家電は共働き家庭を救うか!?

いまさらですがドラム式洗濯機を初体験。乾燥機能以外に驚いたこと

息子が中1のときに初めて結婚した著者が、家電偏差値35ながらに、時短家電を使いこなす日々を綴ったコーナーです
ドラム式洗濯乾燥機を初体験

洗濯は私にとって比較的負担が少ない家事だ。子どもが小さいころは、保育園が布おむつだったり、部活のユニフォームが泥だらけだったり、ものすごく大変だったが、それゆえに「今はだいぶ楽」という気持ちが強いからだろう。加えてこの数年は、夫が何も言わなくとも勝手に洗濯機を回し、干してくれる。ブラック企業からホワイト企業に転職した会社員のような気持ちだ。

だから最近は洗濯の時短にあまり目が向いていなかったが、「バラエティ番組で家電芸人が紹介した東芝のドラム式洗濯乾燥機が、納品まで9カ月待ちとなっている」という噂を聞いてがぜん興味が湧き、東芝ライフスタイルの「ZABOON(ザブーン) TW-127X9」を2カ月使ってレビューしてみた。洗濯/乾燥容量は12kg/7kgで、実売価格は26万円前後。

想定外の大きさ、ぎりぎり設置

初めてドラム式洗濯乾燥機を家に迎え入れた第一印象は「でかっ」だった。設置前に、「防水パンの細部や蛇口の高さを確認してください」と2度依頼され、こちらもメジャーで測って「何とか入るかな」と思っていたが、この「何とか入る」がくせものだった。実際に設置しようとすると、入りそうで入らない。防水パンに力技で押し込んだとしても機体が傾いて、安定しない恐れがあるという。

家まで来てくれた東芝ライフスタイルの担当者・Nさんにとっては想定内だったらしく、彼は防水パンを覆うような専用の取り付け台を設置する準備に入った。Nさんが汗をかきながらDIYしている間に、配送会社のスタッフ2人もさまざまな角度から搬入を試み、15分ほどして、何とかぎりぎり収めることができた。

自分で測ったときは大丈夫だと思ったが、機体の足の部分が排水口にかかって安定しない可能性があるとのことで、かなり設置に苦労した
防水パンの上に板を置くべくNさんが準備を進めていたが、配送業者さんの努力で何とかはまった

「一度使い始めると非常に快適なのですが、設置が大きな関門なのです」とNさん。洗濯容量12kgの同機種は、乾燥のためのファンを内蔵しているため、同じ容量の縦型に比べるとかなり場所を取る。家電量販店で見ると大きさを感じにくいので、私のように「何とか入るだろう」と購入したものの、搬入してみるとやっぱり入らないというケースも時々あるそうだ。

うちはぎりぎり何とかなったが、自宅のスペースが設置条件に合致しているかは、しっかり確認した方がいい。レビュー開始前に頓挫するのではないかと、こちらも冷や汗だった。

高さも幅も、本当にぎりぎり

何も考えずに洗濯できる「洗剤自動計量・投入機能」

ドラム式洗濯乾燥機は洗浄力がいまいちと言われるが、同機種は繊維のすき間まで入り込む極小のウルトラファインバブルを生成することで、洗浄力を高めたという。

Nさんは、「洗浄力と言えば食べ物や泥などの汚れをどれくらい落とせるかに注目が集まりますが、ウルトラファインバブルが繊維のすき間に入ることで、汗や皮脂の汚れを落とし、黄ばみにくいのが特徴です。長期間使わないとなかなか分からない部分でもありますが……」と話していた。

2カ月使ってみた限り、洗浄力は所有している縦型の洗濯機と変わらない印象だった。コーヒーやタレは、汚れがついた後すぐに水で軽く洗い、洗濯機に入れたら問題なく落ちた。

衣類に飛び散ってしまったドレッシング
すぐ洗濯機に入れてきれいになった

一度、カレーがついた服をそのまま洗濯してみたが、黄色い汚れが残ったので、頑固な汚れは下洗いが必要だ。
最も洗濯機の進化を実感したのは、タンクに洗剤と柔軟剤を入れておけば、洗濯機が洗濯物の量に合わせて計量し、自動投入してくれる機能だ。

私は二層式から全自動にシフトした時点で、洗濯機は自動化を完成し、人間がやることはほぼなくなったと思っていた。また、洗剤の投入は家事の中では極めて楽な部類に入るので、これまで面倒と思ったこともなかったが、その手間がないと本当に頭を使わずスイッチを押すだけで、洗濯が終わる。

この機能をあまり褒めると、自分がいかに無精者かがばれてしまうが、私は量るのが面倒で柔軟剤を使ってこなかったので、同機種を使用中は数種類柔軟剤を買ってきて、ステイホームのささやかな楽しみになった。

洗剤・柔軟剤を最初にタンクへ投入しておくと、勝手に計量・投入してくれる

シーツやタオルケットを洗うハードルが下がる

そして乾燥機能である。新型コロナウイルスの拡大が始まったころ、「ウイルスは太陽の光で死にます」というデマが拡散したように、日本人の多くは日光にあてた方が色々きれいになるという感覚があるのではないか。って、私がそうだ。

実際には、外干しした後のぱりっとした衣類も好きだが、乾燥機から出したての衣類の方が、ふわふわしていて気持ちよかった。タオルは特に。

洗濯から乾燥終了までは2時間半~4時間。半日足らずで乾燥まで終わるとなると、シーツやタオルケットなど寝具の洗濯にもがぜん前向きになる。同機種を借りていた間は、マットレスのシーツや枕カバーを頻繁に洗い、柔軟剤の香り漂う気持ちのいい就寝環境だった。

タオルケット、マットレスのパッド、そして毛布
在宅勤務の間に、ちょこちょこ洗って乾燥までできるのはとても良かった

私たち夫婦はコロナ禍以来ほぼ家で仕事をしている。在宅勤務と洗濯という家事は非常に相性がよく、洗濯物は減るし、片方が皿を洗っている間にもう片方が干す、畳むなど分業もしやすい。しかし2カ月のレビュー中に、ものすごく忙しくて出ずっぱりという期間が2度あり、その時は大容量洗濯乾燥機のありがたみが身に染みた。容量いっぱいまで放置して、スイッチ一つで乾燥までやってくれる。ステイホームだと掃除と料理の負担が大きいのだけど、外に出ることが多いと、アウトソーシングできない洗濯が途端に苦痛なんだな……。

使っているうちに出てくるほこり問題

2カ月の使用で、「大きすぎる」以外の困りごとはほぼなかったのだが、気になった点も記載しておきたい。

まずスマホとの連携がうまくできなかった。専用のアプリを使えば、遠隔で洗濯機を操作できるそうだが、何度やってもうまくいかず、家電 Watch編集部から東芝に問い合わせてもらい、日を改めて繰り返し挑戦したが、最後まで使えなかった。Nさんによると、そういうケースは時々あるらしい。同機種に限らず、家電のスマホ連携はまだまだ「だれでも簡単」ではない。

洗濯の細かい指示、タイマー予約、洗剤や柔軟剤の量の設定はタッチパネルで
アプリを使えば遠隔から同じことができるそうだが、何度やっても連携できずに断念

もう一つは、使っているうちに出てくるほこり問題だ。TW-127X9の普段のお手入れはとても簡単で、洗濯で出てくる糸くずなどのごみと、乾燥で出てくるほこりはそれぞれ決まった場所にたまるため、取り出してごみ箱に捨てるだけでいい。

乾燥機フィルターのお手入れは、掃除機に似ている。たまったほこりはごみ箱に
フィルターのほこりはブラシで除去する

しかし、ドラム式洗濯乾燥機を使っている複数の友人から、「使っているうちにゴムパッキン周辺にほこりが固まって付着するようになる。毎回ふき取っても出てくる」「ある日突然、どこに潜んでいたのってくらいのほこりが出てくる」と聞いた。いずれも使い始めて2年経った頃から、ほこり問題に悩まされるようになったそうだ。

編集部を通じてメーカーに問い合わせたところ、「どのメーカーでも使い続けているうちにほこりが出てくる」そうで、

・洗濯/乾燥が終わったら内側を布でしっかり拭く
・洗濯槽クリーナーで定期的に掃除する

という対処法を案内された。

友人にそのまま伝えると、「洗濯槽クリーナーは毎週使っているけど、1個2,000円なので安くないのよ」との返事だった。みんな楽をしたくて高価な洗濯乾燥機を使っているのに、メンテナンスが大変だったらがっかりしないのかな。

ただ、ほこりに悩む友人全員が「それでも洗濯物を干したり畳んだりする手間よりまし」と口をそろえたので、家事の負担感って人それぞれだなーと改めて思った。

洗濯で出てくる汚れは、こちらに

後日、洗濯機を引き取りに来てくれたNさんにほこり問題について聞いた。Nさんが「開発部門も一生懸命取り組んでいるのですが、完全には解決できていません。ある日突然ほこりが出てくるように見えますが、実は長い間かけてたまり続けているのです。なので、初期からお手入れをすれば、かなり抑えられます」と説明しながら、ゴムパッキンの柔らかい部分(ベローズと言うらしい)をめくると、私が全く気付いていなかったほこりがたくさんたまっていた。友人が「どこから出てきたか分からない」と言っていたほこりは、ここに隠れていたのか……。

Nさんいわく、購入時から月に1度洗濯槽クリーナーを使うのもほこり対策に効果があるそうだ。こう聞くと、歯のメンテナンスのようなものだな。日頃の歯磨きが大事で、痛くなってからでは遅い。時々定期健診も必要ということか。

普通に使っていると全く見えない部分にほこりがたまっていることを知り、びっくり
ゴムパッキンの表面に出てきてから気づく人も少なくないが、そこまでたまると除去するのが難しくなるという

複雑な機能、販売後のサポートが必要

私は引っ越しの頻度が多く、同居人数の変化も多いので、家電はコンパクトでシンプル、つまり安いものでそろえている。だからこの連載で高機能家電をレビューするたびに技術の進化にびっくりしているが、一方で機能が複雑になり価格も上がるにつれ、販売前と販売後の説明やサービスが非常に大事だとも感じる。

友人の1人は、実家の親もドラム式洗濯乾燥機を使っているが、洗浄力の弱さが不満で他メーカーに切り替えた。そうすると今度は、ほこりという別の問題に悩まされるようになったと話していた。

Nさんは、「長く使っていく上での課題と対処法は販売する際にしっかり説明しないと、お客様をがっかりさせる要因になる」と話していた。私はたまたま、商品愛にあふれる担当者と直接話をして納得できたが、友人たちはサポート部門に聞いてもすっきりせず、ネットで業者を検索したり、ストレスを抱えていた。

メーカーが「故障」と捉えていない小さな問題であっても、大物家電は値段的にも大きさ的にも買い替えが難しいので、もやもやしながら何年も使い続けている人もいる(次買い替えるときは絶対にメーカーを変えると思いながら)。

今回、私は非常に快適に使っていたけど、ドラム式洗濯乾燥機を使い続けている何人もの友人から、(メーカーを問わず)「こういうことで困っている。社員さんとお話できるなら、聞いてほしい」という相談を多く受けた。Nさんのように正直に、そして親身になって快適な利用をサポートしてくれる窓口があればいいなと思う。

浦上 早苗

新聞記者歴12年。2010年に小1の息子を連れ中国に博士留学。その後現地での大学教員を経て2016年に帰国。息子が中1のときに初めて結婚し、シングルマザー生活に終止符を打つ。フリーランスで経済ジャーナリスト、翻訳、MBA教員など。公私ともに何でも一人でやってきたので、効率化とマルチタスクは得意分野ですが、家電偏差値は35くらい。取扱説明書を読む時間ももったいないので、直感で動かせる電気製品、デバイスであるかは購入の重要な決め手。