片付け過ぎない片付け術

[片付け過ぎない片付け術81]「片付けない子」にイライラしない考え方

「片付けない子どもにイライラする!」ママはたくさんいると思いますが、ママが少しだけ考え方や目線を変えてみるとグッと楽になります。今回は、「片付けない子にイライラしない考え方」についてお話しましょう。ポイントは「子どもの気持ちを理解する」ことと「我が子が片付けないのはママのせいじゃない」の2つ。子どもの心だけじゃなく、ママ自身の気持ちにも向き合って、毎日の暮らしをちょっと楽にしてみましょう。

 

「子どもが大切にしているもの」を理解しよう

さっきまでブロックで遊んでいたのに、今はおままごとセットで遊んでいる、ということは、子どもによくある遊び方ですよね。このとき、「ブロックを片付けてからおままごとセットを出しなさい!」と叱ってしまうお母さんも多いのでは。子どもが遊んでいる状況だけを見ると「先に遊んだおもちゃを片付けずに新しいおもちゃを出して遊んでいる」と見えますが、子ども自身は「ブロックとおままごとセットを組み合わせて遊びたい」と思っている場合があります。

 

お子さんに、どんな遊び方をしたいのかを聞いて、子どもが大切にしている世界を知ると、遊び方に理由があることが分かるでしょう。大切なのは、散らかさないように遊ぶことではなく、思いっきり散らかしながら遊んだ「あと」に、「おもちゃを元の場所へ戻す」ことです。

 

子どもにとって「片付けるメリット」があるかを知ろう

ある女の子が「片付け上手だとみんなから『女子力高いね』と褒められてうれしい」と言って、お片付けを頑張っていたそうです。その子にとって、片付け上手と褒められることが「メリット」になるので、片付ける原動力が生まなるのですね。ただ、そのように褒められたとしても自分自身のメリットとして感じないお子さんでは、同じようにはいきません。我が家の息子がそうで、男子校に通っていた息子にとって「片付け上手な俺」は得をすることではなかったのです。とは言え、片付けが苦手だった私の弟は、同じく片付けが苦手な女性とお付き合いし、彼女のために頑張って片付けて、結婚に至りました。今もかいがいしく片付けているようです。このように本人にとって「メリット」がある行動なら、自ら取り組めるのですね。

 

「ママの理想」と「子どもの理想」は違うかもしれない

「いつもスッキリ片付いた家」にしておきたいママ。突然ママ友が遊びに来たり、おやつをサッと写真に撮ってインスタグラムに上げたいときなどは、きちんと片付いていないと焦ったりガッカリすることもあるのではないでしょうか。一方、お客様の家へ片付けサポートに行くとそのお宅お子さんが「散らかしても怒られない家の方がいい」と言うことや、ママにいつも「片付けなさい」と怒られている子どもが友だちの家へ遊びに行き、そのお宅のママが散らかっていても怒らないのを見て「こういう家に生まれたかった」と思った、というケースもあります。「いつもきれいに片付いた空間」と「散らかしてものびのびといられる空間」は正反対なので両立は難しいですが、お子さんの気持ちを知って共有することで、イライラを減らせるかもしれませんね。

 

片付いて見えなくても、子どもは「使いやすい」かもしれない

また、ママが「片付いている」と思う状態と、子どもが「使いやすい」状態は違う場合があります。整然とした状態だけが「片付いている」と言えるとは限らないのです。片付けが苦手に見える子でも、本人の中で片付け方が分かっていたり、物がどこにあるか把握していたりする場合、ママから見て片付いて見えなくても、欲しい物がサッと出せるので忘れ物をしないということがあります。また、こんな例もあります。ママが子どもの本棚の本を、見た目がきれいになるように「大きさ順」に揃えました。でも子どもが出し入れするうちに、大きさ順が乱れてきました。理由は、子どもにとっては本の「内容別」に揃える方が探しやすいからでした。見た目の美しさだけでなく、子どもの「使いやすさ」についても考えてみると、どんな状態がベストなのかが見えてくるでしょう。

 

「子どもが片付けないのは、躾ができてないから」ではない

お姉ちゃんは片付け上手なのに、妹はサッパリ片付けないなど、兄弟を同じように育てても、違うように成長するケースは多くあります。これは、育て方や環境だけでなく、もって生まれた性格や資質も関係するのではないかと考えています。特に教えたりしなくても、国語が好きで算数が苦手な子、運動が好きで読書が苦手な子がいるように、「片付けが得意、苦手」というのも、子どもの個性の1つだととらえてみてはどうでしょう。私の息子も小さいころから片付けが苦手なので、上手にしつけられなかった自分を責めたこともありました。でも、人前で話すことが得意な息子を見て「片付けが苦手でも、ほかにいい所がある」と思うことにしたら気が楽になりました。

 

まとめ

「いつもきれいに整っている状態」が本当にいいのだろうかと考えてみました。物をしまい込まず常に出してある状態の方が、欲しいものをすぐに使えて便利な面もあります。また親が理想の空間に縛られ過ぎると、子どもも窮屈になってしまいますね。私はあるときから、常にきれいに整った空間を保つよりも、多少出しっぱなしでも、子どもが物を探しやすく使いやすい空間でのびのびと過ごすことを優先したら、イライラしなくなりました。

 

と言っても、ママの快適な空間も大事にしたいですよね。そんなときは、ドレッサー周りやキッチン、趣味のエリアなどをママの好きなように整えてみましょう。また、「ダイニングテーブルはいつもきれいにしておく」など、エリア限定で整った状態をキープするように子どもに協力してもらうのも、子どもの片付け力をアップさせる効果も期待できておすすめです。

 

 

NON(ライフオーガナイザー)

暮らしをシンプル=簡単にすることで、もっとラクに、ハッピーになれるアイデアをいつも探しています。片付け過ぎない片付け術、ラク家事、かんたん料理や手芸、子育てなどをテーマに、等身大のヒントを発信していきます。ブログは「のんびりシンプルライフ~NON*troppo」