走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

長時間履いていても、快適さを失わないソックス!

<実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 裸足で靴を履かない限り、足が直接触れるのはランニングシューズではなく、ソックスである。ランナーの脚力はソックスを通してシューズに伝達されるから、実はランニングにおいてソックスはシューズと同じくらい重要である。

 アメリカのランナーはそのことを知っているので、現地のランニングプロショップには様々なデザインや厚さのソックスが取り揃えられている。一方で日本はどうだろう。シューズと同じくらいソックス選びに時間をかけるランナーは滅多にいない。

 しかし日本には海外のランナーからも高い評価を得ているブランドがいくつか存在する。そのひとつが「R×L(アールエル)」であり、ニューモデルの紙糸を使用したワイルドペーパーは、その高い機能性で多くのランナーを魅了しそうだ。

R×Lのワイルドペーパー
メーカー名R×L(アールエル)
製品名ワイルドペーパー
実勢価格2,808円

 R×Lのワイルドペーパーに使用された糸は、独自に試作を重ねて開発した紙糸にナイロン糸を撚ることで、従来の紙糸よりも強度を高めることに成功。一般的な糸の約半分という軽量性も確保している。さらに水に濡れてもサラっとした触感で通気性も高い。これまでも紙糸を使用したソックスを着用したことがあったので、それらとの比較も楽しみだった。

足の形状を徹底的に研究して立体的に編まれているので、一般的なソックスと比較するとそのフィット性能は驚くべきレベルにある。ランナーの脚力をロスなくシューズに伝えてくれるはずだ

 実際に履いてみると、左右専用設計や、つま先部分は親指側を高く、小指側を低く編むなど、かかとの形状を再現した立体構造により、足とソックスのフィット感は驚愕すべきレベル。自分自身の脚力をロスなくシューズに伝えてくれた。

 個人的にはもう少しソックス自体の厚みがあったほうがソックスとシューズのフィット感も高まって好きなのだが、手持ちのシューズ3足で試したが、普段履いているソックスとの組み合わせより若干緩いものの、シューレースの調整で対応できる程度だったので、特に問題ないだろう。

アキレス腱部分には保護パッドが設けられており、ランナーのアキレス腱を守ってくれるとともに、摩耗しやすいこの部分の補強にも貢献している

 日課の6kmランでは走り終わった後もソックス内部はサラッとした感触で、既存のソックスよりも明らかに快適度が高い。

 3度目は距離を10kmに伸ばしたが、快適度は変わらない。それだけに今のような寒冷時でなく、盛夏時やフルマラソン時にも試してみたいと思った。そして水に強いという特性は雨の日のレースでも真価を発揮しそうで、そういったときこそ、このソックスの機能性を最大限体感することができるだろう。

 3,000円近いプライスは普通に考えると高いかもしれないが、フルマラソンなどのレース時にシューズ内部がこれまでにないくらい快適性を保ってくれるのであれば、その価値は充分にあると思う。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。