走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

ナイキのロングセラー「ペガサス」の35弾モデルは、前へ前へと足が運ばれていく推進力が魅力

<実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 1982年のデビュー以来、ナイキのランニングカテゴリーを代表するシューズとして、根強い人気を誇るのが「ペガサス」シリーズ。今年リリースされた第35弾モデルは、ランナーから高い評価を得てきた部分はキープしつつ、数多くの機能アップに成功。これまで以上に汎用性の高いランニングシューズに仕上がっている。

ナイキ エア ズーム ペガサス 35
メーカー名ナイキ
製品名ナイキ エア ズーム ペガサス 35
実勢価格12,960円(税込)

 初代モデルの登場以来、ペガサスの名は“ナイキ ランニング”の代名詞といえるロングセラーとして知られてきた。今回リリースされた「ナイキ エア ズーム ペガサス 35」は、リオデジャネイロ五輪の陸上競技5,000mと10,000mで金メダルを獲得したモハメド・ファラーを始めとした、エリートランナーのアドバイスを積極的に取り入れて、さらなる機能性アップに成功している。

 筆者は同シリーズの直近10世代ほどを実際に履いて走っているが、初心者から上級ランナーまでの幅広い層のランナーに対応するなど、その汎用性の高さに注目してきた。だが、今回はアッパーデザイン、ソールユニット(ミッドソール/アウトソール)の両方が変更されたフルモデルチェンジ。

 まず足を入れてみると、どちらかいうとつま先部分がコンパクトな作りでタイトなフィッティング。筆者の足にはジャストフィットして脚力を的確に伝達してくれるだろうことがすぐに理解できた。もちろん足幅の広いランナーのためにも、エクストラワイドタイプが用意されている。

アッパーは通気性とフィット性に優れたメッシュ素材を使用し、長時間のランニングでも快適な履き心地をキープ

 またアッパーの履き口後方を反らすことで、走行中のアキレス腱への干渉を防いでくれる。実際に走り始めると、軽量で足が自然と前方に出ていく感覚が味わえる。ミッドソールに採用されたクシュロンという素材は、沈み込みの少ないタイプながら優れたクッション性を発揮。ナイキ ズームヴェイパーフライ4%のカーボンファイバープレートに類似した形状に成形されたズームエアを内蔵することで、比類なき反発性能を備えている。

ミッドソール後端が後ろに伸びたデザインは「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%」や「ナイキ ズーム フライ」のデザインを思わせる意匠。着地から蹴り出しへの動きをスムーズにする

 これまでのペガサスシリーズよりも明らかに推進力が向上しているのがわかる。日課の6kmを32分ほどで走り終えた時には、速めのペースに向いている気がした。

アウトソールは特にコンクリートやアスファルトといったオンロードに向くパターンだが、ある程度刻みの深さもあるので、土や芝生の路面にも対応してくれる

 最近ランニングシューズの価格は上昇傾向にあるが、このモデルの1万2,960円(税込)というプライスは、シューズの機能性の高さを考えると、かなりお買得の1足といえよう。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。