家電製品レビュー

デザインって大事だなぁと感じさせられる、温風/涼風対応のデロンギ「空気清浄機能付きファン」

 11月に入り肌寒い日が増えてきた。特に朝晩は冷え込むが、エアコン暖房を付けるほどでもない気がしてためらってしまう。そこで使ってみたのが、温風・涼風に対応したデロンギ「空気清浄機能付きファン」。スタイリッシュな見た目が好みで選んだが、機能的にも大満足な1台だった!

空気清浄機能付きファン
メーカー名デロンギ
製品名空気清浄機能付きファン HFX85W14C
実売価格52,800円

 空気清浄機能付きファンの特徴は、温風/涼風/空気清浄機能を備え、1年中使える点。本体上部に、PM2.5を99%除去できる「360°ダブルフィルター」を備え、吸い込んだ空気をフィルターで清浄し、キレイな温風/涼風を届けるとしている。空気清浄機能の適用床面積は9畳。

 送風方式には、なめらかでやさしい風を生み出す、独自の「3Dコンフォート・エア テクノロジー」を採用。ジェット気流がなめらかに曲がっていた物体の表面に沿って流れる「コアンダ効果」を応用したものだ。送風してみると、確かに風がやわらかく気持ち良い。リビングで使用したら、どういった風の感じ方になるのか楽しみだ。

 今回は、肌寒くなってきた10月から使用したので主に温風機能を紹介する。涼風や細かい機能については、7月に公開したこちらのレビューを参考にしていただきたい。

フィルターがある本体上部から空気を吸い込み、本体側面からキレイな空気を送り出す
コアンダ効果を応用した、独自の「3Dコンフォート・エア テクノロジー」を採用
上部のフタを開けるとフィルターが入っている

13畳のリビングもじんわり温まった! エアコンを使わない季節にちょうど良い

 温風は、レベル10~28に1段階ずつ設定可能。28はしっかり温かく、10はほんのり温かさを感じられた。風量は1~6に設定できる。まずは13畳のリビングで使ったので、温風モードで「28/風量6」にセットした。

 部屋の広さも関係するが、15分ほどでポカポカしてきて、1時間もすると部屋全体がじんわり温まった。真冬だと温まるスピードが遅いと感じると思うが、外気温13℃の10月下旬ならこれくらいで全然問題ない。むしろエアコンを使うとすぐに温まって頭もぼーっとしてしまうので、じんわり温まるくらいがちょうど良かった。

赤いボタンが温風モード。「28/風量6」にセットし、13畳のリビングで使用した

 なめらかな風も心地よく、温風に手を当ててみると不思議な感覚になる。というのも、送風口は左右にあるのに、どこから風が出てるのかすぐに判別ができないからだ。

 これは、「3Dコンフォート・エア テクノロジー」方式によるものだが、本体が吸い込んだ空気は一度背面パネルにぶつけられ、背面のカーブに沿わせることで風の流れが整えられている。その後、風を側面に沿わせて前面に送り出し、正面で左右2つの気流をぶつけることで風が持つ不快な渦やうねりがなくなる。これにより、面で移動する均一でやさしい風になるのだという。

 確かに風は直線的ではなく、やさしく届けられる。なんとなく部屋がポカポカしていて気持ちいい、と思える快適な空間を作ってくれた。なおモーターは、DCブラシレスモーターを採用。

送風口に手を当ててみても、どこから風が出ているのかわからない不思議な感覚になる

 ちなみに運転音も温風モードなら気にならない。涼風モードでは風量を10まで設定でき、そのときの運転音は49dB。テレビを見ながらだと運転音が気になってしまうのだが、温風モードは風量は6までで、運転音は38.8dB。テレビを見ていても問題なかった。

青いボタンを押すと涼風モードに
涼風モードの風量10は運転音が気になる

寝室や脱衣所、キッチンなど小部屋でも活躍

 13畳のリビングではじんわり温かいという印象だったが、8畳の寝室のような小部屋であればスピーディーに温まれる。同じように温風モードで「28/風量6」に設定したが、こちらは10分ほどでしっかり温かくなった。まだそこまで寒くない時期なので、「20/風量3」くらいでちょうど良かった。

 Wi-Fiは非搭載でスマホでの操作はできないが、リモコンでタイマーのON/OFF設定は可能。運転をOFFにした状態でタイマーボタンを押すと、0.5/1/2/4/6/8/12時間後に運転がスタートするように設定できる。反対に運転ONの状態でタイマーボタンを押すと、設定時間後に運転が停止する。

寝室のような小部屋はスピーディーに温まった
入/切タイマー設定中にボタンを押すと、残り時間が表示される

 本体には取っ手が付いているので、脱衣所やキッチンに持ち運んで使うのも良いだろう。ただ本体は、スリムでも高さがあるので、小部屋だと存在感がある。わが家のような大人2人でいっぱいの脱衣所では、置きづらさがあった。

 本体サイズは、270×850mm(直径×高さ)で、重量は約7.2kgだ。このほか左右首振り機能や、上下の風向きを調整するフラップも備える。なお温風モードの消費電力は1,400Wとかなり高い。最大温度でずっと使い続けるよりは、やはり小部屋で低めの設定にするのが良さそうだ。

本体重量は約7.2kgだが、取っ手付きで持ち運びやすい
脱衣所では存在感があった
キッチンで使うのには向いている

インテリアのようなデザインで、出しっぱなしでも気にならない

 見た目がスタイリッシュなのもポイント。真冬のリビングではあまり出番がなさそうだが、本体のデザインが好みなので出しっぱなしにしていても気にならない。これまで夏場のリビングには、一般的なACモーターの扇風機を置いていて、暑い日に動かしているときでも「デザインが嫌だなぁ」と思っていた。

 しかしこの空気清浄機能付きファンは、使わないときはインテリアの一部のようになる。デザインが好みだと製品自体にも愛着がわき、やっぱり家電は見た目も大事だなぁと感じさせられた。1年中使えるものでも、デザインが好きでないと家に置く気にはならないものだ。真冬もリビングで使うのであれば、涼風モードで風量1~3くらいの低めに設定して、サーキュレーターとして暖房の補助にするのも良いだろう。

 見た目にも優れ、温風、涼風に対応しているのはやはり便利。季節家電は収納場所も確保しなくてはいけないが、これならその心配もない。価格は高いが、1年中使うことを考えると十分元が取れる製品だ。

リモコンは本体上部に収納できる

西村 夢音