家電製品レビュー
電動工具のバッテリーが使える! 静かで粒子ゴミまでよく取れるBOSCHのスティック掃除機
2019年7月19日 00:00
ボッシュといえば、緑の躯体に赤いコーポレートロゴ「BOSCH」と入った電動工具でおなじみ。本社をドイツに置き、電動工具のほかにも自動車用部品のサプライヤーとしても有名だ。最近ではe-bikeのユニットメーカーとしても頭角を現してきている。
そんなモーターとバッテリーの組み合わせが十八番のBOSCHが発売したのが、家庭用スティック掃除機。サイクロン方式を採用した、「Unlimited Series8(アンリミテッド・シリーズ8)」だ。BOSCHのアイデンティティといえる緑色ではなく、白と黒のツートンカラーとなっている。
電動ツールと同じ緑の掃除機となると、ちょっと抵抗を覚える方もいるかもそれない。でもこのカラーならリビングにも置きやすく、普段使いにぴったりだ。付属するアタッチメントやバッテリーの個数でいくつかモデルが用意されているが、今回使ったのはバッテリー2個が標準装備されている「BBS1223WJP」。
メーカー名 | ボッシュ |
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製品名 | Unlimited バッテリー2個付属 |
型番 | BBS1223WJP |
価格(編集部調べ) | 49,000円 |
第一印象は「とにかく静か」。一般的なスティック掃除機の運転音と比べると断然に静かだ。電池も長持ちで、パワーヘッドブラシを使わない場合は50分、ヘッドブラシを使っても37分と、長時間掃除ができるグループに入る。
最近のスティック掃除機は、モーターを高速回転させることで吸引力を稼ぐのがトレンド。毎分10万回だ! いや12万回だ! なんのうちは12万5千回! という回転数がカタログに並ぶ。
しかしここには落とし穴が。高速回転するモーターは飛行機のジェットエンジンのように「キンキン」と耳をつんざく音がすることが多い。
でもこの掃除機は、とにかく静かでキンキン音がまったくしない。「ターボ」ボタン(「強」ボタンに相当)を押すと、吸引力が強くなるが、それでも一般的な掃除機の「強」よりぜんぜん静かだ。なおUnlimitedには、ハイパワーで高寿命の高速回転ブラシレスデジタルスピンモーターを搭載している。
静かながらも吸引力はしっかり! 粒子系&ホコリゴミに最強
さっそく吸引力を見てみよう。モーターヘッドはV字ブラシを備えており、ヘッドの両端のゴミを中央に集めて効率よく吸引できる。
実際に色々なゴミを掃除してみたところ、ロボット掃除機のブラシに近い形状のため、砂ゴミ系に非常に強い。またゴミを捨てたときに分かったが、微粒子状のゴミも驚くほど取れていた。
今度は砂ではなく、擬似花粉を床全体に巻いてテストしてみた。実際にはありえない分量の花粉だが、ヘッドが通ったあとは一粒もピンク色が見当たらない。
ただ弱点もある。それは他の多くのスティック掃除機のように、大きなゴミが苦手なようだ。ペットの餌の食べこぼしなどは、ヘッドを取り外して掃除するか、普通にティッシュなどで取り除いた方が早い。
さらに驚かされたのが、じゅうたんの汚れ。自分ではキレイに掃除しているつもりだったのだが、BOSCHを部屋全体に1回かけてみると、取れる!取れる! ホコリゴミと微粒子。
ゴミ捨てする場合は、まずロングノズルを外し、次に本体から吸引&ダストカップユニットを外す。これはダストカップだけ外せるような改良の余地がありそうだ。続けてダストカップ上部にある赤いハンドルを何回かガリガリとまわすことで、フィルターについてる微粒子を落とす。あとはカップのふたを開けゴミ捨てへ。
これだけ汚れが取れると、ダストカップやフィルターも水洗いしたくなるところ。しかし掃除機を掃除するのは日本だけの文化なので、ドイツ製のBOSCHは水洗い不可としている。
スイッチは拳銃のようなトリガー式なので、掃除中はグリップを持ってしまいがち。しかしその持ち方だと手首に重さがかかるので、ホームポジションはターボボタンに手がかかるように上側を持つのがオススメだ。
特徴的なのは、その直進性。スーッと押すとヘッドはまっすぐに走る。フローリングは目があるので自分で直進をコントロールできるが、じゅうたんの場合は難しい。しかしこの掃除機は、軽く押すと直進するので、じゅうたん部屋の掃除を効率的にできる。
ハンドルを左右に倒すと向きを変えられるが、向きを変えるというより、今まで進んできた隣のレーンにチェンジするという意味合いが強そうだ。こちらもじゅうたん部屋の掃除に重宝する。
先端が曲がるすき間ノズルで普段は掃除できないところにも、ノズル収納はスタンドに
延長パイプを外せば、座ったままで掃除ができるハンディにも早変わり。さらにモーターヘッドを外せば、作業などで散らかったゴミを手軽に吸い込むクリーナーとしても使える。
他にも3つの先端ツールが付属。ブラシの出し入れができるコンビネーションブラシノズルは、テレビ台や本棚などのホコリをきれいに。布用ノズルは、ヘッドにエチケットブラシの布が備わっており、ソファーなどのホコリをしっかりキャッチする。
変わっているのは、隙間ノズル。先端がゴムで出来ており50cmほどのホースがグニャッ! と曲がってどこにでも入り込む。通常の掃除機では太刀打ちできない、家具の裏など隙間もきれいにできるだろう。
またこれらの先端ツールは、壁掛けホルダーに取り付けて、掃除機と一緒に保管できるので、使いたいときにすぐ取り出せるのもいい。
バッテリーは電動工具と互換性アリ
さて、スティック掃除機で気になるのはバッテリーの駆動時間。ターボ時は8分で電池切れしてしまうが、スティック掃除機なんてだいたいそんなモン(笑)。大容量バッテリー搭載機でも、せいぜい10分だ。
ただしターボ時8分というのは、標準付属されている容量2.5Ahのバッテリーパックの場合。本機はBOSCHの電動工具用の18Vリチウムイオンバッテリーと互換性があるので、容量1.6倍の4.0Ahバッテリーを装着すれば駆動時間は13分に、最大容量の6.0Ahバッテリーなら、2.4倍長持ちの19分にもなる。
つまり大容量バッテリーを装着すれば、ターボモードのまま長時間運転できちゃうというわけ。使い方や部屋の広さにあわせて、バッテリーを別途揃えられるのは、さまざまな電動工具を展開するBOSCHならではだろう。
標準付属バッテリー(2.5Ah) | 大容量バッテリー(4.0Ah) | 超大容量バッテリー(6.0Ah) | |
標準モード | 37分 | 59分 | 89分 |
ターボ(強)モード | 8分 | 13分 | 19分 |
※いずれもパワーヘッドブラシを使った場合
※一般的なスティック掃除機は、標準モードで20~30分
今回使っているモデルは、小容量のバッテリーが2個添付されているモデル。掃除の途中でバッテリー切れしたら、ボタンひとつで外せる。あとはフル充電されているバッテリーをカチ! と差し込むだけ。
既にBOSCH製の電動工具やバッテリーを持っているなら、バッテリーなしのモデルも用意されている。その場合の価格は約30,000円と比較的求めやすい。なお別売バッテリーの価格は、容量2.5Ah/4.0Ah/6.0Ahの順で、12,000円、17,000円、22,500円。
なお、1つ残念だったのはゴミセンサーがない点。手元のランプはバッテリー残量を示すもので、ゴミがなくなったかどうかを示すランプではない。
電源スイッチは、拳銃のようなトリガースイッチだが、一度押すとONでロック、もう一度押すとOFFになるタイプなので、指の疲れはない。
充電は壁掛けホルダーでも専用充電器でもOK
充電は、本体を壁掛けホルダーにセットして行なう。またバッテリー専用の急速充電器も付属しているので、1本を急速充電器で、もう1本を壁掛けホルダーで同時充電できる。
充電時間は、標準バッテリーを急速充電器で充電すると60分(8割までの充電なら40分)。壁掛けホルダーの場合は、やや時間がかかりフル充電まで4時間かかる。
なお大容量バッテリーの場合は、容量に応じて時間がかかるので注意。特に容量6.0Ahバッテリーは、壁掛けホルダーを使うと充電に10時間近くかかる計算となる。
ちなみにどちらの充電器も大容量バッテリーに対応しているので、標準付属のバッテリー以外を使う際も充電器を買い足す必要はない。