家電製品レビュー

電動工具のバッテリーが使える! 静かで粒子ゴミまでよく取れるBOSCHのスティック掃除機

 ボッシュといえば、緑の躯体に赤いコーポレートロゴ「BOSCH」と入った電動工具でおなじみ。本社をドイツに置き、電動工具のほかにも自動車用部品のサプライヤーとしても有名だ。最近ではe-bikeのユニットメーカーとしても頭角を現してきている。

販売員などのスタッフに製品の取り扱い方などを教えるためのBOSCHトレーニングセンターにレンジしてある工具の数々。ドイツは日本と同じメートル、キログラム(単位はkpだが1kp=1kg)を使うので、インチの国のモノより相性がいい

 そんなモーターとバッテリーの組み合わせが十八番のBOSCHが発売したのが、家庭用スティック掃除機。サイクロン方式を採用した、「Unlimited Series8(アンリミテッド・シリーズ8)」だ。BOSCHのアイデンティティといえる緑色ではなく、白と黒のツートンカラーとなっている。

 電動ツールと同じ緑の掃除機となると、ちょっと抵抗を覚える方もいるかもそれない。でもこのカラーならリビングにも置きやすく、普段使いにぴったりだ。付属するアタッチメントやバッテリーの個数でいくつかモデルが用意されているが、今回使ったのはバッテリー2個が標準装備されている「BBS1223WJP」。

BOSCHらしくないツートンカラーでリビングにピッタリのUnlimited。ウチの犬の定吉くんも同じくツートンだ
メーカー名ボッシュ
製品名Unlimited バッテリー2個付属
型番BBS1223WJP
価格(編集部調べ)49,000円

 第一印象は「とにかく静か」。一般的なスティック掃除機の運転音と比べると断然に静かだ。電池も長持ちで、パワーヘッドブラシを使わない場合は50分、ヘッドブラシを使っても37分と、長時間掃除ができるグループに入る。

 最近のスティック掃除機は、モーターを高速回転させることで吸引力を稼ぐのがトレンド。毎分10万回だ! いや12万回だ! なんのうちは12万5千回! という回転数がカタログに並ぶ。

 しかしここには落とし穴が。高速回転するモーターは飛行機のジェットエンジンのように「キンキン」と耳をつんざく音がすることが多い。

 でもこの掃除機は、とにかく静かでキンキン音がまったくしない。「ターボ」ボタン(「強」ボタンに相当)を押すと、吸引力が強くなるが、それでも一般的な掃除機の「強」よりぜんぜん静かだ。なおUnlimitedには、ハイパワーで高寿命の高速回転ブラシレスデジタルスピンモーターを搭載している。

標準モードの運転音はおよそ43db、ターボ(強)でも60db。キーン! という高い音が出ないので、体感的にかなり静か
標準的な国産メーカー品は標準で48db、強で63db

静かながらも吸引力はしっかり! 粒子系&ホコリゴミに最強

 さっそく吸引力を見てみよう。モーターヘッドはV字ブラシを備えており、ヘッドの両端のゴミを中央に集めて効率よく吸引できる。

 実際に色々なゴミを掃除してみたところ、ロボット掃除機のブラシに近い形状のため、砂ゴミ系に非常に強い。またゴミを捨てたときに分かったが、微粒子状のゴミも驚くほど取れていた。

国産のスティック掃除機ではパナソニックのみのV字ブラシ。BOSCHはパナソニックより少し簡易的で、ロボット掃除機のブラシに近い
砂ゴミ系の吸引力は最強! 静かなのにこの吸引力は凄い! 壁の際の際まで掃除できる

 今度は砂ではなく、擬似花粉を床全体に巻いてテストしてみた。実際にはありえない分量の花粉だが、ヘッドが通ったあとは一粒もピンク色が見当たらない。

 ただ弱点もある。それは他の多くのスティック掃除機のように、大きなゴミが苦手なようだ。ペットの餌の食べこぼしなどは、ヘッドを取り外して掃除するか、普通にティッシュなどで取り除いた方が早い。

直径30μm(髪の毛の太さの1/3程度)の花粉に見立てた疑似ゴミ。壁際もしっかり。フローリングの目にも一切取り残しがなく、ほとんどをダストカップでキャッチしている
ペットの食べこぼしなどは、先端ツールを外してハンディで掃除するといい
ハンディ利用は棚のホコリを取るのにも便利
ホコリ系のゴミはダストカップに丸くなってキャッチ。大きな粒子ゴミもダストカップ
さらに微粒子のゴミは内側のフィルターでキャッチ。どのぐらい小さい粒子までキャッチできるか公表されていないが、筆者の感覚ではPM2.5も行けそうな感じ

 さらに驚かされたのが、じゅうたんの汚れ。自分ではキレイに掃除しているつもりだったのだが、BOSCHを部屋全体に1回かけてみると、取れる!取れる! ホコリゴミと微粒子。

 ゴミ捨てする場合は、まずロングノズルを外し、次に本体から吸引&ダストカップユニットを外す。これはダストカップだけ外せるような改良の余地がありそうだ。続けてダストカップ上部にある赤いハンドルを何回かガリガリとまわすことで、フィルターについてる微粒子を落とす。あとはカップのふたを開けゴミ捨てへ。
 これだけ汚れが取れると、ダストカップやフィルターも水洗いしたくなるところ。しかし掃除機を掃除するのは日本だけの文化なので、ドイツ製のBOSCHは水洗い不可としている。

びっくりするほど微粒子状のゴミが取れる。ただゴミを捨てるとき、少し舞い散ってしまうので袋の中などで開けるとよさそうだ
赤いハンドルを何回かガリガリとまわすことで、フィルターについてる微粒子を落とす
ダストカップやフィルターは水洗い不可としている

 スイッチは拳銃のようなトリガー式なので、掃除中はグリップを持ってしまいがち。しかしその持ち方だと手首に重さがかかるので、ホームポジションはターボボタンに手がかかるように上側を持つのがオススメだ。

持ち手はガングリップタイプで、スイッチはトリガー式。押すたびにON/OFFがロックされ指が疲れない構造
ホームポジションは、ターボボタンに指がかかるぐらい上を持つといい。

 特徴的なのは、その直進性。スーッと押すとヘッドはまっすぐに走る。フローリングは目があるので自分で直進をコントロールできるが、じゅうたんの場合は難しい。しかしこの掃除機は、軽く押すと直進するので、じゅうたん部屋の掃除を効率的にできる。

 ハンドルを左右に倒すと向きを変えられるが、向きを変えるというより、今まで進んできた隣のレーンにチェンジするという意味合いが強そうだ。こちらもじゅうたん部屋の掃除に重宝する。

直進性が高くそのまま押せばじゅうたんをまっすぐ進む。本体を左右に倒すと隣のレーンに移れる

先端が曲がるすき間ノズルで普段は掃除できないところにも、ノズル収納はスタンドに

 延長パイプを外せば、座ったままで掃除ができるハンディにも早変わり。さらにモーターヘッドを外せば、作業などで散らかったゴミを手軽に吸い込むクリーナーとしても使える。

 他にも3つの先端ツールが付属。ブラシの出し入れができるコンビネーションブラシノズルは、テレビ台や本棚などのホコリをきれいに。布用ノズルは、ヘッドにエチケットブラシの布が備わっており、ソファーなどのホコリをしっかりキャッチする。

延長パイプを外してたたみの掃除などに
先端のパワーヘッドを外して高所の掃除に
ファブリック用のノズルも付属
短いブラシヘッドでホコリのたまりやすい場所もらくらく。静かなのでニャンコも逃げ出しません
ブラシはスライドして出し入れできるので、ペットの食べこぼしの掃除などはブラシを引っ込めるとよく吸い込む

 変わっているのは、隙間ノズル。先端がゴムで出来ており50cmほどのホースがグニャッ! と曲がってどこにでも入り込む。通常の掃除機では太刀打ちできない、家具の裏など隙間もきれいにできるだろう。

ゴムでできた隙間ノズル。グニャリと曲がるので家具の隙間も簡単にお掃除

 またこれらの先端ツールは、壁掛けホルダーに取り付けて、掃除機と一緒に保管できるので、使いたいときにすぐ取り出せるのもいい。

これらの先端ツールは、専用スタンドにまとめてしまえるので便利

バッテリーは電動工具と互換性アリ

 さて、スティック掃除機で気になるのはバッテリーの駆動時間。ターボ時は8分で電池切れしてしまうが、スティック掃除機なんてだいたいそんなモン(笑)。大容量バッテリー搭載機でも、せいぜい10分だ。

 ただしターボ時8分というのは、標準付属されている容量2.5Ahのバッテリーパックの場合。本機はBOSCHの電動工具用の18Vリチウムイオンバッテリーと互換性があるので、容量1.6倍の4.0Ahバッテリーを装着すれば駆動時間は13分に、最大容量の6.0Ahバッテリーなら、2.4倍長持ちの19分にもなる。

 つまり大容量バッテリーを装着すれば、ターボモードのまま長時間運転できちゃうというわけ。使い方や部屋の広さにあわせて、バッテリーを別途揃えられるのは、さまざまな電動工具を展開するBOSCHならではだろう。

標準付属のバッテリーは18V 2.5Ahなので45Wh。モバイルバッテリーに換算するとおよそ12,000mAh相当。掃除機にしてはちょっと少ないが、運転時間は長い。スゴイ!
一般的なスティック掃除機と違って、用途に応じてバッテリー容量を変えられるのが最大の特徴。もちろん電動工具にも使える共用バッテリーだ
取り付けるバッテリーとモードによる運転時間
標準付属バッテリー(2.5Ah)大容量バッテリー(4.0Ah)超大容量バッテリー(6.0Ah)
標準モード37分59分89分
ターボ(強)モード8分13分19分

※いずれもパワーヘッドブラシを使った場合
※一般的なスティック掃除機は、標準モードで20~30分

 今回使っているモデルは、小容量のバッテリーが2個添付されているモデル。掃除の途中でバッテリー切れしたら、ボタンひとつで外せる。あとはフル充電されているバッテリーをカチ! と差し込むだけ。

 既にBOSCH製の電動工具やバッテリーを持っているなら、バッテリーなしのモデルも用意されている。その場合の価格は約30,000円と比較的求めやすい。なお別売バッテリーの価格は、容量2.5Ah/4.0Ah/6.0Ahの順で、12,000円、17,000円、22,500円。

バッテリーはワンタッチで交換可能
掃除機本体にACアダプタをつなげても充電できるが、工具用の急速バッテリーチャージャーも付属

 なお、1つ残念だったのはゴミセンサーがない点。手元のランプはバッテリー残量を示すもので、ゴミがなくなったかどうかを示すランプではない。

 電源スイッチは、拳銃のようなトリガースイッチだが、一度押すとONでロック、もう一度押すとOFFになるタイプなので、指の疲れはない。

手元のランプはゴミセンサーではなく、バッテリー残量なのに注意。緑は残量あり、緑点滅で少なくなっている、赤でバッテリー切れ直前を示す

充電は壁掛けホルダーでも専用充電器でもOK

 充電は、本体を壁掛けホルダーにセットして行なう。またバッテリー専用の急速充電器も付属しているので、1本を急速充電器で、もう1本を壁掛けホルダーで同時充電できる。

専用スタンドに掛けることで、低速だが充電も可能。標準添付のバッテリーだと4時間で充電OK

 充電時間は、標準バッテリーを急速充電器で充電すると60分(8割までの充電なら40分)。壁掛けホルダーの場合は、やや時間がかかりフル充電まで4時間かかる。

急速充電器なら60分でフルチャージ。ただ電動工具と共用なので、デザイン的にちょっとダサイ(笑)

 なお大容量バッテリーの場合は、容量に応じて時間がかかるので注意。特に容量6.0Ahバッテリーは、壁掛けホルダーを使うと充電に10時間近くかかる計算となる。

 ちなみにどちらの充電器も大容量バッテリーに対応しているので、標準付属のバッテリー以外を使う際も充電器を買い足す必要はない。

普段使いの掃除機として静かさと微粒子&ホコリをスッキリ!

 Unlimitedは、普段使いにチューニングされた掃除機。運転音も静かで、時間を気にせず使いやすい。

 フローリングの掃除にもいいが、じゅうたんの奥に潜んだ粒子ゴミを「驚く」ほど吸い取ってくれるので、怖いもの見たさ半分、爽快感半分という感じだ。

 また部屋の大きさに合わせて、3タイプのバッテリーを別途購入できるという点も高ポイント。バッテリー容量は自分で選びたいというカスタマイズ派にもぴったりだ。

フローリングからじゅうたん掃除までしっかりできる

藤山 哲人