかもしれません……が、リカンベントに乗ったことがないので不明です。

 にしても~、いや~超イイですわ~、ビーチクルーザータイプのe-bike。何となくスルーしていたTOWNIE GO! 8Dですが、発売直後とかにコレに試乗していたら、すぐ買っていたような気がします。それほど快適。快適でありつつ、e-bikeの良さ強みはしっかり持っています。

 前述のとおり、TOWNIE GO! 8Dは2018年12月26日に発売されたe-bikeです。発売後、かなり時間が経っていますので、試乗できるショップもそこそこあるようです。一般の電動アシストスポーツ自転車とは一味違うe-bikeですし、「こんなにラクで快適なe-bikeがあるんだ~!」といった発見があるかもしれませんので、ぜひTOWNIE GO! 8Dに試乗してみてください♪

スタパ齋藤