e-bike試乗レビュー
電動ファットバイク自転車ほしいなら注目! YADEAは日本の法律もサポートも安心
2024年8月13日 11:05
最近ではさまざまな電動モビリティが登場し、e-bikeってどこからどこまで? という方も多いかもしれません。そして違法モペットのニュースも増えていますが、我々e-bike部は、e-bikeとは「電動アシストユニット(ドライブユニット)が装着されたスポーツ用自転車」と考えています。
そんな状況で知れば知るほどに興味深い電動アシスト自転車が、今回レビューするYADEA「TRP-01」です。世界最大級の電動モビリティブランド「YADEA(ヤディア)」と、創業68年の作業用品トップメーカーの長谷川工業(ハセガワ/HASEGAWA)が共同開発した、非常に本気度の高い電動アシスト自転車です。
ちなみに、YADEAは香港の上場企業です。創業は2001年で、それ以来世界100カ国以上で電動モビリティを販売しています。e-bikeなのか? 電動モビリティなのか? 筆者も悩んだのでここでは電動アシスト自転車と呼ぶことにします。
YADEA「TRP-01」の車体の写真を見て、「……あぁソッチ系ね」とか「なんか胡散臭い気が」なんて思ってしまった方もあると思います。正直を言うと筆者も「なんとなく違法な香りがする車体かも」なんて思ってしまいました。
ですが、まったく違います。たとえばYADEA「TRP-01」は普通自転車と駆動補助機付自転車の型式認定を取得しています。法的に完全に問題のない自転車として安心して乗れるというわけです。ちなみに車体サイズは1,690×600×1,040mm(全長×全幅×全高)で、もちろん普通自転車として認められる範囲内のサイズですので、自転車走行が許可されている歩道を走ることもできます。
外見はワイルドだけれど、根は至極真面目? みたいな電動アシスト自転車です。
またYADEA「TRP-01」などYADEAブランドの電動モビリティはサポートも充実しています。たとえばYADEA「TRP-01」の場合、電気系統など車体の故障があれば、メーカーが「回収」して修理してくれます。YADEAブランド製品のアフターサポートの詳細は公式サイトにありますが、サポートが手厚い点でも非常に安心して使える車体です。
YADEAブランドの電動モビリティなどは、すでに日本国内でも販売されています。電動キックボードを始めとする各種電動モビリティですが、電動キックボードなどはすべて「国土交通省認定機関による性能等確認制度の適合品」で、安心して乗ることができます。
また今後、YADEAブランドは日本国内でより本格的に展開するようです。たとえば2024年5月3日にはYADEAの日本初となるフラグシップストア「YADEA表参道ショールーム」がグランドオープンしました。
といった感じでイロイロと本気度の高いYADEAブランド。そんなブランドが放つ電動アシスト自転車とはどんなものなんでしょうか? 以下にYADEA「TRP-01」のレビューをお届けします。
YADEA「TRP-01」は、どんな電動アシスト自転車?
YADEA「TRP-01」はシングルスピード(変速機なし)で、外見はオートバイのようですが、誰にでも手軽に扱えるよう設計されています。サドルの低さもあり、意外にも女性に人気があるそうです。そんなYADEA「TRP-01」ですが、写真とともに特徴を見ていきましょう。
車体は重いが走りはスムーズ、走り出しも力強く、急坂も得意
試走前にYADEA「TRP-01」について危惧していたのが「車体重量が36kgもあって、アシストはあるけれど、走りが重いのでは?」ということです。筆者は試走時に自転車をミニバンの後部に積んで出かけますが、YADEA「TRP-01」を積むのはそこそこタイヘンでした。なので、たとえば「外階段を上がったところにYADEA「TRP-01」を駐車する」という保管方法は非現実的かもしれません。
ただ、走り出してみたらその重さはまったく気になりませんでした。まず走り出しが非常にスムーズでパワフルなこと。それから走り出すとグイグイと加速していけて、スピードに乗るとそのまま速度を維持するのが容易と感じられます。
実際にはスピードは20km/hくらいかそれ以下で走る車体だと思います。アシスト限度の24km/h近くのスピードで巡航しようとすると、その重さからペダルを漕ぐ脚がけっこう疲れます。筆者的な感な感覚では、YADEA「TRP-01」は15km/hくらいのスピードでゆったりラクに走るのがいいのかな、と思います。e-bike部・清水氏が乗った印象も同様で15~19km/hくらいとの印象だったそう。走行中に信号が変わりそうになって抜けようと思ったら苦労したそうです。
ドライブユニットは非常にパワフルで、ペダルを踏んだ分だけしっかりアシストしてくれるという印象です。しかしそういうパワーがあっても、停車時にペダルを踏むと前に出ようとするような挙動はありません。走り出しのときのアシストも、ライダーがペダルを踏んで一瞬の間があって滑らかに出力が上がるというもので、全体的に安心感のあるアシストだと感じられました。
重いから坂道は苦手かな? とも思いましたが、激坂急の上りでもグイグイとアシストしてくれます。急な上り坂でややスピードを出す、というのは苦手という感じですが、低速ならば激坂もラクに上っていけます。
試走前に「シングルスピードというのも……どうなのかな?」とちょっと気にしていました。しかしYADEA「TRP-01」には十分なアシスト力があり、どこでもラクい走れてしまう感じなので、「ギアを気にしないで済んでかえって気軽でいいかも」と思いました。
それから太いタイヤと前後のサスペンション。多少の段差ならその存在に気がつかない程度、振動や突き上げを吸収してくれます。全体的にコンフォートなYADEA「TRP-01」です。
どこまでもラクに行けて、どこでも走れるという楽しさ
YADEA「TRP-01」はアシストのパワーも十分で、乗車姿勢もラクで、太いタイヤと前後サスペンションのおかげで荒れた道も快適に走れる。……ということは、道なき道みたいなところでもラクなのでは? 実際に試してみました。まずは草地を。雑草だらけの地面という感じの場所です。
さらに砂利道で。わりとフラットな砂利道です。
もっと凸凹のある路面……? も、走ってみました。
YADEA「TRP-01」について、筆者だとサドルが低すぎるという印象がありました。筆者の身長は180cmくらいで、YADEA「TRP-01」のサドルだと脚をかなり曲げてペダルを踏む姿勢になります。スポーツ自転車ではアリエナイという低さと脚の曲げ方ですが、YADEA「TRP-01」については「これでもいいかな」と思いました。
というのは、YADEA「TRP-01」ではあまりスピードを出さない(出せない)ことがあります。それに加えてアシスト力が強いので、あまりペダルを回す必要がなく、何度かペダルを踏めばラクに速度を維持して走れるという感じです。
またサドルの低さと乗車姿勢のラクさは、どういう路面を走っても安心感があります。たぶん背が低めの女性でも、「あっ!」と危険を感じたらすぐ両足を地面にペタリと着くことができると思います。スピードをあまり出せず、ブレーキも良く効くので、より安全に急停車することができるのも、YADEA「TRP-01」の良さかも知れません。
車体が重くて安定感があり、スピードをあまり出さないで走るのが好適で、サドルが低いことからくる安心感もある。乗り心地も非常にいいですし、楽しんでラクに、どこへでも走って行けるというのが、YADEA「TRP-01」の楽しさかも知れません。
ただし、車体の重さやゴツさ、それからサドルの高さについては、人によって好みが分かれるところ。なので購入を考える場合、ぜひショールームなどで保管状況も想定して実車に触れてみてください。