趣味の節電道入門
第36回:出張! 節電コーチ「占い師さん宅の丸い玉を交換」
by 小口 覺(2015/3/18 07:00)
節電のネタが見つからない。
Facebookでそうボヤいたところ、「電気代が高いので見てくれ」的なコメントを数人からいただいた。そのうちの一人、古くからの知人である占い師のA先生は、2月分の電気料金が5万円を突破したという。これは酷い! いや大変だろうということで、さっそくご自宅にうかがい、節電のアドバイスさせていただくことになった。
A先生が愛犬2匹と愛猫6匹と暮らす自宅兼仕事場は、渋谷区内の3階一戸建て。1階はパワーストーンなどを販売するお店で、完全予約制。2階はキッチンと占いの鑑定などを行なうスペース。そして3階がプライベートの生活スペースだ。電気代が5万もかかる家ってどんな大邸宅だよと思う方もいるだろう。失礼を承知で言って、都内では平均的なこぢんまりした建て売り住宅である。
意外にも(?)、A先生は東京電力の「でんき家計簿」<関連記事はこちら>に登録しており、過去のデータを見ることができた。
グラフで見ると、1~3月の使用量がいずれも1,300kWh超え(料金では3万後半~5万円前後)、季候のよい春や秋は700~1,000kWh(2万円台~3万円前後)と比較的少ないものの、節電の余地はかなりありそうだ。
この2月が初の5万円超え、使用量でも前年に比べて8%アップしているが、その原因に思い当たることは?
「ハロゲンヒーターかしら。前は寝るときに消していたんだけど、犬がたいそう喜ぶので消すのがかわいそうになってねぇ……」
ハロゲンヒーター24時間稼働はきつい。他の暖房器具は、13年もののエアコンが全部で5台。洗濯機はドラム式で16年ものだが、乾燥機能は使っていないという。
「そのかわり、浴室乾燥機を使っているんだけど、あれは電気食うのかしら?」
もちろん。ヘアドライヤーで乾燥させているみたいなもんですから。
「あら~、バスルームに入ったときの暖かさが気持ちよかったんだけど、使わないようにするわ」
冷蔵庫は2台! まだまだ改善の余地あり
キッチンを見せてもらうと、冷蔵庫が2台並んでいる。新しい方は2002年製造の三菱電機「MR-S40B」。容量は401Lで、年間消費電力は320kWh。古い方はナショナルの「NR-D41VP2」。1991年頃の製品で、細かいスペックはネットで検索しても出てこない(「検索しても出てこない」と書かれたブログはあった)。年間の消費電力はなんと469kWh。
「古い方は最近明らかに調子がおかしいので日曜日にコンセントを抜いたの。冷蔵庫ではなく物入れとして使おうと思って」
それが取材の3日前だという。最初、冷蔵庫を最新のモデル(年間消費電力200KWh前後)に買い替えてもらうかと思っていたが、24年モノの稼働停止だけで、来月には数値に現れてきそうだ。
冷蔵庫は安くても10万円前後はするので、追々考えてもらうとして、電球をLEDに替えるところから実行してもらうことにした。もっとも長時間過ごしている2階には、ミニクリプトン電球(36W)が16個使われている。その内、よく使用する7つをLEDに、3階の白熱灯2つもLEDに変更した。
ざっくり計算すると、消費電力は368Wから46Wに下がり、その差は322W。1日12時間使うとして、1年の使用量は1,410kWh、第3段階の単価29.93円をかけると約4万2,212円となる。LEDの購入額は1万円を切っているので、3か月しないうちに元が取れるはずだ。
果たして、A先生はその結果に喜んでもらえるだろうか? これに味を占めて、さらなる節電プランに予算をつぎ込んでくれれば、趣味の節電家としてこの上のない喜びである。